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FNIRSI DPOX180H – 180MHzハンドヘルドオシロスコープのレビュー

Banggoodから新しいオシロスコープが送られてきたのでレビュー。

仕様・外観等

このオシロスコープの特徴は、ハンドヘルドサイズでありながらアナログ帯域が180MHzで、かつ、2chということ。主な仕様は以下の通り。

チャネル数2
アナログ帯域180MHz
サンプリングレート500Msa/s
リフレッシュレート50000wfms/s
ストレージ深度120Kpts
垂直5mV~10V/div
水平5ns~50s/div
DC精度±2%
時間精度+0.01%
カーソル垂直, 水平
デジタル蛍光表示対応
色温度表示対応
ズーム機能対応
FFT機能対応
スクリーンショット90
信号保存500
シグナルジェネレータ~20MHz(正弦波), ~10MHz(その他)
LCD2.8”, 320x240px
バッテリ3000mAh
最大稼働時間4時間
サイズ136x90x40mm

このスペックで価格はUS$140くらい。「本当か?」と驚くばかり。今回はクーポンがあるので、もっと安い。

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パッケージの中身は、本体の他に、プローブ×2セット(200MHz)、USBケーブル、ACアダプタ、マニュアル、合格証。ACアダプタはEU仕様(?)のためか、Banggoodが変換プラグを付けてくれた。これで使えるのだけど、今一つではある。

サイズ感は、ちょうど片手で持てる、というところ。私は手は大きい方ではない(どちらかというと小さい方)。

周囲にラバーカバーが付いており、滑りにくいし、もし落としたときにもある程度は衝撃を抑えてくれそう。

BNCコネクタが引っ込んでいる。ぶつけたりしないようにとの配慮だろうけど、狭くてプラグの抜き差しがとてもやりづらい。ちょっと残念なところ。

内部の様子。周囲のカバーを外せばビス(四本)にアクセスできる。バッテリの交換はできそう。

測定

では実際に測定してみる。信号源はいつものように、シグナルジェネレータを使う。

スクリーンショット

これまで見てきたこうしたハンドヘルドサイズのものは波形を記録することができず、カメラで撮影するしかなかったが、この機種はスクリーンショット機能があるので楽。記録形式はBMP。解像度はLCDと同じ320×240ピクセル。ピクセル実寸でこのサイズ。

さすがに小さすぎて見づらいので、以降、拡大して貼り付ける。

なお、スクリーンショットの他に、信号を記録する機能もある。

正弦波

信号の大きさは1Vpp。周波数を変えて、都度、AUTOで測定する。AUTOの動作時間は比較的早い(数秒程度)。

100Hz, 1kHz

画像はクリックで拡大。

10kHz, 100kHz

1MHz, 10MHz

50MHz

アナログ帯域180MHzというだけあってこのくらいは難なく表示できる。が、シグナルジェネレータの上限が60MHzなので、このあたりが限界。

SG変更、10MHz, 50MHz

ここからは信号源をtinySA Ultraに変更。信号のレベルは-20dBmに設定。

この構成で改めて10MHzと50MHzの正弦波を測定。

10MHzと比べて50MHzでは信号がややボケてレベルも若干下がっている。

100MHz, 150MHz

50MHzで若干下がったようだから上限が近いのかと思ったのだけど、100MHzでもレベルは変らない。150MHzだとかえって上がるくらい。しかし、このような高い周波数になると、こんな雑な測定方法では問題がありそうに思うので、参考程度。

200MHz

150MHzでも波形としてはそれなりに見えたので、それならいっそと、仕様の180MHzを超えて200MHzを見てみる。この周波数でもレベルは下がらない。アナログ帯域180MHzはまんざらでもない。とはいえ、ここまではやはり無理なようで波形がガタついてしまう。また、これを超えるとエイリアシングが発生して、波形がでたらめになる。

矩形波

今度は矩形波。シグナルジェネレータは元に戻す。信号のレベルも1Vpp。

1kHz, 10kHz

100kHz, 1MHz

5MHz, 10MHz

比較として、別の200MHzオシロ(OWON XDS3202E)で測定した10MHzの矩形波。

立上り/立下りがなまるのはシグナルジェネレータ側の限界なのだろう。

AM(変調波形)

この機種はハンドヘルド型にしてはストレージ深度(レコード長)がわりと深く、120Kptsほどある。これならAM波形も見られそう。

1MHz / 1kHz・80%

1MHzのキャリア(1Vpp)を1kHz・80%で振幅変調したもの。

デジタル蛍光表示(アナログオシロのエミュレート)なので、信号の粗密が濃淡で表現されている。

水平軸を調整してほぼ1周期分だけ取り込み、さらに水平軸を細かくしてキャリア(1MHz)を見てみた。

やや粗いが、キャリアもそれなりに見える。

このオシロスコープは画面に表示された部分しか波形を取り込んでいない(STOPして左右に動かすと前後の外側の波形は出てこない)。ということは、1kHzの1周期分を取り込んだ場合、その中にはキャリア(1MHz)は1,000周期分が含まれる。「観測したい周波数の5倍の帯域」という基準で考えると、1kHzを5,000ポイントで捉えればキャリアがまぁまぁそれなりに見えるのではないだろうか?このオシロスコープのストレージ深度の仕様は120Kptsなので、5,000ポイントに対して二倍以上の余裕がある(画面は1kHzの1周期よりも少し長めなのでちょうど二倍くらいかも)。では、キャリアは2MHz程度までは見られるか?

2MHz / 1kHz・80%

期待通りに見えた。

5MHz / 1kHz・80%

ここまでキャリア周波数を上げるとさすがに厳しい。

10MHz / 1kHz・80%

変調波形はそれっぽく見えるけど、拡大するとキャリアはまともに拾えていない(当然ながら)。

2チャネル

両チャネルで1Vppの正弦波を観測してみる。

10MHz, 20MHz

50MHz

位相はずれているが同期は取れている。送出し側の問題かもしれない。

ここまで難なくいけたので、再びtinySA Ultra(二台)に切り替える。まずは同じ50MHz(-20dBm)。

100MHz

波形がやや歪(いびつ)になる。アナログ帯域が180MHzという仕様なので、2chだと90MHz/chかな?

150MHz

試しに見てみたけど、やはり無理だった。100MHzくらいだととらえてしまっている。

その他

色温度表示

信号の粗密を色で表示。

X-Y

いわゆるリサジュー。これも色温度表示で。

FFT

表示できるが、縦も横もスケールが不明だし、測定する機能もない。倍音成分があるかないかが何となく分かる程度。

ズーム

波形の一部を拡大できる。

カーソル

縦・横のカーソルが使える。

もちろん、両方同時に使うことも可能。

ただし、カーソルの選択・移動はちょっとやりにくい。カーソルがない状態だと「MOD/OK」ボタンがch1とch2の切換えだけと、カーソルがあるとそれが加わる。ボタンを押すたびに「CH1」→「CH2」→「CSR」と切り替るようになる。

カーソルの選択は「CSR」にして、「AUTO」ボタンを押すと順に切り替る。縦、または、横カーソルだけなら二本が交互に選択される。縦と横の両方のカーソルを表示すると四本が順に選択される。「S」マークがついているカーソルが移動対象。このため、縦横の両方のカーソルを表示させると操作性がとても悪い。

また、「CSR」の状態では「AUTO」ボタンがカーソル選択なので、トリガの「AUTO」機能が使えない。

シグナルジェネレータ

仕様にもあるとおり、シグナルジェネレータの機能もある。正弦波では20MHzまで、その他の波形は10MHzまで出せる。下の写真で、画面右下がシグナルジェネレータモードで表示される小窓。

波形、デューティ、周波数を変えることができる。「MOD/OK」ボタンで操作対象が順次切り替る。しかし、出力電圧は変えられない。

また、出力端子がプローブの校正用信号出力のそれなので、一般的な信号源としては使いにくい。

まとめ・販売情報

カーソルの選択など操作が独特なところはあるが、100MHzを超える信号を見られるのはすごいと思う。しかも2chだし(2ch時は100MHzは無理だけど)。ここまで良いと、「もうちょっとLCDが大きければ」とも思うが、値段を考えるとやっぱりすごい。

スクリーンショットも取れるし、これまで試したハンドヘルドタイプのオシロスコープでは最も良いと感じた。

細かな残念な点を挙げると、ACアダプタの形状が日本仕様ではない、プローブのカラーリングに黄色がない(ch1は黄色で表示されるので合せて欲しかった)と言ったところ。

常設の作業机を持っていない私としては、この小さいオシロスコープでRFまで見られるのはとても助かる。

【クーポン】

  • コード: BG0cd6b6
  • 有効期限: 2023/10/31
  • 適用価格:US$112.99 

【販売ページ】

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