先日、アンテナエレメントとしてステンレスを使うとどうなのかというシミュレーションを行った。
このときは帯域幅(SWR<1.5の範囲)への影響を見た。そしたら、「ゲインを見た方がいいんじゃないか?」というコメントを貰った(Twitterで)。なるほど、抵抗率が高ければ放射効率が落ち、それはゲインとして表れそうだ。ということで、続編としてやってみる。なお、前回のタイトルは「不適切か?」としたが、「不適当か?」の方がしっくり来るので今回はそうしてみた。
諸条件等は前回と同じ。7MHz、ダイポール、自由空間。素材と太さ(直径)を変えて見てみる。
シミュレーション結果
無損失ワイヤ
3mm
中心周波数の7.0MHzでゲイン(Ga)が2.1dBi。教科書どおり。放射パターンは2.1dBiを0dBとした相対値。以下、見方は同じ。
1mm
0.5mm
0.3mm
無損失ワイヤだとエレメントの直径に依らないことが分かる。
銅線
3mm
1mm
0.5mm
0.3mm
細くなるにつれてゲインが下がる。
アルミ線
3mm
1mm
0.5mm
0.3mm
ステンレスワイヤ
3mm
1mm
0.5mm
0.3mm
鉄線
3mm
1mm
0.5mm
0.3mm
まとめ
まずは、一覧表にしてみる。単位はdBi。
エレメント直径 | 無損失ワイヤ | 銅線 | アルミ線 | ステンレスワイヤ | 鉄線 |
---|---|---|---|---|---|
3mm | 2.1 | 2.1 | 2.1 | 1.8 | 1.0 |
1mm | 2.1 | 2.0 | 2.0 | 1.2 | -0.7 |
0.5mm | 2.1 | 1.9 | 1.8 | 0.4 | -2.4 |
0.3mm | 2.1 | 1.7 | 1.6 | -0.7 | -3.9 |
なるほど、確かにステンレス線だと効率が悪そうだ。しかし、それ以上に惨憺たる結果なのが鉄線。こんなに悪いのかなぁ?鉄線はMMANAに設定されているものだから間違ってはいないのだろうと思うが。そうすると、ユーザ定義で自分で入れたステンレスの結果は怪しい?
でも、銅が良いことは間違いない。アルミも結構いいみたい。
つづき
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