NanoVNAケース

概要

これは、NanoVNA用のケースです。AliExpressやeBay、AmazonなどでたくさんのNanoVNAクローンが販売されていますが、上下にカバーが付いているだけで、横のカバーがありません。そのため、横から異物が入ったりする可能性があります。また、以前、誤って落下させてしまった際にLCDパネルが外れて横から飛び出してしまう事故を起こしてしまいました。

うっかり手を滑らし、床に落としてしまった。 横からLCDがはみ出し、「えっ!」と思ったら案の定。何度か付け外ししたせいで両面テープの接...

横のカバーがあれば、LCDが外れたとしても外に飛び出してしまうことはなく、フレキ基板が切れてしまうことはなかったのではないかと思います。

そこで、横もカバーできるケースを作りました。なお、最近はカバー付きのものも販売されているようです(未入手のため、詳細はわかりません)。

3Dプリンタを使った自作例もたくさん見かけるのですが、残念ながら3Dプリンタは持っていません。しかし、代りにこれまでの頒布キットでプリント基板を使ったケースを作ったことが何度かありますので、その経験を活かしてプリント基板によるケースを作りました。ちなみに、NanoVNAに付いている上下のカバーもプリント基板を使ったもののようです。

また、基板の「空き地」を利用して、L/Cの測定アダプタも作ってみました。

NanoVNA本体に直結でき、測定対象のLやCを端子に挟み込んで固定できます。基板上のジャンパでOpen、Short、Loadの切り替えができるようになっているので、キャリブレーションも容易です。

特徴

  • プリント基板(ガラスエポキシ基板)を利用したケースでかなり丈夫
  • 横方向もカバーされる
  • ストラップホールもある
  • L/C測定アダプタもある(オプション)

要するに横方向もカバーされるというだけのものですが、これによってホールド感が非常に良くなります。

なお、構造上、横カバーは若干奥に引っ込んでいます。

手元にNanoVNAが二つあるのですが、両者を比べるとわずかにサイズが異なっていました。

Twitterで、NanoVNAの白の方だと300MHz辺りにヒゲが出るとの話があった。 ということで、比較してみる。 条件 使用...

これら二つに対応できるように設計しています。しかし、これら以外は未確認ですので、数多くあるクローンの中にはサイズが合わないものもあるかもしれません。

上下のカバーは両面全面に銅箔層があります。手元の黒のNanoVNAの上下カバーには銅箔層があり、白の方にはありませんでした。ここは黒の方に合わせてみました。

製作編

ここでは、本ケースを組み立てる際に注意すべき点について記します。

いきなり作り始めず、まずは、全体の流れを掴んでください。手順のイメージが掴めてから始めた方がスムーズに進むと思います。
写真の一部は試作段階のものもあり、頒布品とは若干異なっているところがあります。ご了承ください。

基板の分割

最初に、基板を分割します。手で曲げれば簡単に割れますが、案外硬いです。部品の一部には細い個所もあるので、そこを割らないように気をつけてください。

【修正基板】※初ロットのみ※

仕上がった基板を組んでみたところ、スイッチ周りなどの穴サイズを多少調整したくなったので、それを追加で作りました。こちらを使ってください。こちらには、横カバーにストラップ用の穴も追加しています。

分割したら、バリをヤスリで削ります。長いバリはニッパ等で切り取っておくとヤスリがけが楽です。使い古して切れ味の悪くなったニッパで充分です。あるいは、100円均一のものとか。よく切れるニッパをこういうことに使うのはもったいないので。

誤って必要な突起を切り取らないように注意してください。

ついでに、上下カバーのエッジを軽くヤスリがけしておくと、手に持ったときの感触が良くなります(そのままだと切りっぱなし状態でエッジが立っているため、持ったときにちょっと痛い)。

ヤスリがけの際には、粉塵を吸い込まないように。また、ヤスリがけが終ったら粉を拭き取っておきます。私は水洗いしています(簡単なので)。

仮組み

基板の分割が終ったら、NanoVNA本体を入れずに、ケースだけで仮組みしてみます。

四枚の横カバーの内、三枚には裏表・上下があります。「Top」書かれているものが内側の上です(外からは「Top」が見えない状態)。もう一枚は表裏も上下も無関係です。

突起が穴に上手く入らない場合は、突起をヤスリで削って調整します。

基板製造の限界のためか、四角であるはずの穴は角が丸くなっています。穴を調整するのは難しいので、突起の角を軽く削ってやります。

また、突起の根本も直角にはなっておらず、わずかに裾が広がったようになっています。このために収まりが悪いようなら、ここもヤスリで削っておきます。

あまり緩くする必要はありません。削り過ぎて緩くなってしまうよりも、多少きつ目くらいの方が良いだろうと思います。

上手く収まるようになったら、ばらして粉塵を拭き取っておきます(濡らしたティッシュペーパなどで)。

本組み

まず、NanoVNA本体の上下カバーを外します。

下の写真のように、上カバーを裏返して置き、そこにコネクタなどの穴が開いている二枚の横カバーを取り付けます(Topの文字が下になります(上下逆))。

NanoVNA本体を滑り込ませます。SMAコネクタとマルチファンクションレバーがあるので、この順でなければ組み立てられません。

残りの二枚の横板を取付けます。

ストラップを取り付ける場合は、横板の穴にストラップを通して、金属のスタンドオフに引っ掛けます。下の写真では、ストラップではなく、液晶クリーナを付けています。スタイラスペンをぶら下げておくのも便利かもしれません。

下カバーを被せます。

ネジ止めは上カバーから行います。バッテリを貼り付けているクッションが厚めの場合は下カバーに当たってしまうためです(手元の白NanoVNAがそうでした。下カバーはその分だけ歪んでいました)。そのため、このケースでは、横カバーを若干大きめ(高さ方向)に作ってあります(金属のスタンドオフよりも少し長くなっています)。上カバーからネジ止めすることで、上の高さを決めてるわけです。文章で説明するとわかりにくいですが、要するに上を先にネジ止めすることを想定して設計しているということです。

上カバーのネジ止めが終ったら、続いて下カバーをネジ止めすれば完成です(この写真はストラップを付けていないときのものです)。

【ネジに関する補足】

上にも書いたように、NanoVNAのクローンには種々のものがあります。使われてるネジも様々です。手元の二台のNanoVNAの内、一台では低頭ネジが使われていました。そのため、本ケースに使った場合には、元々の状態と同じように収まります。

もう一台の方には皿ネジが使われていました。この場合は、収まりがよくありません。

元々の状態は、上カバーと下カバーとで収まり具合が違っていました。

上カバーは頭の飛び出した小さく収まっていますが、下カバーは飛び出した状態です。これは、上カバーの穴が大きめに開けられているためです(だたし、どういうわけか四つ中三つだけが大きめで、一つは通常サイズであるためそこはネジ頭が飛び出しています)。

皿ネジを上手く収めるには、このように穴を大きめにするか、または、適切にザグるか検討してください。なお、本ケースのネジ穴はわずかに楕円になっています(手元の白と黒のNanoVNAのネジ位置が微妙に違っており、その両方に対応させるため)。

また、トラスネジに替えたというユーザさんもいらっしゃるようです。

オマケ

LCDの枠のところの縁を黒く塗ると少し見やすいような気がします。

  • 塗る前

  • 塗った後

気のせいくらいのようにも思うので、お好みで。もし塗るなら、ケースをばらしてから行ってください。組んだまま行うと液晶パネルにも色が付いてしまうでしょうから。

L/C測定アダプタ(オプション)

ケース用の基板を作った際に「土地」が余ったので、L/C測定用のアダプタも作りました。

回路図等

基板上でOpen、Short、Loadの切替えができるようにしています(ジャンパ)。回路図を見ての通り、Openではどこにもつながってません。ピンを実装しなくてもよいのですが、そうすると測定時にジャンパの置き場所に困る(無くしそう)のでOpenの場所も作っています。

被測定物を接続する端子には、プッシュ式ののワンタッチターミナル、スクリューターミナル、8-pin DIPソケットの三種類が実装できるようにしています(どれか一つに決めて組み立てる)。部品セットにはワンタッチターミナルを入れています。他のものを使いたい場合は、ご自身で用意してください。

このワンタッチターミナルはスプリングがかなり固くしっかり挟み込んでくれるようです。しかし、反面、押し下げるのにかなりの力が必要で、操作性はあまり良いとは言えません。

構造上、高い周波数での精度は期待できません。HF帯で使用するつもりで作ったものです。

【部品表】

部品番号 部品名 定数等
J1 SMAコネクタ オス
J2 ピンヘッダ 2×3
(J3) 8-pin DIPソケット なし
J4 2-pinターミナル ワンタッチ式
(J5) 2-pinスクリューターミナル なし
R1 抵抗 100Ω 1%
R2 抵抗 100Ω 1%
ジャンパピン
ゴム足

組立て

何も難しいところはないと思います。部品を取り付けてハンダ付けするだけです。

ジャンパの脇にピンの並び順に合わせて「LSO」と記載しています。

裏にもOpen、Short、Loadと記載しています。

基板の端にゴム足を貼り付けます。これで、NanoVNA本体に取り付けたときに高さが大体合います。

ゴム足はサイズに合わせて切って貼ってください。この高さのゴム足は細いものが見つからなかったので苦肉の策です。ご了承ください。

測定の様子

測定の前に、キャリブレーションを行ってください。基板上のジャンパピンを差し替えるだけでOpen、Short、Loadの接続ができます。しかし、これでは測定点でのキャリブレーションにはならない(数cmずれる)ので、多少インチキではあります。あまり高い周波数での測定でなければ大丈夫だと思いますが、気になるなら基板上ののジャンパは使わずに測定点でキャリブレーションを行ってください。

キャリブレーション終了後、測定時はジャンパピンはOpenの位置にセットしておきます(Openの位置ではジャンパピンはどこにもつながりません。挿さないのと同じですが、ジャンパピンをその辺に置いてしまうとなくしそうなので置き場所として用意しました)。

精度の良い測定を行うためには、キャリブレーションは測定範囲に合わせて行ってください。また、必要以上に測定範囲を広げないことも精度を高めるポイントです。
このアダプタはNanoVNAに直付して使用することを想定して設計していますが、同軸ケーブルを経由して使用することも可能です。もちろん、その場合は、その接続をした上でキャリブレーションを行ってください。

Lの測定

330µHのマイクロインダクタを測定してみます。比較として、DE-5000でも測定します。

  • DE-5000、1kHz

309.9µH。誤差±10%ですから、その範囲には収まっています。

  • DE-5000、100kHz

DE-5000では、100Hz、1kHz、10kHz、100kHzで測定できます。100kHzはこの測定器での測定上限周波数です。

271.4µH。周波数によってインダクタンス値が変化することがわかります。なお、データシートを見ると、測定条件は1kHzとありますので、それ以外の周波数で定格値を満たしていなくても仕方ありません。

  • NanoVNA、99.5kHz

NanoVNAの下限周波数が50kHzであるため、DE-5000との比較用として約100kHzで測定しました。

270µH。DE-5000での測定結果とほぼ一致しています。NanoVNAを使えばもっと高い周波数(=実際に使用する周波数)でも測定できるのがメリットです。

Cの測定

150pFのセラミックコンデンサを測定してみます。

  • DE-5000、100kHz

120.49pF。安物のコンデンサだったためか、精度が良くないようです。

  • NanoVNA、99.5kHz

123pF。こちらもだいたい一致しています。なお、測定中は、115~125pFくらいの範囲でパタ付いていたことを補足しておきます(スイープの度に結果が変る)。

チップコンデンサの場合は、先端の部分に置きます。

しかしながら置いただけでは上手く接触せずに測定できません。上から厚紙などで押さえつけるとなんとか測定できました。実用性には乏しいですが、できないこともないということで。

なお、この写真は試作基板です。頒布品では、端子間を狭めております。

オマケ基板

「土地」がもう少し余っていたので、テスト基板を作りました。

見た通りのものです。LPFやHPFのちょっとした実験ができると思います。SMAのエッジ用コネクタのパターンも付けてみました。

FAQ

液晶カバーはないの?

この液晶パネルは感圧式のタッチパネルです。アクリル板などで液晶をカバーするとタッチに反応しなくなります。適当な液晶保護シートを貼り付けてください。

L/C測定アダプタの抵抗はペア取りしてる?

100Ωの抵抗二本で50Ωを得ていますが、厳密に50Ωになるようにペア取りしたものではありません。そもそも抵抗の構造上、螺旋状のスリットを入れて抵抗値を調整しているため、高い周波数ではL分が無視できなくなります。より高精度を望むなら、RF用の抵抗を使ってください。しかし、上にも書いてあるように、測定ポイントとは少し離れた場所に付いているため、そもそもとして厳密なキャリブレーションにはなりません。抵抗だけに厳密性を求めてもあまり意味がないと思います。このアダプタで測定できるのは、検証はしていませんが、100MHz位までだろうと思います。

頒布

頒布品はキット(部品セット)です。完成品ではありません。
NanoVNA本体は含まれません。別途、ご用意下さい。NanoVNA本体の入手に貸しては、こちらの記事を参考にしてください。

NanoVNAには色々なバリエーションがあるのは以前書いた通り。バリエーションのうち、特に気になるのがRF部のシールドの有無。私が入手したも...

【注意事項】

  • 部品の調達の都合上、上の写真とは異なる場合があります。
  • コストダウンのため、ほとんどの部品は海外通販で調達しています。そのため、抵抗のカラーコード表示が読みづらい(印字が薄い、偏ったり潰れたりしている)ものがあります。何卒、ご了承ください。
  • 本機のマニュアルは当ページがすべてです。紙媒体はありません。また、本機は電子工作の経験がある程度ある方を対象としております。電子工作の基本については、こちらのページに参考になりそうなサイトなどをまとめてあります。

    参考になりそうなサイト 参考になりそうな書籍

  • 資源の有効活用のため、梱包材は再利用することがあります。ご了承ください。

  • 仕様や頒布価格は予告なく変更することがあります。
  • 本機の組立てや使用による怪我・事故等には責任を負いません。

【カラーバリエーション】

黒の他に白も用意しました(2019年12月26日)。

四色用意しました(2020年01月09日)。

今回は、黒と青を用意しています(2020年3月4日)。

申込みフォームに「第1希望」、「第2希望」として選択してください。第2希望がない場合は「なし」を選択してください。この場合は、第1希望のものが用意できなければ申込み自体をキャンセルとします。

【価格】

  • 頒布価格: 1,000円
  • L/C測定アダプタ: 300円(オプション)
  • 送料: 300円
  • 支払い方法: 銀行振込(楽天銀行、ゆうちょ銀行、ジャパンネット銀行)、PayPay

※L/C測定アダプタ単品での頒布はありません。

【申込みフォーム】

こちらにご入力いただいたメールアドレス宛に、追って、振込先等をお知らせします。入力ミスのないようお願いします。また、ここにご住所等は書かないようにお願いします。

このフォームでお申し込みいただいた時点では、注文が確定されるわけではありません。タイミングによっては、在庫が切れている場合もあります。自動注文システムではなく手動での対応ですので、何卒、ご了承下さい。

終了しました