
概要・特徴
iPhoneとIC-705を接続するアダプタです。iPhoneでFT8・FT4を運用するアプリのiFTxを使うために作りました。
単に、iPhoneのイヤフォンとマイクを、IC-705のマイクとイヤフォンにつなぐだけのものですので、iFTx専用というわけではありません。が、これ以外のアプリは知らないのでiFTxでしか動作確認はしていません。

概念的には互いのマイクとイヤフォンをクロス接続するだけですので、とてもシンプルです。基板サイズは33x20mmで、iPhoneとの接続の4極ジャックを搭載しています。IC-705側はケーブル直付けにしています。
今回の頒布は、基板(チップ部品搭載済み)、ジャック、熱収縮チューブだけです。ケーブル類などはご自身で調達していただくことになります。キットと言うよりも、自作を楽にするものとお考え下さい。
使い方

本アダプタ以外に必要なものは以下のとおりです。
- iPhoneのLightning、または、USB Type-C端子を3.5mm 4極に変換するアダプタ
- 3.5mm 4極ケーブル(両端プラグ)
これらのケーブルをを使って上の写真のようにつなぎます。
変換アダプタはイヤフォンとマイクの両方に対応しているものを使ってください。イヤフォン専用のものもあるようなので要注意。手元のものはかなり前に秋葉原の店頭で購入したもので、詳細は不明です。
IC-705側はイヤフォン(スピーカ)端子が3.5mm、マイク端子が2.5mmです(IC-705の付属マイクと同じ)。
iFTxはPTTの制御には対応していませんので、IC-705はVOXに設定します。
IC-705は通常のSSB(USB)に設定します。データモード(USB-Dなど)はVOXに対応ていないようです。
FT8/FT4の送信パワーは、iPhoneから出力される音量によります。iPhoneのボリュームを適切に動かしてください(SSBと同様ですので、ALCメータがゾーンを超えないように。通常は最大でも30~50%まで)。必要に応じて、IC-705のマイクゲインやVOXの調整も行って下さい。
iFTxについては7L4WVUさんのYouTube動画がわかりやすいのでご覧になることをお勧めします。
製作編
回路図

至ってシンプルです。上にも書いたように、互いのマイクとイヤフォンをクロスでつないでいます。
iPhoneからの音はステレオで出てきますので、どちらか一方だけを使ってもいいのですが、本機では両chをミックスにしました。
iPhoneはマイク端子を6.8kΩでGNDに落とすとマイクがつながっていると認識するそうなので、そのように構成しています。
マイク端子もイヤフォン端子もコンデンサで直流をカットしています。当初の設計では100μFの電解コンデンサを使うつもりだったのですが、途中でチップ部品化して実装サービスを利用することにしたため22μFを2つ使うことにしています(22μF✕2にしたのは、実装サービス利用の都合です)。オーディオ信号のカップリングに積層セラミックコンデンサを使うのは気持ち悪いですが、ピュアオーディオ目的ではないので目をつむることにしました。どうしても許せなければ、チップコンデサ(C2, C3, C4, C5)を外して10~100μF程度の電解コンデンサ(C1, C6)にすると良いと思います。その場合は細めの電解コンデンサを使って倒して実装すればよいでしょう。
部品等
頒布品に含まれるものは、基板(チップ部品実装済み)と、3.5mm 4極ジャック、熱収縮チューブです。

この他に以下のものが組立てに必要です。
- 2.5mm 3極プラグ(ワイヤ付きが楽)
- 3.5mm 3極プラグ(ワイヤ付きが楽)
- 結束バンド(2.5mm幅)
2.5mmと3.5mmプラグを買ってきてワイヤを付けてもよいのですが、私は手持ちの3.5mm – 2.5mmの変換ケーブルを切って使いました。同じものではないですが、例えば千石電商などで扱っているカモン35S25S-15が使えるのではないかと思います(未確認なのでダメだったらごめんなさい)。
また、実際の使用時には、上にも書いたように以下のケーブル等が必要です。
- iPhoneのLightning、または、USB Type-C端子を3.5mm 4極に変換するアダプタ
- 3.5mm 4極ケーブル(両端プラグ)
組立て

基板には予めチップ部品を実装してありますので、4極ジャックとケーブルを取り付けるだけです(下の写真では4極プラグを挿しています)。

IC-705のイヤフォン端子(SPジャック)は3.5mm、マイク端子(MICジャック)は2.5mmです(マニュアル19-3ページ)。MICジャックは4極ですが、本機の使い方では3極で大丈夫だと思います(実際に動作させて問題は起きていませんが、気になるなら4極のものを使ってください)。ワイヤの長さは好みで調節して下さい。
プラグの端子配列を念のため示しておきます。

それぞれの端子につながっているワイヤを基板のTRSにハンダ付けして下さい。実際にはRは使わない(どこにもつながらない)ので付けずに切ってしまっても大丈夫です。
こちらも参考になるかもしれません。
ハンダ付け後、結束バンドでしっかり固定して下さい。
最後に(というか、動作確認後)、熱収縮ケーブルを被せたら完成です。なお、4極ジャックはプラスチック製ですので、熱収縮チューブの収縮時に加熱しすぎないよう気をつけてください(変形してしまいます)。

頒布
【注意事項】
- 部品の調達の都合上、上の写真とは異なる場合があります。
- コストダウンのため、ほとんどの部品は海外通販で調達しています。
- 基板に若干の色ムラがあることがあります。格安基板製造サービスを利用しているため、ある程度は仕方ないようです(ひどい場合は作り直してもらっていますが、ゼロにはならないみたいです)。より高品質な製造サービスならきれいに仕上がるかもしれませんが、コストが大幅に上ってしまいます。ご了承下さい。
- 本機のマニュアルは当ページがすべてです。紙媒体はありません。また、本機は電子工作の経験がある程度ある方を対象としております。抵抗のカラーコードやコンデンサの値の読み方など、基本的なところの説明はしていません。電子工作の基本については、こちらのページに参考になりそうなサイトなどをまとめてあります。
- 資源の有効活用のため、梱包材は再利用することがあります。ご了承ください。
- 仕様や頒布価格は予告なく変更することがあります。
- 本機の組立てや使用による怪我・事故等には責任を負いません。
【価格】
250円(上述のとおり、ケーブル等は含まれません)
【送料】
- クリックポスト: 230円
- 普通郵便: 100円(厚さ制限のためクッションは使えません)
【支払い方法】
銀行振込
【申込みフォーム】