1200MHz ツインデルタループアンテナの試作

背景

以前、1200MHz帯用のお手軽なアンテナとして2/3λヘンテナを作った。

概要・特徴 これは、1200MHz帯用の2/3λヘンテナを手軽に組み立てられるようにしたキットです。 高利得と言われて...

性能はまずまずで再現性も悪くはないのだけど、やはりワイヤの加工は面倒。再現性も悪くはないとはいえ、ばらつきがある程度出るのも事実。

ということで、もっとお手軽なものとして、ツインデルタループを作ってみる。

シミュレーション

あまり細かく追い込んでも現実とは違うので、この程度で。

2/3λヘンテナのシミュレーション結果と比べると、こちらの方がゲインがやや大きくサイドの切れも鋭い。これは思っていたとおりだけど、SWR<1.5のバンド幅が2倍以上は驚いた。てっきり、2/3λヘンテナの方がバンド幅は広いと思っていた。やってみるもんだ。

とは言え、大きく違うわけでもない。やはり、そこはどちらも1λループを二つパラにしたという点では同じなわけで。

設計

エレメントをワイヤで作ると「お手軽」ではなくなる。曲げ加工の精度による再現性もさることながら、給電部が大きな問題。ほぼ点で支えることになるので機械的に弱い。これがツインデルタループの弱点。

そこで利用するのはプリント基板。だけど、問題はコスト。100x100mmまでなら格安で作れるところが多いが、それを超えると一気に価格が上がる。1200MHzツインデルタループだと横幅が190mmくらいになってしまう。

そこで、半分だけ作ることにした。左右対称なので二つ付ければ大丈夫なはず。この試作で上手く行ったらちゃんとしたサイズで作ることにする。

プリント基板を使うと誘電率が問題になる。そのため、エレメントの部分以外は抜くのが良い。そうすれば誘電率の影響はほぼないこととは八木アンテナの試作で確認済み。基板の影響を排除するためにはエレメント部分以外は完全に抜くのが良いのだろうが、そうすると機械的強度が不安だったので上の図のように大小複数の丸で抜いてみた。

できあがったものがこれ。なんだか、1970年代っぽいデザインの気がしないでもない。

MMANAによるシミュレーションではエレメントはワイヤやパイプ。プリント基板などというものはない。そのため、シミュレーション通りにはならないことはわかっているので、寸法(横幅)を1mmずつ変えたものを四種類作った。

ELECROWは$1/5枚で作れるので助かる。というか、$1/5になったのでこれを作ってみる気になった。

二つ並べてコネクタを取り付ければツインデルタループの完成。

特定確認

LiteVNAで測定。黄がSWR、青がレジスタンス、赤がリアクタンス。緑はスミスチャート。

  • 83mm(片側横幅)
  • 84mm
  • 85mm
  • 86mm

マーカ7(M7)がSWR(黃)の最低点(と思われるあたり)。83mmで1370MHz付近。1mm長くすると20~30MHz程度動く感じ。83mmと86mmはSWRのカーブがきれいだけど、84mmと85mmはそうでもない。原因は今のところ不明。

86mmだとSWRの最低点は1325MHあたりで1.02位。1295MHz(FMメインチャネル)だと1.2程度。SWR<1.5のバンド幅も100MHz位ある(シミュレーション結果とほぼ一致)。もうちょっとエレメント幅を広げればいい感じに共振周波数が下がりそう。

リアクタンス(赤)に着目すれば、jX=0のポイントは、83mmで1360MHz付近、84mmで1330MHz付近、85mmで1300MHz付近。ここまでは1mmで30MHzくらい動いている。しかし、86mmでは1320MHz付近と、不連続になってしまっている。いずれにしても、もう少し共振点を下げたいので幅を広げたほうがいいのは間違いないだろう。

それはそれとして、この程度でも使えなくはないので、レピータをアクセスしてみたところちゃんと反応してくれた。しばらくワッチしてみたら、シミュレーション通り、 2/3λヘンテナと比べて少しゲインが高くてサイドが切れるという印象。サイドの切れは使い方次第(甘い方が楽と言えば楽)。


つづき

プリント基板で作るツインデルタループアンテナ。前回の続き。 前回は四種類作っていずれも上の方に合っていたので、今回はさら...