DPOとは?
デジタルオシロについて調べていたら、DSO (Digital Storage Oscilloscope)の他に、DPO (Digital Phosphor Oscilloscope) というものがあること」を知った。
DSOの方は、極普通に思い浮かべるデジタルオシロスコープ。
DPOのPhosphorは蛍光物質のことだそうだけど、本当に蛍光物質があるわけじゃなくてそれを模した物。アナログ時代のオシロスコープはCRT(ブラウン管)だったので、必然的に蛍光物質を使っていた。これだと、繰り返し波形のうち頻度の小さいものは薄く映る。輝度の違いによって信号の発生頻度を(漠然とながら)知ることができた。デジタルオシロになり「あるかないか」だけになってしまったので、頻度という情報が失われた。そこで、その頻度情報をデジタル的に再現したものがDSOと呼ばれているらしい。
詳しい話は、こちらのブログ。
「キーサイトエンジニアブログ」というタイトルなので、キーサイト社の公式ブログかと思ったらそうではないようだ。公式サイトではなくてlivedoorブログだし。社員の方が趣味でやっているのかな?
【その他参考サイト】
お手頃価格のDPOは?
そういう風に言われると、DPOの方が良いように思えてくる。
とはいえ、あまり高価だと手が出ない。お手頃価格でDPOってあるのかと、調べてみた。
キーサイト
まずはキーサイト。上に挙げたDSOの説明をしてくれていたわけだし。とはいえ、上の記事にあるように、キーサイトではDSOとは言わないそうだ。あくまで、DSOの機能の一部的な捉え方。
※上記ブログから引用
では、なぜキーサイトにはDPOがないのでしょうか? 実はあるのです。しかし、それをDPOとは呼んでいません。キーサイトのほとんどすべてのDSOがトレース輝度変調機能を装備しています。
ちなみに、キーサイト社って旧アジレントだそうだ。つまり、その前はHP。知らない間にどんどん名前が変る…。
キーサイトで最も安価なモデルは、InfiniiVision 1000Xシリーズ。5万円台からある。
これを見る限り、DPO、あるいは、トレース輝度変調機能らしきものは残念ながら見当たらない。
一つ上の、InfiniiVision 2000 Xシリーズだと、それっぽい波形が見える。
しかし、お値段が数倍…。
ちなみに、キーサイトのオシロスコープはRSコンポーネンツでも購入できるようだ。
Rigol
続いて、Rigolの1000Zシリーズ。
公式サイトではそれらしい記述は見えないが、Amazonなどに記載されている仕様にこうある。
●7インチWVGA(800×480)、マルチレベルの輝度グラデーション波形表示を採用
公式サイトからマニュアルをダウンロードしてみた。
これがやはりそうなのか?DS1054Zは評判がいいみたいだけど、この機能もあるからなのかな?
主な仕様:
- 帯域: 50MHz
- チャネル数: 4
- サンプリングレート: 1GSa/s(1ch)、500MSa/s(2ch)、250MSa/s(3/4ch)
- 波形取込レート: 30,000 波形/s
- 最大メモリ長: 24Mポイント(オプションを含むが、このオプションは標準になった模様)
- ディスプレイ: 7inch、800×480
帯域はゴニョゴニョすると100MHzまで広げられるとか。
【参考サイト】
OWON
OWONはXDSシリーズがそれっぽい。
上記サイトにこんな写真があるので、おそらく間違いないだろう。
価格面では、XDS3202Eが比較的安価。
XDS3202という最後に「E」が付かないモデルもあるが、こっちは高価。サンプリングレートが違う。Eが付かない方は2GS/sで、付く方は1GS/s。「E」はEnhancedじゃなくて、Economyか?
主な仕様:
- 帯域: 200MHz
- チャネル数: 2
- サンプリングレート: 1GS/s (1ch)、500MS/s (2ch)
- リフレッシュレート: 75,000 frame/s
- レコード長: 40M
- ディスプレイ: 8inch、800×600
【参考サイト】
SIGLENT
SDS1000X-Eシリーズが「スーパー蛍光体オシロスコープ」とうたっている。
帯域が200MHzだと、SDS1204X-E(4ch)とSDS1202X-E(2ch)の二機種。
SDS1204X-EはAmazonでは見つからなかったが、ch数が多いので、あってもお高いだろう。
ということで、SDS1202X-Eの方の仕様をピックアップ。
主な仕様:
- 帯域: 200MHz
- チャネル数: 2
- サンプリングレート: 1GSa/s
- 波形取込レート: 100,000 wfm/s(シーケンスモードでは400,000 wfm/s)
- メモリ長: 14Mpts
- ディスプレイ: 7inch、800×480
その他
残念ながら、DPO機能がついた安価なモデルは見つけられなかった。
さて?
評判がいいのはRigol 1054Z。チャネル数が多いのも魅力。一方で、多チャネルで使うとサンプリングレートは落ちる。
オシロスコープとしての基本スペックならOWON XDS3202EかSIGLENT SDS1202X-Eの方が上に見える。帯域200MHzは魅力。チャネル数は2と少ないが、もちろん、外部トリガは使える。XDS3202Eはディスプレイが大きいのも見やすそう。しかし、情報が少ない。
【追記】
DPOはテクトロニクスの商標とのこと。
検索で見つかったテクトロのDPOの資料
【追々記】
コメント
亀レス失礼します。
キーサイトのInfiniiVision 1000XシリーズにもDPO的な機能はあります。
こんな感じです。残光表示というようです。
コメントありがとうございます。
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返信ありがとうございます。承知いたしました。
ブログは一応復旧しました。まだ様子を見ながらの運用ですが。
書き込んでいただいていたコメントは事前にバックアップを取り、ブログを復旧させた後で書き戻しました。多分、大丈夫だと思います。
今後ともよろしくお願いします。