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NanoVNASaver 0.1.5がリリースされた

数日前に、NanoVNASaverの新バージョン、0.1.5がリリースされた。

遅ればせながら、新機能や気づいた点をレポート。

その前に、ダウンロードと変更点については、こちら。

キャリブレーション画面

ボタンの大きさや位置が整理されて見やすくなっている。

スイープのバンド設定

新たに、25%と100%が加わった。アンテナの調整時にはバンド外の様子も見たいことが多いので、これを使うとスイープ範囲の設定が楽。

マーカ関連

マーカのサイズ

マーカの大きさが可変になった。マーカを見易くできる。マーカの中心が指しているポイント。作者のRuneさんに聞いたところでは、将来はマーカの先端にもできるようにするとのこと。

表示項目の選択

マーカ情報の表示項目を選択できるようにもなった。上の画面の「Settings …」をクリックすると、その設定画面がポップアップする。

チェックボックスで選択する。画面の下部に例がリアルタイムで表示されるので分かりやすい。

マーカ番号表示

グラフ上のマーカに番号を表示させることができるようになった。

Show marker numbers」にチェックを入れるだけ。

各グラフ上のマーカに番号が振られている。あれ?R+jX上のマーカは、番号が全部「0」だなぁ…。

矢印キーによる移動

Markers」の周波数のボックス内でマウスクリックすると、選択されたボックスの周波数が上下の矢印で動かせる。もちろん、それに合せてグラフ上のマーカが移動する。マーカを細かく移動させたい場合に便利。

分析機能

分析機能が強化され、ピークサーチ機能と、VSWRの分析機能が加わった。

マーカ情報の下の「Analysis…」ボタンを押すと、分析ウィンドウがポップアップする。

ピークサーチ機能

Analysis type」で「Peak serch」を選ぶ。

Settings」で希望の分析対象等を設定し、「Run analysis」ボタンを押せば実行してくれる。上は、VSWRを分析した様子。「Results」に分析結果が表示されている。

また、「Move marker to peak」にチェックを入れておいたので、下の図のようにマーカがその周波数にセットされている。マーカ1が使われるようだ。

VSWR分析

新機能のVSWR分析。

指定した値(例えば、1.5)の範囲と幅、最小値とその周波数を調べてくれる。

なお、ピークサーチのような、マーカを自動で移動させてくれるオプションはない。とはいえ、マルチバンドアンテナのように、VSWRが低いポイントが複数ある場合には、それらをすべて分析してくれるので、マーカが自動設定されないのは致し方ない。

【補足】

フィルタの分析機能では、マーカ1とマーカ2が自動で移動してくれるようだ。

TDRでのインピーダンス分析

TDRでケーブル長を測定する機能に加えて、インピーダンス分析もできるようになった。

赤のラインがケーブル長、青がインピーダンス。

ケーブル長(横軸)は変更できるが、インピーダンス(縦軸)は変更できない。次期バージョンに期待。

しかし、今使っている同軸ケーブル、約30mもあるのか…。

念のため、長さが分かっている同軸ケーブルを測定してみる。測定対象は、FA-VA5やOSA103 miniでも測定したRG-58C/Uで、長さは10m。詳細はこちらの記事。

同軸ケーブルの特性インピーダンスを測ってみる
同軸ケーブルの特性インピーダンス測定方法 「そういえば、同軸ケーブルの特性インピーダンスってどうやって測るんだろう?」と思い、ちょっと調べてみたら案外簡単だった。測定対象の同軸ケーブルの開放時と短絡時のインピーダンス(ZoとZs)を測定し、...

では、早速測定。開放端。

10.09mと出た。

フジクラの仕様書によるとRG-58A/UやRG-58C/Uの速度係数は67%となっているので、「Custom」を選んで0.67を設定してみる。

10.24m。

$$\frac{10.09}{0.66}\times 0.67=10.24$$

なので、当然か。

ついでに、短絡端でも測定。

10.26m。開放端でも短絡端でもほぼ同じ結果。これも当然か。

さらに、50Ωで終端した状態で。

10.28m。50Ωで終端すると反射が起きないので測れないかと思ったけれど、ちゃんと測定できている。理想モデルと違ってわずかに反射があるだろうから、それを見ているのかな?

それから、インピーダンスがジワーッと変化しているように見る。こういうものなのかな?

その他雑感など

マーカなどの周波数がSI接頭辞付きで表示されるようになった。

これのマーカ1はVSWRの分析モード(ピークサーチ)で設定したもの。「433.500MHz」と表示されおり、分かりやすい。しかし、グラフ上でクリックして設定したマーカ2は「423983051」とHz単位(マーカ3も同様)。表記法が混在してしまうのはちょっとどうかなと思う。代案として「423,983,051」のように三桁ごとにカンマ区切りにするという手もありそうだけど、その表記法は国によって違うみたいだし。

それと、上でも触れたが、R+jXのグラフではマーカ番号がすべて「0」と表示されてしまう。

これは直してくれるだろうと思うが、次のリリースは0.2.0として機能強化版の方向に決まったようなので、少し先になるかも。

どんな機能が追加されるのか楽しみ。


【追記】

この問題は、コード上ではすでに修正されているとのこと。


0.1.4で発生していたVSWRマーカの色が保存されない問題は解消していた。分割スキャンで生じる「ヒゲ」はNanoVNAの問題ではなく、本体のファームウェア(0.3.1)に依存するようだ。0.2.3やNanoVNA-Q 0.4.3では発生しなかった。本家(@edy555さん)から0.4.0がリリースされたが、これでの動作は未確認。

まったくの余談ながら、今回からNanoVNAにはケースを付けた。大きな違いは横にパネルが付いただけだけど、これがあると思った以上に持ちやすい。

NanoVNAのケースを作った
プリント基板を使って、NanoVNAのケースを作った。 ミス発覚。「CH0、CH1」ではなく、「CH1、CH2」と印字してしまった。ガックリ…。 ま、ともかく組む。 ばらしてヤスリがけ。ケースの他に、オマケが二つ。 仮組み。 NanoVNA...

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