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LPFに手を入れてみた

以前作ったLPFのSWRがイマイチよくないのがどうも気になっていた。

LPFを作ってみる
VHFのTV放送がなくなったのでTVIのリスクは下がった。しかしながら、FM補完放送(ワイドFM)が始まったものだから、これが心配の種。18.1MHzの5倍は90.5MHz。東京近郊だとTBSラジオと完全に重なる。実際、うちのFMチューナで...

そこで、ちょっと手を入れてみた。

まずは、計算値(再掲)。

パーツの入手性などから、実際の値は次のように。

23.6pF → 25pF(100pFを四本直列)
95.6pF → 100pF
165.4nH → 0.16µH(計算値)
265.3nH → 0.30µH(計算値)

この状態でのSWR(再掲)。

265.3nHに対して0.30µHが一番ズレが大きいけど、トロイダルコアへの巻数を一回減らすと0.23µHになり、これまた大きくズレるので仕方ない。

ということで、コイルはこのままにして、コンデンサ。なんとなく、プラス方向に誤差を持っていることが多いような気がするので、22pFと82pFに変えてみる。

ありゃ。大幅に悪化。しいて言えば、40MHz付近は良くなっているけど…。

基板は片面なので、試しに、裏に銅箔テープを貼ってGNDに落としてみる。

ちょっと良くなったけど、ほとんど変らず。

計算値の95.6pFに対して82pFはさすがに小さすぎたか?これを100pFに戻してみる。

大きな傾向としては元に戻ったたのだけど、少し良くなっている。変更前は30MHzあたりでSWR 1.2くらいだったのが、1.13に落ちた。

とりあえず、これで一旦よしとするかな。HF用ということで。本当は、50MHzが通るように計算したんだけど…。コイルをいじったらまた変りそうだけど、それは、後日気が向いたら。

ついでに、電力の減衰状況も確認してみる。と言っても、SWR・パワー計にダミーロードをつないで10Wに調整し、そこに、LPFを入れて電力を測定。ついでに、SWRも読み取っておく。

MHz W SWR SWR(直)
1.8 10 1.10 1.05
3.5 10 1.05 1.08
7 10 1.01 1.08
14 10 1.08 1.08
21 10 1.10 1.08
24 10 1.10 1.08
28 10 1.01 1.08
29 10 1.01 1.08
50 2 >5 1.10

「SWR(直)」はLPFなしで、ダミーロードだけでの値。周波数帯によっては、LPFを入れた方がSWRが良く見えるようだ。また、この測定で読み取れるほどの電力損失はなさそう。

50MHzはダミーロードだけの状態で8W程度だった。うーん、あまり出ていないなぁ。LPFのSWRが高すぎるので電力の測定は意味がないが一応。

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コメント

  1. kusanagi42 より:

    コイルのインダクタンスを簡易LCRメーターで確認しては如何ですか。

    • jh4vaj より:

      はい。それは考えた、と言うか、実は最初に測ったんですけど、全然変な値で、おかしいなと思って手元のメータの仕様を調べたら最小が1µH。測定範囲外でした。

  2. kusanagi42 より:

    別に共振回路を組みその共振周波数を観測することで確認するのは如何ですか。
    160nHと100pFの組合はせでは40MHz辺りで共振するでせう。

  3. kusanagi42 より:

    設計定数で計算した結果が最初の画像。50MHzで1.4dBの損失があります。
    二つ目はコアが別物でインダクタンスが大きくなり、C4直列加工を考慮したもの。
    それらしいでせう。

    • jh4vaj より:

      まず最初にお詫びです。画像の順序が逆に表示されてしまっていた(これは画像添付ツールの都合のようです)ので、こちらで修正しました。しかし、その際、不手際で添付画像を消去してしまったため、Webブラウザのキャッシュに残っていたものを取出して再度載せました。そのため、オリジナルの画像が失われてしまい、当ドメインの透かしが入ったものになってしまいました。申し訳ありません。

      改めまして、わざわざありがとうございます。確かに、私の測定カーブと似ています。ですが、私が測定したのはSWR。こちらは減衰特性ですよね?減衰することは、すなわち、SWRの悪化になるのだろうとは思うのですが、不勉強のため、よくわかりません。

      コイルのインダクタンスの測定のために、既知のコンデンサとの共振周波数を測るというのはもちろんあると思います。今のところ、横着して「多分大丈夫だろう」と思ってやっていました。その結果が、これまで書いたものです。もし、頂いた図の通りであるなら、インダクタンスが二倍以上違いますから、まったく別物のコアと考えざるを得ませんね。ニセモノとかそういうことでなければ、二倍も違うとは考えにくいのですが…。ちなみに、このコアの入手先は、秋葉原の千石です。

      • kusanagi42 より:

        インダクタンスの測定周波数をどこにするか、コイルメーカーの仕様書を見ながら考へてゐましたがトロイダルコアにはQの周波数特性があることを思ひ出しました。

        T68-6を選択した理由は分かりませんが50M帯ではT50-10辺りを使ふことが多いので#6材は低域のコアとの印象がありました。

        T68-6では30MHzを過ぎた辺りからコイルの損失が増えてゐるのかも知れません。損失が増えると言ふことは見掛けのインダクタンスが大きくなることになります。

        トロイダル活用百科の「8-14トロイダル・コイルの最高Q条件」「5-2表 通過電力とコアの使い分けの例」「1-3インダクタンスの周波数特性」辺りを参考にしては如何ですか。

        • jh4vaj より:

          まず、T68-10を選択した理由ですが、トロイダル・コア活用百科に、#6材の使用帯域が3~40MHzとあったためです。上が40MHzですから50MHzでは使えないのかとも思ったのですが、かと言って、#10剤だと15~100MHzとあり、下限が高すぎるため、とりあえずと思い、#6剤にしました。

          こうしてみると、HFの下の方から50MHzまでをカバーさせようということ自体が無理なのかもしれませんね。30MHzまでとして、設計し直した方がいいのかもしれません。50MHzまでと考えたのは、無線がHF+50MHzだからという単純な理由です。

          それから、トロイダル・コア活用百科ですが、手元にあるのは改定新板で、「トロイダル・コイルの最高Q条件」は11.13になっていました。

          今回のコメント、大変勉強になりました。ありがとうございます。

          • kusanagi42 より:

            コイルの特性の見方に誤解があるやうです。
            Qのピークより低域の帯域であつてもコイルは利用できます。
            コイルはQのピーク周波数より下の帯域で利用するものです。
            参考としてTDK MLGコイルのデータシートにある特性図を挙げます。Qのピーク周波数より下の帯域ではインダクタンスがほぼ一定でせう。

            コア資料の対応帯域の表現にも問題があるやうです。実際の処、コア毎のQ特性曲線を見て使用するコアを決定しないと行けません。

            この辺り、コメント欄で説明するには長いのでその内ブログの方で記事にまとめます。

            今日秋月に寄つたのでT68-6を買つてきました。スイープして周波数特性を見てみます。

          • jh4vaj より:

            いろいろとありがとうございます。ブログ、拝見させてもらいます。