PR

AT50 – 1.8~54MHzアンテナチューナを入手

AT50というアンテナチューナをレビュー用にBanggoodから提供してもらった。

型番的にはKENWOODのものとタブって紛らわしいが、そちらとはもちろんまったく違う。こっちは、ATU-100をベースしたもの。ATU-100との違いはぱっと見たところこんな感じ。

  • 屋外型(ロングワイヤ用)
  • コイルが空芯タイプ(ATU-100はトロイダルコアを使用)
  • リレーが大型

なお、ATU-100についてはこちら。

開梱

まず驚いたのが、梱包状態。ダンボールとかクッションとかそういうのは一切なく、輸送用のビニル袋に直接入っていた(正確には薄いポリ袋に入って入るけど)。製品としてのケースが梱包材を兼ねている?日本では考えられないけど、そういうものだと思うしかない。

中身

基板はプチプチに包まれていた。上の写真はプチプチから取り出した状態。左は小物。見てわかるように、完成品ではなくて、完成基板とケースに組み込むための部品(コネクタなど)。左上でとぐろを巻いている白い紐状のものはケースのパッキン。どうやら防水仕様。ケース加工は自分でやらなきゃいけないという半完成品。

パーツ類一式

サイズ感

大きさの目安として、CDと比べてみた。CDの下はATU-100。

結構大きいという感じがわかると思う。ちなみにケースの裏には寸法が刻印されていた。

265x185mmということはA4よりも一回り小さい(A4は297x210mm)。厚みは60mm。

ケースへの基板取付けは難題

ケースは専用に作ったものではなくて、出来合いのものっぽい。また、ケースに合わせて基板を起こしたって言うわけでもなさそう。基板を作ったあとで収まりそうなケースを見繕ってきたって感じ。なので、大きな課題がある。

ケースには基板を固定するためのボスがいくつかあるけれど、基板の穴にはどれも合わない。ボスの位置よりも基板の方が小さい(ボスの内側に基板が収まってしまう)。基板取付用と思われるビスとスタンドオフが付属しているけれど、それでケースに取り付けるにはケースに穴を開けなきゃいけない。せっかく防水ケースなのでそれはやりたくない。ついでにいうと、ビスは片側分しかない(基板固定にそれを使うと、ケースへの固定ビスは自前で用意することになる)。

さて、どうしたものか?すぐに思いつくところでは、基板の切れ端でも使って、この基板とボスとの橋渡しをやるか?他に手はあるかなぁ?

基板が洗浄されていない

フラックスがべっとり付いたまま。特に、PIC周りはすごい状態。

この感じだと、手ハンダなのかなぁ?

動作確認

ケースへの組込みは大きな課題だけど、まずは、このままで動作チェック。

仮組立・電源投入

とりあえず、基板に電源ジャックを直付け(余談ながら、このジャックは付属品。このジャックをケースに取り付けるのは防水や抜け易さの点から不安。これも課題)。

他に、アンテナとGND用の端子もとりあえず直付け。Mコネ(UHFコネクタ)と0.91インチOLEDディスプレイを繋いで電源投入。

オープニングメッセージで、ATU-100であることがわかる。ファームウェアのバージョンは3.1。

オートモードに設定

基板上にタクトスイッチが三つ付いている。ATU-100そのものなので、TUNE、BYPASS、AUTOの三つ。

通常のマニュアルモードでは、TUNEスイッチを長押しすることでチューニング状態になる(その状態で送信機からパワーを入れるとチューニングが行われる)。オートモードではSWRが規定値よりも高いと(スイッチ操作なしで)自動でチューニング動作が行われる。屋外に設置することを考えると、オートモードで使うのが手軽だと思う(普段使っているCG-3000もそうだし)。マニュアルモードで使うためには、TUNEスイッチ用のケーブルを手元まで引っ張ってこなきゃいけない(ワイヤを引っ張ると回込み対策を考えなきゃいけないかもしれないのも面倒)。

オートモードに設定するには、AUTOのタクトスイッチを一度押す。下が、そのオードモードに設定した状態。

PWRとLの間に「.」がある。これがオートモードの状態を表している。もう一度押すと、消える(マニュアルモード)。押すたびにトグルする。この状態は電源を切っても記憶される(PICのEEPROMに書き込まれる)。

ちなみに、BYPASSスイッチを押すと、アンテナチューナがバイパスされて直接アンテナにつながる。このときはPWRとLの間に「-」が表示される(画像は省略)。これも屋外型として使う場合はあまり現実的ではない(送信機のそばで手元で使う際に活用できる機能だと思う)。

なお、ディスプレイが付属していたのでつないではいるけれど、屋外設置では使わないと思う。動作確認やAUTOモードの確認に使えるので便利ではある。

動作

適当なワイヤをアンテナとGNDにつないで動かしてみる。なお、アンテナエレメントもカウンタポイズも室内の床に適当に展開した状態。実際に動かしたときのビデオがこちら。オートモードにしているので、送信するとチューニングを行う。

アンテナエレメントが床を這っている状態なので、チューニングが取れるバンドは限られていたが、動作することは確認できた。1.8~50MHzまで、リレーは動いた。

後日、屋外にロングワイヤを仮設して動作させてみる予定。それと、ケースへの組込み方を考えなければ。


コメント

  1. JH6EXF より:

    私も入手しました、ATU-100のコントロール部を使用してもう少しパワーを入れられるもの作ろうかと思ってたらこれを見つけました
    説明書等ないので、アメリカあたりの記事ないかと思い検索したら早々と使用されていましたね (^^♪
    50Ωのダミーでもうまく動きました 短縮八木のバンドエッジ用に使いたいと思ってます

    • jh4vaj より:

      えーと、私は50Wまでしか試していません。一応、お伝えしておきます。

  2. JH6EXF より:

    机上では 上手く動きましたので バラックですが、移動で使用してみました
    エレメントは7Mhzフルサイズ(10m)アースはボディー+10mのラジアル
    移動なので50Wしか 使えませんでしたが、送受信それなりにできました
    固定でアンテナの根本に付けるには コントロールケーブル(チューンだけでも)付けたほうが安心かと思います

    • jh4vaj より:

      上手く動作しているようですね。
      私は固定で使っていますが、仮設用ということもあり、AUTOだけでやっています。今のところ問題は起きていません。手動TUNEの方が安心だとは思いますけど、電源を引くのすら面倒でBias-Tにしたくらいですので。

  3. JN1MZR より:

    私も入手しました。とりあえず付属してきたケースで組みました。固定用に使うので防水とワイヤー長をどうするか悩みはつきませんね。

    • jh4vaj より:

      ケースは防水仕様ですよね。信じるかどうかっていうのはあるでしょうけど。
      エレメント長もさることながら、アース(カウンタポイズ)もこれまたキモだと思います。

      • JN1MZR より:

        とりあえず二重のケースにして、青いケースの横に市販の湿気取りを入れて密封しました。湿気取りがどのくらいでいっぱいになるか観察です。ワイヤーは12m、カウンターぽぃずは11mで3.5,14,24,50でSWRが落ちています。8,18がDPで出られるので、これで当分運用です。

  4. とおりすがり より:

    広告が多すぎてちょっと見ずらいです。
    仮名で申し訳ありません。

  5. jh4vaj より:

    問合せフォーム経由でもらった質問。

    > AT50の記事を拝見して私もAT50を中国から取り寄せましたが
    > ディスプレー部分の配線がわからず、
    > 基盤の記号に合わせて配線しましたが動作しませんでした。
    > ディスプレーを外すとチューナーは動作しましたが、
    > 何となく配線がわからないとすっきりしなくてご迷惑かもと思いながら
    > メールで教えてもらえないかとメールした次第です。
    > 結線部の写真でもあれば助かりますがこのメールを削除されても文句はありません。
    > 宜しくお願いします。

    まず、こういう一般的な話題は問合せフォームではなく、当該記事のコメントでお願いします。
    そうすれば、他の方の役に立つこともありますから。

    さて、本題ですが、写真を漁って配線がわかりそうなものを見つけました。こちらです。
    配線に苦労した記憶はないのですんなり表示されたのだろうと思います。
    なお、表示が切れているのはシャッタ速度の関係です。肉眼では問題なく見えます。

  6. 杉本隆司 より:

    有難うございました。写真通りでやってみます。