PR

12TD02 – 1200MHz ツインデルタループアンテナ

概要・特徴など

1200MHzのツインデルタループアンテナです。以前頒布していた12TD01と、基本的には同じです。

以前のものは一枚のプリント基板で作っていました。これは幅が100mmを超えるため、基板製造料金が非常に高くなってしまいます(というよりも、100mmまでは格安な価格設定がなされているという方が正しいと思いますが)。これまでは数量を多めに作ることで頒布価格を抑えていましたが、再び多めに作るのは在庫リスクが高いので頒布終了としていました。

ところが、ふと、半分のサイズで作ってつなぎ合わせればいいのではないかと思いつきまして、それなら100mm以下になりますので少数でも格安で作れます。実は、開発当初は半分のサイズで作って、二つつないで動作確認していましたので、この方法で動作するものが作れることは確認済みです。

ただ、問題は強度。試作段階では特性や動作が確認できればよかったので強度は考慮していません。完成させる段階で一枚基板にすれば良いと思っていましたので。

今回は二分割方式での強度問題の解決方法を思いつきました。と言っても、シンプルな話しで、ちょっとした補強材を接着するだけです。

補強用の部材も、もちろん、プリント基板を利用します。

カラーバリエーション

これもふとした思いつきですが、単なるカラーバリエーションではなく、半分ずつ色を変えることができます。

まず、ちょうど時期的に(これを書いているのが11月末)クリスマスが近いのでそれっぽく緑と赤。

クリスマスの次は正月ということで、赤白。

ついでに(?)、青白。

基板自体は、上の通り、緑、赤、白、青の四色を作りました。同じ色の組合せや、上記以外の組合せ(緑白とか)も、もちろん可能です。お好みに合わせて。

特性

今回組み立てた四本のSWRなどをLiteVNAで測定しました。

まず、比較として、一枚基板で作ったもの。

黄がSWR(右の目盛り)、青がレジスタンス(10Ω/div、一番下が0Ω)、赤がリアクタンス(10Ω/div、中央が0Ω)、緑がスミスチャートです。マーカ1がバンドの下限(1260MHz)、マーカ3がバンドの上限(1300MHz)です。※この一枚だけ、どういうわけか各マーカが200kHzほど下にズレています。

続いて、今回のもの。緑一色版。

緑赤版。

赤白版。

青白版。

いずれのものも、バンド内のSWRは1.5以下です。なお、これはアンテナからできるだけ離れて測定した状態です。人体が近づくと特性は変化します。そういうこともあり、上の測定結果は、それぞれ多少のバラツキがありますが、大きな違いはないとお考えください。再現性は良いと思います。

また、それぞれのアンテナで、実際に送受信できることも確認しました(レピータアクセス程度の簡単なテストですが)。

参考として、シミュレーション結果も示しておきます。

これによれば、ゲインは約6.5dBi(自由空間)。ダイポール比で約4.3dBです。

製作編

部品表

部品名詳細等
基板(アンテナエレメント、補強材)二枚一組
コネクタSMAメス
同軸ケーブルセミリジッド、SMA オス-オス、約150mm

組立て

まず、アンテナエレメントの横に付いている補強部材を切り離します。無理に曲げると折れる可能性がありますので、ニッパで切り落としてください(使い古したニッパや、百円均一のもので充分)。

切り離した後はバリをヤスリで削り落とします(補強部材も、アンテナエレメント側も)。

仮に当ててみて問題がないか確認します。バリが残っていると隙間ができますので注意してください。補強部材は二つありますが、使うのは一つだけです(二色で作る場合は、補強材も二色あります。好みの方を使ってください)。

バリを削ったら、拭き取ってください。水洗いしても良いです。というか、水をつけて削ると粉塵が舞うのを避けられて良いと思います。

続いて、コネクタをはんだ付けします(水分はよく拭き取って乾かしてください)。このとき、いかにズレないようにするかがキモです。色々と試してみて、板にテープで仮止めするのが簡単で確実なようです。コネクタを取り付けるところが板の外に出るように、板の端に固定します。下の写真では、かまぼこ板にマスキングテープで止めています。

しっかりと位置決めをして、コネクタのGND側をはんだ付けすれば、とりあえず固定された状態になります。

中心導体を取り付ける側は、抵抗の足の切れ端などを使ってブリッジし、ハンダ付けします。コネクタの中心導体も忘れずにハンダ付けします。GND側とブリッジしないように注意してください。ブリッジしてしまった場合は、吸取器などを使って除去すればOKです。

裏の様子。こちらにも抵抗の足の切れ端を使ってハンダ付けします。なお、ハンダを盛りすぎないように注意してください。導体が太くなりすぎると、共振周波数がずれる可能性があります。

ハンダ付けが終って熱が冷めたら、補強材を接着剤を使って取り付けます。

基板がガラスエポキシですので、エポキシ接着剤を使ってみました。しっかり付くのですが、はみ出たところがやや汚くなってしまうのが難です。他に良い接着剤があるかもしれませんし、はみ出しを上手く拭き取る方法など、そのあたりは工夫してみてください。

簡単な補強材ですが、これを付けると一体型のものと遜色ない強度が得られるようです。破壊テストまではやっていないのでどの程度の強かはっきりしたことはわかりませんが、通常の使用であれば問題ないと思います。

なお、コネクタ部分には接着剤を盛らないでください。保護のために接着剤でカバーしたくなるかも知れませんが、それをやるとその誘電率の影響で特性が大きく変ってしまいます。

調整箇所はありません。コネクタの中心導体とGNDがハンダブリッジしていなければOKです(ループアンテナですので、テスタで抵抗を測るとショートしています)。

頒布

【注意事項】

  • 部品の調達の都合上、上の写真とは異なる場合があります。
  • 資源の有効活用のため、梱包材は再利用することがあります。ご了承ください。
  • 仕様や頒布価格は予告なく変更することがあります。
  • 本機の組立てや使用による怪我・事故等には責任を負いません。

SMAジャックは、同軸ケーブル側に付けた状態で発送します(探し回らないよう、予めお伝えしておきます)。

【色】

お好きな色の組み合せを選んでください。

【キット/完成品】

特性等の確認のため組んだ上の四つ(緑一色、緑赤、赤白、青白)を完成品として頒布します。それぞれ一つ限りです。

【価格】

  • 頒布価格:
    • キット: 1100円
    • 完成品: 1500円(特性チェック済み)
  • 送料: 230円
  • 支払い方法: 銀行振込

【申込みフォーム】

※これは申込み専用フォームです。申込み以外(問合せ等)には使用できません。

こちらにご入力いただいたメールアドレス宛に、追って、振込先等をお知らせします。入力ミスのないようお願いします。また、ここにご住所等は書かないようにお願いします。

このフォームでお申し込みいただいた時点では、注文が確定されるわけではありません。タイミングによっては、在庫が切れている場合もあります。自動注文システムではなく手動での対応ですので、何卒、ご了承下さい。

12TD02頒布申込み

枚数(合計数が2枚になるように選んでください)


この記事のタイトルとURLをコピーする
スポンサーリンク