SMD(表面実装部品)のハンダ付け

「チップ部品」、「SMD(Surface Mount Device: 表面実装部品)」と聞くと「ハンダ付け、難しそう」と思われがちだけど、やってみると大して難しくはない。今どきの電子工作ではSMDは必須、避けて通ることは不可能と言ってもいいんじゃないかと思う。

SMDのメリット

メリットもたくさんある。

  • 基板の片側だけでハンダ付けできる(いちいち裏返さなくてよい)
  • リード線を切る手間がない、ゴミが出ない
    • 切ったリード線をうっかり踏んで足に刺さるという事故は起きない
    • 自分の足に刺さるのならまだしも、家族の足に刺さってしまうと…
  • ハンダの量が少なくて済む
  • コンパクトに作れる
  • 部品代が安い
  • 部品を外すのも比較的簡単(抵抗やコンデンサならハンダゴテ二本で挟めばすぐ外れる)

そういうわけで、私の頒布キットでもSMDを使うことが増えてきた。最初は大変かもしれないけど、少しやればすぐ慣れる。そもそものハンダ付けだって、それなりの練習が必要。それと同じ。

ということで、私のキットで使っているような範囲のパーツで手順を簡単に説明してみる。

なお、ここでの説明で使ったボードも頒布しているもの。

概要 表面実装部品のハンダ付けトレーニングキットです。ただトレーニングというだけでは面白くないので、作ったあともそれなりに実用的なも...

ハンダ付け手順

ざっくりまとめるとこんな流れ。

  1. ランドの片側に予備ハンダ
  2. パーツを載せて予備ハンダを溶かし、仮付け
  3. フラックス塗布
  4. 予備ハンダ(仮付け)していない方をハンダ付け
  5. 予備バンダ側を温めて本付け

必要な道具は後で紹介するとして、まずは実際のハンダ付け手順を。

チップコンデンサ、チップ抵抗

上の流れでC、Rを実際にハンダ付けしている様子。コテ先は太めのものが良い(詳しくは後ほど)。

このあと、ルーペを使ってちゃんと付いているか確認する。ハンダが上手く流れていないようなら改めてハンダを流すとか手直し。必要に応じてフラックスを再塗布しつつ。

チップトランジスタ

トランジスタもまったく同じ流れ。

最後にルーペを使って状態をチェック。

IC

ICもまったく同じ。足の数が多いだけ。ポイントは、周りに部品を載せる前の広いうちに付けること(作業しやすい)。

ビデオ

上の作業のビデオ版はこちら。決して上手いわけではないけれど、「こんな感じでできるよ」っていう例として。

SMD(表面実装部品)のハンダ付け

私の場合、どうもハンダの量が多い。もっと少なくていいはず。

ブリッジ除去

フラックスを使ってハンダ付けすると、表面張力が働いて必要なところにしかハンダが乗らないのでブリッジしにくい。でも、ICなど、ピン感が狭い場合、ハンダの量が多いとブリッジしてしまう。その場合は、きれいにしたハンダゴテを当てて温めれば割と簡単に取れる(必要に応じてフラックも使う)。

それでも取れない(ハンダの量が多い)場合はハンダ吸取り線をその場所に当てて上からハンダゴテで温めればきれいに吸い取ってくれる。コテ先が細いと吸取り線に熱を奪われてしまって上手く吸ってくれない。

極端な話、足ピッチの狭いICはとりあえず全部ブリッジさせて吸い取ってしまうという方法も。

フラックス除去

最後にフラックスを除去(洗浄)して終了。必要なもの(薬剤)は後述。

必要な道具

SMDのハンダ付けに必要な道具は以下の通り。

  • ハンダゴテ+太めのコテ先
  • 細めのハンダ
  • フラックス
  • フラックス除去剤(洗浄剤)
  • ピンセット
  • ルーペ
  • ハンダ吸取り線

以下、順に。

ハンダゴテ+太めのコテ先

「チップ部品」と聞くと「細いハンダゴテ」を連想するかもしれないけど、実際には細いハンダゴテは役に立たない。対象物に熱を奪われてハンダが上手く流れず、あーだ、こーだやってるうちにブリッジさせがち。熱容量の大きな太めのコテでサッとやるのがポイント。「足を一本ずつハンダ付け」などと考えない。

私が愛用しているのは白光のFX-600-02というハンダゴテ。

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これに、コテ先はT18-D24の組合せ。このマイナスドライバみたいな形状のコテ先はものすごく使いやすい。太さもそれなりにあるので、ハンダ付け対象が少々でかいものでも割と楽に付けられる。このコテ先一つで大抵のことはできる。

白光(HAKKO) こて先 2.4D型 FX-600/FX-8801/FX-8803用 T18-D24

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温度は上げすぎない方がいいと思っているので(コテ先のためにも)、320℃くらいにしている。 SMDタイプの三端子レギュレータのタブなどの大きな物を付けるときや、吸取り線を使うときには温度を少し上げたりすることも。

このハンダゴテに関しては、以前、メーカからデモ品を借りたときの記事があるので興味があれば。

先日、温度調整機構付きはんだゴテのちょとした比較をした。 今回は、メーカさんからデモ品をお借りできたので、実際の使用感を。 仕様比較...

ちなみに、コテ台とクリーナはこれ。

白光(HAKKO) こて台 FX-600/FX-601/PRESTO/DASH用 FH300-81

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クリーナはこちらがいいという話をよく聞くけど、使ったことがないのでわからない。

細めのハンダ

私が使っているのは、0.65mmのもの。

もっと細いものがいいような気もするけど、なかなか無くならないのでずっとこれ。余談ながら、リード部品などは1.0mmのものを使用(使い分けているので、0.65mmのものがなかなか無くならない)。なお、どのみち洗浄することになるため、「無洗浄」タイプの必要はない。

フラックス

SMD部品のハンダ付けはフラックスが必須。これがないと始まらない。ごく普通のもので大丈夫。

フラックス除去剤(洗浄剤)

フラックスを使うとベトベトになる。それを除去する薬剤。

こういう専用品もあるけれど、高純度のIPA(イソプロピルアルコール)の方が手早く確実に綺麗にできる。しかも安いし。

ピンセット

いろいろなものがあるので、お好みで。ポイントは「非磁性」タイプ。磁化されると部品が張り付いて非常に作業しづらい。

エンジニア 鉄腕ピンセット PT-16

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ルーペ

ここでのルーペの目的は二つ。

  1. 手元の拡大
  2. ハンダの付き具合の確認

手元の拡大には、こういうのがあると良いかと思う。

しかし、残念ながら設置場所がないので、度付き保護メガネを使用。

3M BX ルーペ+2.0D付き 保護めがね 11375

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ハンダの付き具合の確認にはこちら。

5倍だと大したことないように思うかもしれないけど、チップ部品のハンダ付け確認にはこれくらいが丁度いいように思う。目にはめて使うのは難しいので、手で持って使っている。

一時期、液晶パネル付きのデジタル顕微鏡を使ったりしたけれど、なんとなく使いづらくて止めた。

結局、上に挙げた度付き保護メガネでざっくり見ながらハンダ付けし、ちゃんと付いているかルーペで確認というスタイルに今は落ち着いている。言い換えると、ハンダ付けしているときにはハッキリとは見えていない。それでも大丈夫。本当は実体顕微鏡があればいいのだろうが。

ハンダ吸取り線

ブリッジしてしまったらハンダ吸取り線を当てれば大丈夫。

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これも細いコテ先だと熱を奪われて上手く吸えないけど、太めのコテ先のT18-D24なら気持ちよく吸ってくれる。

ホットエアー

必須ではないけど、ホットエアー(ヒートガン)があると、部品の取り外しが楽。

チップ部品などの取外しやハンダ付けに使えるホットエアー(ヒートガン)「JCD 8858」をBanggoodさんから提供を受けたので試してみ...