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QP-7C_RP2040を作ってみた

QP-7C_RP2040とは?

QP-7C_RP2040は、JE1RAVさん開発のデジタルモード専用のシンプルなQRPトランシーバ。ハードウェア、ソフトウェア共、GitHubで公開されている。

面白そうなので試してみようと思ってたら、JA6IRKさんから「基板あるよ」とのことで分けていただいた。

オリジナル版との違い

部品は、手持ち品の活用や手配の都合で若干変更している。

同調用のコイルは7T7(FCZコイル相当品)それに、100pF。

RFC(22μH)はマイクロインダクタ(AL0510-220K)。インダクタンスの実測はこれ。

自己共振周波数は15MHz位。7MHzなら使えるだろうと判断。

ラジオICはCD2003GP。AliExpressで調達。普通のプチプチに直に包まれていた不安な品。当然のように足は曲がっていた。

送受切換えのMOSFETはBSS138。「ゲート閾値電圧が低いもの」とことだったので、手持ち品のこれを選択。オリジナル回路で使われているINKA114AS1では1.0~2.5V(min~max)、BSS138は0.8~1.5V。BSS138はチップ品で、足の並びは基板の裏に貼り付ければぴったり一致。

+12Vのラインは、DCジャックを切り離して、SBD(1N5819)経由で+5VとDCジャックからの電源の両方を突っ込んだ。これで、送信部の電力増幅段は、DCプラグを挿さなければ5Vで、挿せば外部電源で動く。

電力増幅のトランジスタは、まずはS8050で試す(S-Pixieで使われている石)。足の並びが違うことに注意して接続。

LPFはとりあえずなしで(直結)。

それから、回路図ではC4が欠落している。配線パターンでは+12Vのラインの470μFとパラに入るパスコン。基板上に104と記載されていたので0.1μFを付けておいた。

動作

受信

ソフトをコンパイルし、書き込むと直ちに動作する。オーディオインタフェースは、マイク、スピーカ共、Mbed Audioとして認識される。

周波数はプリセット式。切換えはタクトスイッチで。LEDが赤で7041kHz、緑で7074kHz。ソースコードの変更で、最大で七つまで増やせる。

比較のために、まずは、TS-690での受信の様子。モードはFT8。

続いて、本機。

どちらでも20局程度がデコードできた。アンテナは、もちろん、同じものを使用した。

音をモニタすると、音声も一緒に聞こえた。ハッキリ聞こえるわけではないが、よく聞くと競馬中継だとわかった。ラジオNIKKEI第2だ(他のラジオでも確認したので間違いない)。周波数は6.115MHzなのでだいぶ離れているんだけど…。

日中の国内はどちらでも同じようにデコードできているという感触だったが、日が落ちて7074kHzをワッチすると様子が違う。

まず、TS-690。

続いて本機。

デコードできる局数が非常に少ない。TS-690と比べて数分の一。今のところ原因は不明。

もちろん、この二者で受信感度を比較することには無理がある。というか、同じだったらTS-690の立つ瀬がない。でも、信号が弱いからデコードできないというのとも違うような感じもする。ラジオICチップが怪しげなのがちょっと不安…。

さらに夜中になったら、外国語の放送局も聞こえてきた(韓国の放送局かなぁ?)。日中にラジオNIKKEIが聞こえたのと同じような現象か?

送信

CATは(今のところ)対応していないのでVOXで。なお、もちろん、ダミーロード。

終段トランジスタがS8050で、電源電圧5V(USB給電)だと0.2Wほどだった。13.8Vをつないだところ、なんと、1.6Wも出た。があっという間に煙を吹いた。ま、予想通りなので慌てはしないけど、なんとも臭い…。それも予想通りといえば予想通りではあるが。

次にトランジスタをTTC015Bに変えてみた。なんとなく「使えたらいいな」という根拠のない希望。安いし(@25円)。しかし、やっぱりダメ。5Vでは0.0Wの表示。13.8Vで0.7Wほどだった。

指定のトランジスタを入手しないとダメっぽい。もしくは、S8050で0.5Wくらいで妥協するとか(多分、供給電圧を8Vくらいにすればこのくらい出るのではないかと)。

なお、送信したものが別の受信環境でデコードできるかまでは確認していない。

問題点

受信・送信のごく基本的なことは確認できたけど、問題点というかトラブルにも遭遇した。

放送局の被り

上にも書いたとおり、放送局の信号が抜けてくる。

受信一時停止(まれに完全停止)

ときどき受信動作が止まる(止まらないときは長時間止まらないが、止まるときはしょっちゅう止まる。きっかけがわからない)。ほっとくと数十秒程度で回復することが多いが、まれに完全に固まってしまう。このときは周波数切替のタクトスイッチに反応しない(ソフトが暴走している?)。こうなるとマイコンをリセットするしかない(WSJT-Xとオーディオインタフェースとの切れるようで、WSJT-Xのオーディオインタフェースの再設定も必要。設定を開いてOKするだけだけど。もしくは、WSJT-Xを再起動)。

ノイズ(?)による一瞬の送信動作

PicPick(スクリーンショットツール)でスクリーンショットを撮ると、一瞬、受信音が途絶える。LEDの点灯状態を見るとその一瞬、送信動作に入っているみたい。Mbed Audioのスピーカインタフェースにノイズが乗るのか?今のところ、PicPick以外ではこのような挙動には遭遇していない。

【追記】 これはPicPickの動作音がMbed Audioに流れるためだった。このデバイスをつなぐと、サウンドの再生デバイスの「規定のデバイス」が自動的に(勝手に)Mbed Audioに変更されてしまう(通常はRZDA02を規定の再生デバイスにしている)。規定のデバイスの強制変更には要注意というところだ。


今のところ、以上。


自作
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