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WSJT-X FT8 DXpeditionモード(ペディションモード)の使い方

今日、2018/06/27からベーカー島でのDXpedition KH1/KH7Zが運用される。FT8では、WSJT-XのDXpeditionモードの使用がアナウンスされている。ということで、FT8 DXpeditionモードの使い方の簡単なまとめ。

WSJT-Xが必須

まず、大前提。WSJT-Xを使うこと。バージョンは最新の1.9.1。古いバージョンではFT8 DXpeditionモードは実装されていない。また、他のソフトも(今の所)未対応らしい。

FT8 DXpeditionモードの設定

Houndの設定を行う。

SettingsのAdvencedタブの中にある。Houndにチェックを入れればOK。

もし、この設定をやらずにFT8 DXpeditionモードの信号を受信したら、こんなメッセージがポップアップする。

このときは、慌てず、騒がず、上のHoundの設定をやれば大丈夫。

相手局(Fox)のコールサインは略さずに全部入れる。

おそらく、FoxのCQをダブルクリックすればこのように入るのだろうとは思う。が、パイルになっている中ではCQは滅多にないだろうから、手動で入れることになるんじゃなかろうか?

FT8 DXpeditionモード(Hound)では、Tx1とTx3しか選択できないようになる。

周波数の設定

運用周波数は、通常とは異なる。例えば、20mバンドでは14090kHzで運用することがアナウンスされている。

KH1/KH7Z Band Plan
http://www.baker2018.net/pages/plan.html

そこで、この周波数を登録してもいいけど、一時的に使うだけなら、直接指定するのが簡単。

バンド選択のところにカーソルを持っていってCtrl+Aを押すと、上のように選択される。

ここで、kHz単位の下三桁と「k」を直接記入する。14090kHzなので、この場合は「090k」。

この後、TABキーを押せば、下のように周波数が変更される。

Enterキーを押すと、即送信状態(Enable TX)になるので、要注意。

周波数表示が赤になっているのは登録されていない周波数だから。送受信に問題はない。

数字確定は「Halt Tx」じゃなくても、何か操作をやればいいみたい。本当はEnterを押したいところだけど、事前にDXpeditionモードのHoundの設定をしてあると、Enterを押した瞬間にいきなり送信を始めてしまう(正しくは、Enable Txになるだけなので、実際に送信されるか否かはタイミング次第)。その際は、直ちに「Halt Tx」するように。これ、バグじゃなかろうか?それとも何か設定があるのか?DXpeditionモードではなく、通常のモードならEnterでOK。

WSJT-Xでの周波数の指定方法はいろいろある。興味があれば、こちらの記事を。

WSJT-Xの周波数指定方法
WSJT-Xでは周波数指定にいろいろな方法があることがわかった。メニューを開いて選択まずは、一番普通の方法。マウスホイールをぐるぐるメニューの上にマウスカーソルを持っていき、ホイールを回す。並んでいる順で上下に動かせる。絵面的には面白くない...

こんなことをやらずに、無線機のVFOを回しても、もちろんOK。

呼び方

相手を呼ぶときには、1000Hzよりも上で行うこと(4000Hzまでの間)。これ、重要。1000Hz以下には応答しない仕様らしい。Fox側は300~900Hzの間で送信(応答)してくる(だから、1000Hz以下は空けておけという仕様なんだろう)。

また、Fox側の仕様で強力な局には応答しないような閾値の設定がある。弱い局を拾う仕組みで(パワー競争をしないように)。

これで、KH1/KH7ZとQSOできるはず。さて、上手く拾ってもらえるか?

より詳しくは、こちらのドキュメントで。

404 Not Found

最後に、通常の通信に戻るときには「Hound」のチェックを外すのを忘れないように。

補足

FT8 DXpeditionモードでは、送信ウオッチドッグが比較的短いタイミング(2分くらい?)で切れる。画面右下の「WD:○m」の表示とは無関係に。必要に応じて「Enable Tx」を押す(ショートカットキーは、Alt+N)。しかし、その前に、一旦、ワッチして自分の送信周波数と同じところで送信している別の局がいないか確認した方がいいかも。

Hound側は、Foxが自分の呼出しへの応答してきたら、Foxが応答してきた周波数に(自動的に)移動して応答する(「R+レポート」の送出)。FoxからのRR73が受信できなかったら「R+レポート」を再送するが、このときは、前の周波数よりも300Hz高い方/低い方へ移動して送信する。高い方が使われるか低い方が使われるかは自動判断。そのため、CATコントロールが不可欠。また、かなり低い周波数が用いられるので、Split Operationも(実質的に)必須。Rig / Fake Itのどちらの設定が良いかは、リグ次第。

Foxは通信の効率化のため、最大五つの周波数を同時送信する(同時に5局を相手できる)。このときの信号は60Hz間隔で並ぶ。FT8 DXpeditionモードについての詳しい情報はこちらのドキュメントで。

FT8 DXpedition Mode User Guide
http://physics.princeton.edu/pulsar/k1jt/FT8_DXpedition_Mode…


【追記】

先程からKH1/KH7Zの運用が始まったようで、呼んでいる局が見える。残念ながら、うちからはご本尊は見えないが…。しかし、残念なことに、1000Hzよりも下で呼んでいる局が多い。

これじゃ拾ってもらえないだろう。なお、R-13を送っているSP9某局と、R-16を送っているOH1某局は、おそらく正常な通信。

上の画はHoundモードにセットして受信したもの。このモードだと、Fox側の送信領域、つまり、1000Hz以下しかデコードしないみたい。Houndを外して(通常のFT8モードで)モニタするとこんな感じ。

1000Hzより上でたくさんの局が呼んでいることがわかる。なお、この中で「KH1/KH7Z 自コールサイン」で呼んでいるのはFT8 DXpeditionモード(Hound)になっていない(または、WSJT-X以外を使っている、古いWSJT-Xを使っている)局。Houndモードにセットすると、下の画のようにDX Callの欄にKH1/KH7Zと入れてもTx1のメッセージは「KH7Z 自コール GL」になる(KH1/KH7Zにはならない)。

よく見ると、この画の真ん中くらいに「Rx All Freqs」というのがある。これにチェックを入れると、(Houndモードでも)1000Hz上の信号もすべてデコードするようだ。

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