
uSDXにはクローン機がたくさんあるようで、その一つがBanggoodからレビュー用に送られてきたので見てみる。
仕様・外観等
- バンド: 3.5~28MHz帯
- 出力電力: 3~5W
- ケース素材:アルミニウム合金
- バッテリー仕様:内蔵4000mAhリチウムイオンバッテリー
- 寸法:126mm x 89mm x 48mm


内容物は、uSDX plus V2本体の他に、ハンドマイク(兼スピーカ)、ACアダプタ、充電アダプタ(ブラグ形状はEUスタイル)。白いのはBanggoodがおまけで付けてくれた変換プラグ。箱の外にテープで貼り付けられていたため、それが仇となって箱はかなり凹んだ状態で送られてきた。箱の中はクッションがしっかりしているので大丈夫だけど。

バッテリ内蔵だけど、外部電源でも動くようになっている。アンテナ端子は見ての通りBNC。
KJはハンドマイクの端子のようだ。ハンドマイクの端子は、UV-K5と共通のよう(つまり、Kenwood式)。

マニュアルはこれだけ。裏は同じ内容(と思われる)中国語版。使い方の説明はなし。まぁ、uSDXは情報がたくさんあるので、探せば簡単に見つかる


重量は実測で630gくらい。サイズがコンパクトなだけに、持ち上げるとずっしり来る。

正面にもHP(多分、ヘッドフォン)とMIC端子があるが、付属のハンドマイクは、先程書いたように、背面のジャックに差し込む。
インストールされているファームウェアはR1.02x。githubを見に行くと、バージョンは一致しているようだ。とは言え、実際にインストールされているものは、このクローン機のハードウェアに合わせて調整されているだろう。

内部

スピーカはパネル取付けではなくて、専用のキャビネットに収まっている(プリント基板に固定されている)。
ほとんどバッテリ。11.1V、4000mAhという仕様。ずっしりの大半はこれだろう。

バッテリはケース側面にシリコンゴム接着剤(?)で貼り付けられていて、部品の上にクッションを挟んで載せられている。接着剤がしっかりしているので外れはしないだろうと思うけど、なかなか大胆な実装方法。

フィルタ(LPFかな?)がバンドごとに用意されている。高調波対策は期待できそう。








基板の裏面には部品は実装されていない。
動作
受信
SSBは普通に受信できるが、CWは問題。マイコン動作に起因すると思われるノイズが酷い。ピーッという非常に大きな音が出る。ボリュームによらないし、操作によって音の高さ(周波数)が変ったり、消えたり。極稀に出ることがるという程度なら我慢できなくもないだろうが、出る頻度が非常に高いので、正直なところ使い物にならない。SSB(やFT8)専用と割り切るのならいいかもしれない。
送信(スプリアス)
tinySA ULTRAで、高調波の様子を見てみる。
今回の装置は、30MHz以下であり、1Wを超え5W以下なので、スプリアス領域(主に高調波)の許容値は50μW(-13dBm)以下(5Wを超えていれば-50dBc)。詳細はこちら。
本来の測定方法ではなく、CWでの連続波による簡易的な測定とする。
- 3.5MHz

60dBのアッテネータ(40dB+20dB)のアッテネータを通している。tinySA ULTRAにはその分のレベル補正をしているので、表示値は直読できる。
基本波は36.7dBmなので、4.7W。
第二次高調波が-50.6dBcだから、36.7dBm – 50.6dB = -13.9dBm(40.7μW)。簡易測定ではあるが、スプリアス領域の不要発射の強度は許容値以下に収まっている。
- 7MHz

33.8dBm = 2.4W
第二次高調波は、33.8dBm – 34.3dB = -0.5dBm(891.3μW)と、許容値を大きく超えてしまっている。
送信出力が2.4Wと非常に低いことから考えて、フィルタが合っていないのかもしれない。
- 10MHz

35.7dBm = 3.7W
35.7dBm – 52.0dB = -16.3dBm(23.4μW)。許容値以下。
- 14MHz

33.1dBm = 2.0W
33.1dbm – 51.1dB = 18.0dBm (15.8μW)。許容値以下。
- 18MHz

34.9dBm = 3.1W
34.9dBm – 45.6dB = -10.7dBm(85.1μW)。許容値を超えている。
また、高調波ではないが、基本波の近く(20MHzあたり)に第二次高調波よりも大きなピークが見える。基本波に近いため、LPFでは対処不可能。信号生成方法(ファームウェア)でなんとかなるものなのだろうか?
- 21MHz

35.4dBm = 3.5W
35.4dBm – 48.1dB = -12.7dBm(53.7μW)。許容値を超えている。
- 24MHz

31.1dBm = 1.3W
31.1dBm – 51.5dB = -20.4dBm(9.1μW)。許容値以下。
- 28MHz

33.2dBm = 2.1W
33.2dBm – 47.5dB = -14.3dBm(37.2μW)。許容値以下。
一覧にしておく。
| 周波数 [MHz] | 送信出力 [W] | 不要発射の強度 [μW] |
|---|---|---|
| 3.5 | 4.7 | 40.7 |
| 7 | 2.4 | 891.3 |
| 10 | 3.7 | 23.4 |
| 14 | 2.0 | 15.8 |
| 18 | 3.1 | 85.1 |
| 21 | 3.5 | 53.7 |
| 24 | 1.3 | 9.1 |
| 28 | 2.1 | 37.2 |
不要発射(スプリアス領域)の強度が許容値(50μW)を超えているのが、7、18、21MHz。
周波数が高くなると送信出力は落ちる傾向なのだろうが、7、14、24MHzは不自然に小さく思う。18MHzも小さい気がする。
【参考】IC-705のスプリアスの様子(7MHz)今回の測定方法が間違っていないことの確認として。

36.9dBm(4.9W)に対して、スプリアスは-70dBcを下回っている(ノイズフロア以下で測定不能)。
まとめ(クーポン)
不要発射の強度は許容値を超えているバンドがあるので、このままでは日本では使えそうにはない(諸外国では大丈夫なのかなぁ?)。バッテリを内蔵しているし、割としっかりした作りに見えるので、これいじってなんとかしてみようという改造ベースとしては面白いかもしれない。CW受信に難点があるのもなんとかなればいいのだけど。
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