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SSB向けフィルタ付き外部スピーカ

いわゆる都市雑音(都市型ノイズ)のせいだろうが、SSB受信時に常時聞こえる「シャー」という音が結構辛い。新し目のリグならDSPでフィルタを好きなように狭くできるんだろうと思うけど、手元のTS-690にそんな機能はない(SSB用のフィルタは2.4kHz)。そこで、LPFを組み込んだ外部スピーカを作ってみた。

Hi-Fiである必要はなく、人の声が聞き取れればいいので、おそらく、1.5kHz位までが聞こえれば大丈夫だろう。入出力8Ω、カットオフ周波数1.6kHzでLPFを設計して、入手可能デバイスに合わせて調整した回路がこれ。

効果(通過帯域)を変えられるよう、コンデンサにスイッチ(SW2)を付けている。SW1はフィルタのスルー用。無線機の外部スピーカ端子につなぐことを想定しているのだけど、一応、ヘッドフォンがつながるようにしておいた(音量を下げればいいかなと。スピーカよりもインピーダンスが高いのでフィルタの特性に影響が出ると思うけど、そこは目をつむる)。

できあがったものが写真の右下。

OSA103 Miniで周波数特性をチェックする。負荷はスピーカの代りに10Ωの抵抗。

測定結果は以下。スイープ範囲は100Hz~4kHz。

まず、キャリブレーション。

では、フィルタの特性。最初にスイッチSW2がオープン状態(C1、C4だけ)。

カーソルは1kHzと2kHzの位置。全体的にレベルが落ちる。1~2kHzの範囲はやや下がっていく。

次にスイッチSW2をクローズ(C1、C2、C3、C4すべて使用)。

1~2kHzでの減衰が思った以上に大きい。


箱に組み込んだ完成の図。

フロントパネルはプリント基板。ボックスは木。サイズは100(W)x100(H)x82(D)mm。スピーカユニットは、秋月扱いのF02607H0。別の自作機(RZDA02)で使っていて、割と聞きやすい音なので無線機用にいいかなとチョイス。

実際の音はYouTubeに掲載した。

始めの1分くらいがTS-690内蔵スピーカ。その次の1分くらいが外部スピーカ直接(フィルタはスルー)。その後で、フィルタを切換えながら変化のチェック。

まず、この外部スピーカにするだけ(フィルタなし)でも「シャー」が結構抑えられることが分かる。スピーカユニットの特性だろう。フィルタを入れると音量が下がるのがちょっと残念だけど、期待通りに「シャー」がさらに減って聞き取りやすい。スイッチのポジションでの変化も聞き取れる。

このスピーカ、SSB用にと思って作ったのだけど、FMで使っても結構快適なことが分かった。というのは、モービル局の受信で途切れる際の「バシャバシャ」というノイズが和らぐ。想定していなかったけど、思った以上にいい感じ。

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