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tinySA: ファームウェアアップグレード

ファームウェアのアップグレードは追々にと思っていたのだけど、開発者さんから直々に「現在のファームウェアはかなり古いので、ファームウェアを更新してください」とのコメントを頂いたので、優先してやってみる。

手順と現状の確認

ファームウェアのアップグレードの手順も公式のWikiにある。

アップグレード手順概要

本体をDFUモードにしてシリアル経由で書き込むという、ざっくり言えば、NanoVNAと同様の方法。

アップグレートには、GUIツールと使う方法と、CUIツールを使う二つの方法がある。NanoVNAの経験から、CUIの方が楽ということがわかっているので、CUIで進めることにする。

ちなみに、GuitHubなどを見れば、tinySAはNanoVNAからフォークしたものだと分かる。

なるほど。それで操作方法等が似ているわけだ。

現状確認

上のWikiによれば、tinySAはシリアルで接続して操作できるらしい(この辺りもNanoVNAと同じ)。

tinySAをつないで電源を入れたらCOM4が出てきたので、これがtinySAにつながっているポートのはず。端末エミュレータ(ここではPuTTYを使用)をCOM4につないでみたらプロンプトが出てきた(9600bps、8ビット、パリティなし)。

helpはきっとあるだろうと思い、入力してみる。

helpでコマンド一覧が表示されたので、その中からversioninfoを実行してみた。ファームウェアがバージョン「tinySA-v1.0-91-g0f9078f」が入っているようだ。

データ保存

手順に沿って進める。

If you have a new device and you did not change device specific configuration data you can skip this step

コンフィグデータの保存。特段変更したつもりはないのでこの手順はスキップして構わないのだろうともうが、せっかくなので確認しておく。

leveloffsetcorrectionを実行。たまたまかもしれないけど、Wikiの例と同じ値だった。

ファームウェア入手

ファームウェアの入手先もWikiにあるとおりで、こちら。

http://athome.kaashoek.com/tinySA/DFU/

最新版の確認とダウンロード

アクセスするとこんな感じ。

ここにあるものが最新のはずで、現在は1.1のようだ。ついでに、oldディレクトリを開いてみる。

これはごく一部。ものすごくたくさんあった。1.1でも現在最新(ひとつ上のディレクトリにあるもの)が1.1-26なので、かなり違うみたい。「日刊」どころか、同じ日に複数回リリースされていることもあるようだ。今は11月16日で1.1-26の日付が11月11日だから、1.1-26のリリースから少し日にちが経っている。ということは、落ち着いている(安定している)と解釈していいのかな?

では、上に戻ってファームウェアを取得する。CUIツールでインストールするには「.bin」のファイルを使うので、「tinySA_v1.1-26-g312c959.bin」をダウンロード。

書込みツール

ファームウェアと同じディテクトリにバッチパイル(DFU_LOAD_BIN.bat)があったので、ダウンロードしてみた。中身はこうなっている。

なるほど。これを使えば簡単だそうだ。

書込みツールの「dfu-util-static.exe」もダウンロード。これで、三つのファイルをダウンロードした状態。

なお、dfu-utilを使うには、ドライバの入替えが必要。詳細はこちらのNanoVNAの記事を参照。

ファームウェア書込み

下準備(ファームウェアのファイル名を変更)

上で見たように、バッチファイルの中ではファームウェアのファイル名は「tinySA.bin」と指定されている。それに合せてファイル名を変更。

tinySAをDFUモードで起動

まず、メインメニュー。

CONFIG」をタップ。

→ DFU」をタップ。

ENTER DFU」をタップ。

この状態でPCに接続する(最初から接続したままならそれでもOK)。

もしかしたら、この状態でドライバがインストールされるかもしれない。その際は、ドライバの変更も必要になる。しかしながら、手元の環境ではこの手順はNanoVNAで実施済みなので、今回はそのようなことは起きなかった。もし、ドライバが新たにインストールされたら、こちらのNanoVNAでの手順を参考に対応する。

ファームウェアの書込み

実際の書込みはバッチを起動するだけ。

ファームウェアのファイル名を「tinySA.bin」に変更していることを再確認し、DFU_LOAD_BIN.batをダブルクリックすれば起動して、書込みが始まる。

書込み中。

書込み終了。

この後、tinSA本体の電源を入れ直して再起動しようと思ったら、自動的に再起動していた。

念のため、バージョンを確認。

たしかに今書き込んだもの(tinySA_v1.1-26-g312c959)になっている。

(再)キャリブレーション

上のように本体画面の左のメニュー(の一部)が赤くなっている。キャリブレーションを行っていないからかな?

ということで、こちらの手順で、セルフテストとキャリブレーションを実施する。

赤だった部分が緑(と白)になった。

これで大丈夫だろう。

leveloffsetcorrectionを確認。

correctionで表示される値は前と買わないが、leveloffsetのlowの値がファームウェアアップグレード前とは異なっている。が、これはファームウェアをアップグレードした後にキャリブレーションして設定された値なのでこれでいいはず。


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