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FA-VA5でインダクタンスを測定

アンテナアナライザFA-VA5をある方からお借りした。これを使って、先日のトロイダルコアによるインダクタを測ってみる。

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測定の様子

プローブはOSA103 Miniで測定したときのものと同じ自作品。このプローブを使って、SOLキャリブレーションを行った(これも、OSA103 Miniの場合と同じ)。

測定結果

T37-6 30回巻き

まず、比較として、OSA103 Miniによる測定結果。

巻数 計算値 DE-5000 2 5 10 15 20 25 30 35 40 自己共振
30 2.70 2.84 2.76 2.79 2.81 2.86 2.92 3.03 3.11 3.34 3.78 75.1

FA-VA5による測定結果。

OSA103 Miniでは、カーソルをマウスで移動させて一つ一つ値を読み取るしかないが、FA-VA5(と言うか、VNWA 3 Software)では、マーカを複数置いて値をまとめて表示できるので非常に嬉しい。また、いろいろなグラフを一度に表示できる。今回は、インダクタンスをシリアルモードとパラレルモードで測定したもの、それと、インピーダンスの絶対値と実部・虚部。

インダクタンスは、OSA103 Miniによる測定結果と大体一致。周波数が高くなると少し離れてくる(40MHzで、OSA103 Miniでは3.78µHに対して、FA-VA5では約3.4µH(マーカをセットしなかったのでグラフから))。

2MHz位まではインダクタンスがやや高く表示され、3MHzくらいのところに不連続なところがある。これはなんだろう?

自己共振周波数はずいぶん上の方に見える。これは、インダクタの自己共振周波数と言うよりも、測定系を含めたものということか?

余談ながら、マイクロは「µ」なのに、オームはなぜ「ohm」なんだろ?

シリアルモードとパラレルモードについては、こちらの記事で。

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T37-6 20回巻き

マーカはそのまま使えるので、測定するだけ。非常に楽。3MHzあたりの不連続な点があるのは、今回も同様。

T50-6 40回巻き

スイープの上限を50MHzにした(T37-6の測定の際は100MHzまで)。また、インダクタンスが大きくなるので、縦軸を下げた(一番下が5µH)。

3MHzあたりに不連続な箇所があるのはこれも同じ。下の方(数百kHzあたり?)も逆方向の不連続が生じている。T37-6の場合も、よく見るとそうなっている。この測定結果で言えば、2MHzが高めに測定されているということ。OSA103 Miniでは2MHzだけが高く出るというようなことはないようなので、これはFA-VA5の特性か?あるいは、まだ私が慣れていなくて何かミスっているか?

補足

キャリブレーションでは、使用プローブを使って行ったことは上に書いたとおり。オープン、ショートは、ミノムシクリップなので簡単。ロードは51Ωの抵抗を使ったのだけど、100Ωを二本パラにして50Ωにすればよかったかと今さらながらに思う。51Ωだと1Ωしか違わないとはいえ、パーセンテージで言えば2%も違うのだから。100Ωを二本なら、選別して組み合せると50Ωピッタリにできそう。でも、OSA103 Miniでも51Ωを使ったので、ここでは両者の比較ということで、条件を揃えたという意味ではいいだろうと思う。

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