ATU-100(アンテナチューナ)を使ってみた

手のひらサイズのアンテナチューナATU-100をレビュー用にBanggoodさんから提供を受けたのでレポート。

概要

そもそも、ATU-100N7DDCさんが発表したもので、GitHubですべて公開されている。回路図やファームウェア、マニュアルはもちろんのこと、基板データ(ガーバファイル)も公開されているので、まったく同じものを作ることができる。

これを製品化したものがいくつか出回っている。キットもあれば、今回のもののようにケースに入ったものも。

主な仕様は以下の通り。

  • 周波数範囲: 1.8~50MHz帯
  • 最大電力: 150W
    • 本体パネルには100Wと表示されている。
    • 商品販売ページでは150W。GitHubのマニュアルも150W。
  • 動作入力電力: 最小5W(安定動作のためには10Wを推奨)
  • 電源電圧: 12V
    • 製品ではバッテリを内蔵しており、USB経由で充電(12V端子はない)。
    • 販売ページ上の記述は10~15Vだけど、使用しているリレーの定格が12V。
    • 回路図上も12Vと記載されている。
  • 消費電流: 最大300mA

開封と開腹

内容物は本体だけ。マニュアルはない(上のGitHubからダウンロードできる(そう言う案内も入っていないけど))。USBケーブルもないので別途用意(micro-B)。

サイズ感。CDと比較。

重量は360gほど。

コネクタはUHF(Mコネ)。写真は撮らなかったが、ゴム足などはない。

電源が入ることを確認したので、早速開ける。

うーん、基板は曲がって実装されている…。まぁ、動きゃいいんだけど。

スタンドオフはシリコン接着剤(?)で固められているだけ。ケースにネジ止めはされていない。しかもそれも二本だけ。残りの二本は基板側に付いてるだけ。下に落ちないための足というか。割り切りがすごい。

下も開けてみた。が、バッテリが両面テープで固定されており、これ以上は簡単には開かない。分解が目的ではないので、ここまでにしておく。なお、この時点で、スタンドオフ固定のシリコンは外れてしまっている(強力なものではないので簡単に外れる)。

バッテリがつながっているのが、充電と昇圧の基板だろう。これはオジリナルにはないものなので、この製品としての特徴。

反対側の電源スイッチ周りを見て少々不安に。

基板固定(?)のビス頭との隙間が非常に小さい。ショートすると、おそらく基板側はGNDなのでまずい。熱収縮チューブを被せたいところだけどとりあえずスイッチの端子を曲げて逃げておく。

ところで、このケースのパネル、アルミ板かと思ったらプリント基板で作られていた。

再度組み立て直して気づいたのだけど、基板がケースにネジ止めされていない割には動かない。後ろはネジを使って端子をバックパネルにハンダ付けしている。前はUSBコネクタがフロントパネルに食い込んで固定されている。これで基板は固定される。やや不安だけど、大きな衝撃を与えなければ大丈夫なんだろう。

と、まぁ、作りは全体的には雑な印象だけど、動けばいいか。

使い方

公開されているマニュアルを見ながら実際に動かしてみて理解できた。

充電

USB端子から。充電中はchargeランプが点灯。充電が終ると消える。

どのくらい使えるかはまだわからないが、今のところ、四時間くらい電源を入れっぱなしだけどまだ切れない。チューニング状態でONになっているリレーの数が違うので、これでも持続時間が変ってきそう。

【追記】その後、六時間くらいでバッテリが切れた。ちゃんと時計を見ていたわけではないので、大体だけど。切れた後も、USBにつなげは充電しながらそのまま使える。

電源投入

電源スイッチを入れると、前回のチューニング状態で立ち上がる。

チューニング方法

この装置には、(電源ボタンの他に)スイッチが一つだけ。この一つだけのTUNEボタンで操作する。

  • 短押し
    • ホンのちょっとだけちょんと押すとRESET状態になる(ディスプレイに表示される)。
    • RESET状態では、スルー状態になるようだ。電源オフでもスルーだと思う。 電源オフとRESET状態とは同じではなかった。詳細はこちらの記事 ⇒ ATU-100の通過特性
  • 長押し
    • TUNE状態になる。
    • マニュアルによれば250msらしいので、「長押し」というほどでもない。「ちょっと長め」という感じ。ディスプレイの表示が「SWR=TUNE」となるで分かる。
    • TUNE状態で送信機からパワーを入れるとチューニング動作を行う。
      • 最小電力は5W。しかし、安定したチューニングを行うには10Wが推奨される(というか、必要)。

操作はこれだけ。実にシンプル。バンドを変えるなどした場合には、再度TUNE動作を行えば良い。TUNEボタンを長押しするだけなので簡単。

スイッチの押込みは結構かため。物が当たったりしてちょん押しされるとRESETされてしまうので、そうした事故を防ぐためにもしっかり押すスイッチは安心。

実際の動作の様子がこちら。

ATU100の動作

やっていることは以下の通り。

  • 電源投入
  • スイッチを短押ししてRESET(ちょっと操作にまごついているが)
  • 送信
    • これで、スルー状態のSWRを確認
  • スイッチを長押ししてTUNE状態へ移行
  • 送信
    • TUNE動作(リレーの動作音がジャラジャラ聞こえる)
  • 送信バンドを変えて繰返し(RESET、送信、TUNE、送信)

上のビデオでは二つのバンド共にSWRが1.2以下に落ちているけれど、もっと高いところ(1.7とか)で諦める(?)ことも多い。SWRが2以下なら良しとする使用なのかもしれない。

使用したアンテナはこちら。

ロングワイヤアンテナを仮設。 ワイヤの長さは9m。1:9のUNUN経由で同軸ケーブルに接続。 210cmの園芸用支柱(...

これで、1.8~50MHzのすべてチューニングが取れた(ただし、上に書いたようにSWRが1.7だったりするバンドもあった)。

ケースの外を触った限りでは大した発熱は感じない。とは言え、最大で50Wの送信機(免許上)なので、本当に150Wまで入れられるかは未検証。

余談

電力1Wでチューニングさせるために改造が公式サイト(上記GitHub)に説明がある。そのためにはPIC内のデータを書き換える必要もあるのだけど、この製品ではそのための端子が使えない。その端子はディスプレイの接続と共用のもので、この製品ではディスプレイからの配線が直接はんだ付けされてしまっているため。もし行うなら、この端子を付け替えるなどの作業が必要だと思う。

と、まぁ、このあたりも含めて、作りが雑という印象は否めないけど、この値段で入手できるのならいいんじゃないかと思う。


アンテナチューナはインピーダンスの辻褄を合せてくれるけど、当然、挿入損失がある。では、実際のところどの程度なのか?ATU-100の通過特性...

コメント

  1. くっしー より:

    こんにちは。
    このATU、100W対応なのにコンパクトですね。
    重さはいか程ですかね?SOTAで夕方のEU狙いの時に
    50Wで使えないかな~なんて考えていますが、、、

  2. くっしー より:

    済みません。色々見てると、300gと言う説明書きが有るところを
    見つけました。お手数をお掛けしました。自己完結です。(;^_^A

    • jh4vaj より:

      丁度いい機会なので手元のものを測ってみました。360gほどでした。いろんな実装(商品)があるようなので、「あくまでこの製品の場合は」ですが。記事にも追記しておきました。

      バッテリで結構持つことがわかりましたし、なんならモバイルバッテリをつないでいけそうなので移動用に良さそうですね。そうすると、チューニング電力をQRP仕様に改造したいところです。

      • くっしー より:

        測定有難うございます。
        物によって、微妙に違いそうですね。コネクタとか、Mだったり、BNCだったりとそれだけでも数十グラム違いそうですものね。現在は移動ではKX2をメインで使ってますので、内臓ATUを使用ですが、DX狙いで30~50W位出せないかなぁとちょっと気になってる所です。