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RFワールド No.54 – tinySA、S-A-A-2など

ようやく届いたので、目的の記事にざっと目を通した。

総ページ数が140ページ強で、そのうちの半分が特集記事。特に興味があるのがtinySASAA-2(S-A-A-2など、表記は色々。この特集記事ではSAA-2と記されている)。

まず、第1章がtinySAのハードウェア構成と、測定能力の実力。どういう仕組みになっていて、何ができて何ができないのか(限界)について詳しく解説されている。私は手探りで使っている状態なので、出てきたものが本当に正しいのかどうか判断に困ることも多い。こうした「できること、できないこと」をしっかり解説してくれる記事はとても参考になる。ちなみに、著者はNanoVNAの作者さん。

第2章もtinySA関係。著者別の方。こちらもハードウェア構成の解説から始まっている。どうやら著者間のすり合わせはないのだろう。でも、複数の方の視点での解説が見られると思えば興味深い。この後は、使い方に関してが主。tinySA本体とPCソフトウェアの両方。使い方は手探りながら自分でも理解しているつもりで、それが確認できたという感じ。

HIGH側のキャリブレーションでは、信号源にNanoVNAを使ったそうだ。なるほど、それは良さそう。私は48MHzのクロックの高調波を使った。

しかし、tinySAのHIGH側は帯域外に強い信号があると測定値に大きく影響する。こちらの実験でもそれがよく分かった。

そのため、48MHzのクロックの高調波を使う方法は良くないなぁ、と思っていたところ。NanoVNAを信号源にすればその問題は避けられる。

この記事で「あれ?」と思ったことが一つ。tinySAのファームウェアのアップデートに関して。この記事では、NanoVNAのファームウェアをアップデートしたPCでは、そのままではtinySA-APPではtinySAのファームウェアのアップデートができないとある(ドライバの削除が必要とのこと)。私の手元ではそんなことはないのだけど。NanoVNAをアップデートしているPCでそのままtinySA-AppでtinySAのファームウェアをアップデートできている。

困ったという話ではないのでいいのだけど、ちょっと気になった。

第3章とAppendixはLTDZというスペアナ。参照の方は液晶パネル付きのもので、Appendixの方はPCにつないで使うタイプ。同じものかどうかはわからないけど、仕様的には同じように見える。で、どちらも言ってしまえば「イマイチです」っていう内容。そういう言をはっきり書いてくれるはいいことだろう。

第4章のSAA-2は残念ながら内容が少なかった。サッと紹介している程度。キャリブレーションでは、別の測定器で測った値をディレイ値として入れるという方法で、そういう環境がない者にとっては真似できない。この記事に関連して見かけた興味深いツイートがこちら。

第5章はNanoVNAのTDR機能の解説と実際の使い方。著者はNanoVNAのマニュアルを作った方で、また、この方がNanoVNAにTDR機能を実装したご本人。ケーブルの断線・ショートの個所を見つけたりできる面白い機能。同軸ケーブルの長さの測定など、なんとなく使って履いたけれど、詳しい説明が読めて参考になる。

特集記事は他にもあるし、また、特集以外の記事もあるけれど、とりあえず、読みたかったところは以上。


余談。このRFワールド、4月28日発売のもので、26日にAmazonに注文したのけど、発売日には届かなかった。それをツイートしたらAmazonの人に拾われた。メンションしたわけでもないのに、よく見てるなぁ。どうやら、発売日に届けてもらうための「締切日」があるらしい。詳細はこのスレッド。

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