Banggoodからレビュー用として送られてきたデジタル表示のパワー/SWR計。
仕様
- 周波数: 1.8~54MHz
- 測定電力: 0.5~200W(連続使用は120Wまで)
- SWR: 1~99.9
- コネクタ: UHF
- ディスプレイ: 4.3インチIPSカラー(タッチパネル)
- バッテリ: 4000mAh
- 充電端子: USB Type-C(ケーブルは付属せず)
- サイズ: 132x100x82mm (突起物は含まず)
- 重量: 800g
外観・内部
IC-705と比べると大きいことがよく分かる。バッテリ内蔵だけど、800gもあるし、固定での使用を想定したものだろう。重量のほとんどは鉄ケースによるものだと思う。固定でそれなりの太さの同軸ケーブルをつなぐことを考えると、このくらいの大きさと重さがあったほうが安定して良い。
コントローラと思しきチップは表面が削られている。
試用
起動
背面の電源スイッチをオンにするだけ。起動中はプログレスバーが表示される(と言っても数秒)。ファームウェアはV1.01が入っていた。起動後はすぐに測定画面になる。
文字は大きく、くっきりしていて見やすい。視野角はものすごく広い。ほぼ真横からでも点灯しているのがわかる(数値の読み取りはさすがに無理だけど)。IPS液晶のお陰。
設定項目(必要に応じて)
画面をタッチすると設定画面が現れる。撮影でモアレが生じたようで見た目が汚いが、実際にはちゃんときれいに見える。
画面の明るさ、オートオフの時間、SWRのアラーム(ビープ音)の閾値、キャリブレーションが行える。
オートオフは無送信時間が続いたときにオフになる時間。オフになるのは画面表示だけのようで、送信すればすぐに表示される。
SWRアラームは、設定した閾値を超えるとビープ音が鳴る機能。デフォルトでは2.0に設定されている。余りやかましくない。5.1に設定するとオフになるとのこと。
キャリブレーションは電力とSWRの値を調整できる。正確な測定器があればそれに合わせられる(そういうものがなければ触らないのが吉)。
電力レンジ
25W、125W、250Wの自動切換え。ただし、25→125→250には自動で変更されるが、逆向きには変更されない。境界値でバタバタ切り替わるのを避けるためらしい。
低レンジに切り替えるには電源を入れ直す。せっかくタッチパネルがあるのだから、手動で設定できるようにもしてほしかった。
実測
電力
IC-705につないで電力を測定する。IC-705の送信出力を10%、20%、50%、100%に切り替えてFWDの表示値を読む。アンテナは50Ωのダミーロード。
バンド | 10% | 20% | 50% | 100% |
---|---|---|---|---|
1.8 | 1.1 | 2.1 | 5.1 | 9.0 |
7 | 1.2 | 2.2 | 5.3 | 8.8 |
28 | 1.2 | 2.1 | 5.2 | 8.6 |
50 | 1.2 | 2.0 | 5.1 | 9.1 |
IC-705の出力電力の精度がわからないのでなんとも言えないけど、まぁこんなものかなという印象。
ついでに、50W機につないで実際に送信しているときの様子。
ANTの電力は単純にFWDとREFの差分が表示されているようだ。同軸ケーブル等による損失は考慮されていないので、正確とは言えない(当然、それを元に計算したEFFも)。
免許の都合もあり、ハイパワー機は持っていないので、これより高い電力での測定は試せない。
SWR
75Ωと100Ωのダミーロードを使ってSWRの表示値をチェック。
バンド | 75Ω | 100Ω |
---|---|---|
1.8 | 1.50 | 2.03 |
7 | 1.51 | 2.04 |
28 | 1.53 | 2.05 |
50 | 1.56 | 2.05 |
良さそう。50MHzで75Ωの値がちょっと良くないのはダミーロードの特性なのでしかたない。
なお、当然ながら、50Ωのダミーロードではすべて1.00。
装置特性
今度は、この装置自体の通過損失とSWRを測ってみる。測定にはNanoVNA-H4を使用し、UHF-SMA変換コネクタを付けてキャリブレーションを実施(なので、変換コネクタ分はほぼ無視できる)。
通過損失
全域に渡って、概ね-0.1dB程度。スケールは0.1dB/div。
SWR
アンテナ端子にダミーロード(NanoVNA-H4のキャリブレーションキット)を付けて測定。スケールは0.1/div。1.8MHzが1.05くらいで、3.5MHz以上はそれ以下。
まとめ(クーポン)
- IPS液晶のお陰で視野角がものすごく広い。ほぼ真横からでも見える(値を読み取るのはさすがに厳しいが)。
- 文字が大きくて読みやすい。
- 数値だけなく、バーグラフもあるのでアナログ的にも感覚がつかめる。
- 固定で使うには割と良いサイズと重量(固定利用ならバッテリはいらないかも)。
- 電力切替えは自動だけど上昇方向にしか切り替わらないが残念(手動で切り替えられるようにしてほしい)。
- SWRアラーム音は、やかましくはなくいい感じ(オフにもできる)。
- 通過損も装置SWRも良好と言って良さそう。
販売ページはこちら。
- クーポンコード: BG888dd2
- 適用価格: US$96.99
- 有効期限: 2024年4月30日
コメント