1200MHz 4エレ八木アンテナ(プリント基板式)の試作

先日のシミュレーションを形にしてみた。

ALLPCBに発注

ALLPCBでは、無料クーポンで0.015m2までの基板を作れる(送料も含めて無料)。長辺の最大長は150mmまでOK。1200MHzのλ/2はざっくり120mmくらい。多くの格安基板は100mmが上限。それだと1200MHzのλ/2は収まらないけど、150mmまで行けるのなら作れる。これが1200MHz帯用の八木宇田アンテナを作ってみようと思ったことのきっかけの一つ。

当初は6エレで考えていた。なので、シミュレーションや実験も6エレで。

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こないだからシミュレーションをやっていた1200MHzの八木アンテナ、実際に作ってみた。 エレメント作り 寸法...

この実験の結果、ちゃんと作れそうなことが分かったので、基板化。

ブームは二分割で継ぎ足すつもりで設計した。先の実験でエレメント間隔で調整できることが分かっていたので、1mm単位で稼働できる設計。エレメントも長さを変えて多めに。これなら、どれか上手く使えるものが見つかるんじゃないかだろうかとの算段。

しかし、これはALLPCBから却下された。製造できないということではなくて、無料クーポンでは無理とのこと。ちなみに、お値段はUS$85.00(基板が$66.00で、送料が$19.00)。無料クーポンでできるのは「一つの設計」とのこと。

分割できるような構造がダメなのかと思い、これで出し直してみた。

一つに固まった状態(自分で切り分ける)。

しかし、これでもダメとのこと。

紙で作った模型の写真を送って説明した見たら、一つのものであることは理解してくれたようだけど、やはり無料クーポンでは作れないとのこと。

仕方ないので、規定のサイズに収まるサイズの4エレに変更。

これなら問題ないようで、すぐに作ってくれた。ちなみに、これで基板サイズは116×128mm。面積は0.014848m2。0.015m2に収まっていて、かつ、長辺が150mm以下なら、短辺が100mmを超えていても大丈夫。

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到着

自分で確かにこういう設計をしたんだけど、本当にできあがってくるとちょっと驚く、というか、笑う。

しかし、この形だと、パックから外すのが一苦労。

細いので折ってしまいそうで怖い。カッタナイフを使って傷つけないように慎重に取り出す。

発注数(発注できる数)は5枚だけど、6枚入っていた。多めに入っているのはよくあること。

短縮率の確認

これを作る上で気になったのが、ガラスエポキシ基板の誘電率の影響。波長短縮率が大きくなると、寸法が全然変ってくるから。

そこで、エレメントは銅箔を両面にして、VIAを大量に打ちまくった(ブームを穴だらけにしたのも誘電率の影響を軽減しようとのつもり)。

これなら銅の塊に少しは近いだろう。とはいえ、ガラエポ基板で作っていることには違いないからある程度は影響がありそうな気がする。

そこで、まずは、ラジエータだけを切り出して、ダイポールとしての共振周波数をチェック。それと計算値を比較すれば波長短縮率がわかるはず。

測定にはS-A-A-2を使用。

リアクタンスがほぼ0Ωなのは1342MHzあたり。レジスタンスが約78Ωで、だいたい教科書どおりの値。上の方でリアクタンスのグラフが一旦下がってまた上がっているのが気になるけど、波長短縮率が大きいのであれば同調する周波数は低くなるはずなので、こっちはとりあえず無視。

1342MHzだとして、これのλ/2の長さは111.77mm。実際の長さは110mmなので、単純に計算して短縮率は0.98。これだと、一般的な金属の場合と同じ。ガラエポ基板の誘電率の影響は受けていないみたい。「本当かなぁ?」という疑問はあるけれど、測った結果はこうだった。

そうであれば、設計通りの寸法でそのままいけるのかもしれないと思い、4エレで測定。

さすがにそんなに上手くはいかず、SWRの最低点は1232MHz付近。1295MHz付近だとSWRは4近い。まぁ、6エレでもシミュレーション通りとはいかずに調整が必要だったので、これは想定の範囲内。だから、当初はエレメントを動かせるように設計したわけで…。

なお、コネクタはラジエータ直付けの他に、ブームの後ろ端にも付けられるようにしている。ここに付けてラジエータまでの間にバランなどを検討できるようにと言うつもり(実際にやるかどうかはともかくとして)。

調整

6エレのときと同じように、エレメントをブームに輪ゴムで取り付けた(輻射器とブームだけのものと、導波器・反射器だけのものを切り出した)。

あれこれ動かしてみたけど、結局の所、反射器と第1導波器は設計通りの位置、第2導波器(先頭のエレメント)を少々近づけることでこんな感じになった。

測定周波数範囲を狭めて、さらに追い込んだものがこれ。

マーカ1と3がバンドエッジ(1260MHz、1300MH)。マーカ2がメインchの1295MHz付近。SWRは1.0にはならなかったけど、バンド内は1.3以下なので良しとする(OWA特有のW底っぽいカーブを描いている)。エレメント長をいじればもっと下げられるのだろうとは思うけど、そこまでやるのは面倒だし。

これで調整できたことからして、やはり、この構造だとガラエポ基板の誘電率の影響は受けていないみたい。

調整、その2 

反射器と第1導波器は設計通りの位置で良さそうなので、第2導波器だけが動けるようにしたもので二本目の動作確認。

うーん、思ったように下がってくれない。

改めて最初の方のアンテナでチェックすると第1導波器を微妙に輻射器に近づける必要があるみたい。また、ブームの反射器と第1導波器の部分に銅箔が張り付いているのも影響しているのかも。もうちょっと確認の必要がありそう。

動作確認

6エレのときと同じように、レピータをアクセスしてみた。比較のために、今回も6エレでの確認も。

6エレでは前回はS7くらいまで振ってくれたけど、今回はS4がピーク。

一方、4エレでもS4。

ただ、6エレ、4エレでアンテナの向きが違う。6エレだと隣の家に反射させた場合が一番強いのだけど、4エレだと別の家に反射させた場合が一番強い。直接波ならもっとわかりやすい結果が得られそうに思うが、残念ながらそういうチェックはできない。

まぁ、ともかく、今回確認した環境では、6エレと4エレとでは(受信)性能の差はさほど大きくはなさそう。


ALLPCBの無料クーポンを使うとこういう遊びができて面白い。

【追記】 不正取得が多いため、(個人向け)無料クーポンは終了したとのこと。詳細はこちらの記事で。 以下、以前の記事...