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TR-10-5-5EDに巻いたインダクタンスを測定

T37-6に続いて、TR-10-5-5EDも測定してみる。これは、秋月電子で購入できる一番安いフェライトコア。30円(税込み、2020年12月現在)。

TR-10-5-5ED ⇒ https://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-10677/

左がTR-10-5-5ED、右がT37-6。サイズはT37-6に近いが、厚みはTR-10-5-5EDの方が厚い。10-5-5は、外径、内径、全長(厚さ)を表している(単位はmm)。

測定方法などはT37-6のときと同じ。

測定結果

21回巻き

80MHz付近に不連続な個所がある。原因はわからず。以下同様。

20回巻き

19回巻き

18回巻き

17回巻き

16回巻き

15回巻き

14回巻き

13回巻き

12回巻き

11回巻き

10回巻き

5回巻き(参考)

こちらに5回巻きで測定したものがある。ただし、キャリブレーションはアダプタのタイプ2を使わずにタイプ1だけで行ったもの。

結果整理

巻数1
MHz
5
MHz
10
MHz
20
MHz
30
MHz
50
MHz
自己共振
周波数
5回未測定8.085.132.691.660.75100MHz
1067.85μH31.1119.399.735.601.7370
1182.3239.0723.8211.746.561.8365
1297.8846.4528.2613.987.881.5160
13114.6953.4632.1215.098.591.4055
14133.0061.7936.7415.947.5545
15152.0369.9341.8917.858.0740
16172.9979.3846.4417.353.3035
17195.9888.6351.1414.731.1730
18219.04100.3258.1813.2525
19245.06114.6665.7511.6922
20271.80126.2069.860.4120
21290.09137.6679.0818

5回巻きは、上に書いた通り参考データ。

自己共振周波数はグラフから読み取ったもの(そのため、誤差が大きい)。

コモンモードチョークを測定した際にも感じたが、フェライトコアは少ない巻数でインダクタンス(インピーダンス)が大きく取れるが、巻数を増やしていくと割と低い周波数で自己共振を起こす。巻数を稼がないのが使う際のポイントなのかな。

自己共振周波数を超えるとそこから先はインダクタンスとしては機能しない。浮遊容量(容量性リアクタンス)の方が勝る。とは言え、浮遊容量は小さいので、インピーダンスとしてみれば大きい。例えば、20回巻きだとこう。

周波数L/CR+jX|Z|
1MHz271.8μH352+j1.71kΩ1.75kΩ
5126.2μH6.65k+j3.91k5.35k
1069.84μH6.99k+j4.41k8.26k
200.41μH11.2k+52.111.20k
301.47pF11.0k-3.6k11.57k
500.50pF4.92k-6.43k8.10k
750.48pF2.52k-j4.42k5.09k
1000.42pF1.18k-j3,8k3.98k

RFチョークとして見る場合は、自己共振周波数を超えたとしても充分なインピーダンスが得られる周波数までは効果があると考えていいのかな?

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