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PCBWayのPCBA(部品実装サービス)を試してみた

PCBWayからレビューの機会をいただいたので、部品実装サービスを試してみることにした。使用する部品はPCBWayに調達してもらう(ターンキー)。以下、今回の体験談。

製造用ファイル作成

基板の設計はいつも通りKiCadで。PCBWayへの発注に必要なファイルはプラグインで作れる。

PCBWayで検索すると二つ見つかる。今回使ったのはPCBWay Fabrication Toolkitの方。もう一つのPCBWay Plug-in for KiCadの方は以前試したことがあるが、単にファイルを作るだけではなくて、発注画面に流し込んでくれた。一見便利そうだけど、こちらで何もコントロールできなくて困る。とは言え、試してみたのはもう相当前なのでその後わかっているかもしれない(試してないので不明)。ともかく、今回使ったのは、PCBWay Fabrication Toolkit

このプラグインをインストールするとPCBエディタにアイコンが付く。

これをクリックすると、ガーバファイルやBOMなど、必要なファイルを作ってくれる。

これまでのこうしたサービス利用の経験から、スルーホール部品を使うと実装費が高くなる。そのため、表面実装部品だけを実装することにした。BOMファイル(CSV)を開く。

こんな感じで入っているので、Mount Typeをキーにしてソート。smtだけを残した。

これで表面実装部品だけになった(一部、実装しないものもあったので、その行も削除した)。

このBOMファイルに、各部品のメーカ名と部品名を入れておけばそれを調達してくれる。今回はすべての部品について指定したけれど、抵抗やコンデンサなどで一般的なものは定格とサイズを指定しておけば適当なものを見繕ってくれると思う。

発注

PCBWayの発注画面で基板の枚数等を入力してカートに入れる。その後、ガーバファイル等のファイルアップロードを求められる。そこまで済ませたのが、下の画像。

PCBWayの部品実装サービスは$29。ホビー用としてはちょっと高い気がするが、実は送料が無料になる($30まで)ので、トータルで考えればまぁまぁ。もちろん、部品代は別途かかるけど。

このあと、担当者から連絡(メール)が来て、詳細を詰めていく。今回は基板は最小数の5枚にしたが、実験用なので5枚全部に実装する必要はない。そうした希望を伝えて2枚だけ実装してもらうことにした。

BOMも部品代が入ったものが送られてくる。

最終見積。

製造コストがいくらになるのだろうと思っていたのだけど、$29のまま変らず。表面実装部品だけにしたし、部品点数もさほど多くないので、基本料金(?)の範囲で収まったようだ。どこまでこの範囲でいけるのかは正式見積もりをもらうまではわからないのが不満というか不安というか。

部品代は$17.47。それと、基板の製造費が$5。送料は無料(上に書いた通り)。

これで発注。

おっと、実装にかかる日数が25~30日とは想定外。メールで聞いてみたら、これがPCBAの基本で、部品調達の状況によってはもっと早くなるそうだ。

経過とトラブル

期待通り(?)部品が早く調達できたようで、10日くらいで実装が行われて連絡が来た。実装済みの写真が送られてきて部品の向きなど大丈夫か確認するようにとのこと。

ICなどの向きは大丈夫だったけれど、別の問題に気づいた。実装しないリード部品の一部の抵抗やコンデンサの穴が埋まっているように見える。下の写真の黃矢印は問題なし。しかし、赤矢印の個所はハンダで埋まっているように見える。

これに関して何度かのやり取りがあったので整理しておく。

  1. 私: 実装していない部品の穴がハンダで埋まっているように見えるものがある(この時点では赤矢印だけ示した)。
  2. 担当者: BOMに入っていない部品は実装してないので穴は埋まっていない。
  3. 私: 確かにBOMに入れていないので実装されていないのだけれど、ハンダが埋まっているようにに見えるものがある。ここで、埋まっているように見えるものと明らかに埋まっていないものとを明確化するために、黃矢印を加えて再送。
  4. 担当者: 製造部門に確認する。

ここのあと、穴からハンダを除去した写真が送られてきた。

穴がハンダで埋まっているのではないかと指摘しただけで、除去するようにとは言っていないのだけど。埋まっていることはまだ確定している段階ではなかったので。

こちらから要求する前に、先んじで除去してくれたのだろうが、残念なことに基板に傷がついている。

  1. 私: 穴は開いたが基板に傷がついている。
  2. 担当者: 謝罪。組立部門に伝える。次のステップに進めてよいか?

このやり取りはメールで一日往復程度。これだけで四日か五日くらいかかっている。これ以上時間をかけたくないので先に進めるように指示した。

SMT QCとある12月2日が最初に組立確認の写真を送ってきた日。その後、上のやり取りがあって11日に製造完了。トラブルがなければ一週間くらい早く製造完了したのだろうと思われる。

その後のやり取りで問題の原因が判明。それについては後述。

受取り

部品が実装された基板は個別に静電気対策袋に入れられていた(部品実装していない基板はひとまとめ)。

以下、実装の様子。

細かい評価ができるほどのスキルは持ち合わせていないけれど、しっかり実装されていると思う。

トラブルの原因など

今回の発注は、この体験記を書くことが目的の一つ。なので、これについてマーケティング担当者に連絡したところ、以下の回答を得た。

  • 未組立エリアにハンダペーストを塗布しないようにとの指示がなかったため
  • 基板に傷があるのは顧客(私)が早く送ってくれと言ったため
  • エラーは極めて稀である
    • エラー発生時点で工程を停止させる
    • 返金、または、再生産の対応をする

「未組立エリアに云々」だったらすべての穴が埋まっていそうなものだけど、一部だけだったので少々無理がある説明だと思う。とは言え、こういうことがあるようなので、事前にその旨を指示しておくのが良さそう。

また、補修してくれるのは良いのだけど、傷をつけてしまうのはいただけない。今回は実験用のものなのでそのまま受け入れることにしたが、製品などであれば、作り直しを指示ということになるだろう。そもそも、私は埋まっているかどうかを確認してくれと指示しただけで、補修は指示していない。埋まっていることが確認できたら、その先の対応を相談しようと考えていた。

いずれにしても、もっとテンポよく回答してれくれば適切な指示ができると思う。一日一往復のメールだと非常に時間がかかってしまう。ここは改善してほしい。

さらにその後のやり取りで、今回の問題の原因が判明した。当該個所は、表面実装部品でもリード(足)付き部品でも、どちらでも実装できるようように作ったパターン。そのため、PCBAサービスでは部品は実装ししない。しかしながら、表面実装もできるようにしているため、メタルマスクはそれに合わせて作られたようで、部品が実装されるか否かにかかわらず、ハンダペーストが塗布された。そのハンダがスルーホールに流れ込んでしまった。

こうした両方に対応できるパターンはこれまでにも作ったことがあるが、特段のトラブルはなかった。運が良かっただけかもしれない。トラブルを避けるためには、このような部品では表面実装部品用ランドにはマスクを付けないようにしなければいけないのだろう。または、「未組立エリアにはハンダペーストを塗布しない」としっかり指示すべし。勉強になった。

また、メールでは遅いと思われる場合は、チャットを活用した方が良いとのアドバイスも頂いた。これも今後の参考にしたい。

まとめ

  • 部品の調達も行ってくれるのはとても助かる
  • 実装費用が$29かかるが、送料が無料($30まで)なので、トータルで見れば高くない
  • 実装費用$29で対応できる範囲(部品点数など)がわからないのが難点
  • 発送前に写真確認を求められるのは安心(今回はそれで問題が見つかった)
【補足】
実装費用$29は、月に一回の特別オファーとのこと。
また、部品点数がさほど多くなければ、大抵は$29で収まるらしい。

元々はユーザ(発注者)の参考にしてもらうためのレビュー記事を書こうと思っていたのだけれど、今回の発注では図らずもPCBWayの製造対応のレビューが中心になってしまった。今後のサービス・品質向上の参考にしてもらえるとありがたい。

PCBWayの公式サイトはこちら。日本語なのでわかりやすい。

最後に、実験機のため不格好な実装だけど、動作は期待通り。

自作
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