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TTCW07 – モールス練習機

概要

音がきれいなモールス練習機です。これまでにTTCW020304、0506と、少しずつ改良してきました。そのTTCW06の頒布もだいぶ前に在庫が切れており、再頒布希望のリクエストをちらほら頂戴します。そろそろ再頒布の準備をしようかと思ったのですが、せっかくなら同じものを作るのも面白くない。ということで、若干ですが改良しました。

今回のポイントは、音をさらにきれいにしたこと、つまり、正弦波の純度を高めたことです。と言っても、発振器の後ろ(正確にはバッファアンプの後ろ)にLPFを入れただけです。しかしながら、TTCW06ですでに部品がギチギチに詰まっていましたし、かと言って筐体サイズを大きくはしたくないので、実装(部品の詰め込み)にかなり苦労しました(発振部のコンデンサはチップのMLCC(セラミック)で妥協しました。特段の問題はないと思います)。

機能面ではTTCW06と全く同じです。外観も印字を別にすれば区別がつきません。

【参考】

特徴・使い方

基本的なところは、最初のモデルのTTCW02から引き継いでおり、変っていません。

  • Twin-T発振回路を採用しており、比較的正弦波に近いきれいな音
    • LPFを追加し、さらに正弦波の純度が向上(今回のモデルの特徴)
  • 発振周波数は約600~850Hzの範囲で可変
    • 実測で500~900Hz程度(個体差あり)
  • 外部出力端子あり
    • 打鍵出力(オープンコレクタ)
    • トーン出力
    • 外部スピーカ(改造オプション)
  • 電源電圧は5V~13.8Vの広範囲対応
    • 基本は5V(内部動作電圧は3.3V)
    • 高めの電圧で使用する場合は大音量での連続音は避けること(レギュレータの発熱のため)
      • 高めの電源電圧でも、静かな室内で使うようなそこそこの音量なら、連続音でも問題はない
  • チップ部品はすべて実装済み
  • サイズ: 50x50x25mm(突起含まず)

使い方はシンプルです。正面パネルには電鍵の差し込みジャック(3.5mm)、電源スイッチ兼ボリューム、それと、電源のパイロットランプ(LED)です。

背面にはDCジャックと出力用のジャックがあります。DCジャックは2.1/5.5mm、センタプラスの一般的なものです。電源電圧は5VでOKです。13.8Vまで対応できますが、大音量かつ連続音で使うとレギュレータの発熱が激しいので注意してください。外部出力としては、キー(打鍵)とトーン(音声信号)があります。出力ジャックは3.5mmのステレオタイプで、先端がキー出力、リングがトーン出力、スリーブがグランドです。

参考として、発振波形の様子を下に示します。CH1が発振波形(バッファアンプ通過後)、それをLPFに通したものがCH2です。波高が小さくなっているのはLPFの通過損のためです。

もう少し詳しく、FFTしたものを見てみます。

LPFに入る前は、基音に対して、2倍音が-24.8dB、3倍音が-36.0dBです。

LPF通過後は、基音に対して、2倍音が-26.0dB、3倍音が-39.2dBです。23倍音、3倍音のどちらとも、LPFによって減少しています(スペクトラムの様子から4倍音、5倍音は減衰量がさらに多いことも見て取れます)。

こちらが実際の動作の様子(音)です。

打鍵で音が出るいわゆる「モールス練習機」は、タイマIC 555一つでもできてしまう電子工作の定番の一つです。しかし、本機はそうしたものとは一線を画す、かなり凝ったものです(そこまでやるか、というような)。リグのサイドトーンのようなきれいな音(あるいはそれ以上)で気持ちよく打鍵練習できると思います。

製作編

いきなり組み立てずに、一度、全体を通してご覧ください。流れを把握しておくと作業がスムーズだと思います。

以下の説明では、一部の写真はTTCW04/05/06のものを流用しています。ご了承ください。

回路図と部品表

回路図と部品表はPDFで用意しております。

部品についての補足

フィルムコンデンサは調達の都合によって下の写真のようにいくつかの色や形のバリエーションがあります。いずれも同じように使えます(この回路で使う範囲では)。キットにはどれが入るかは指定できません(この写真は例です。これ以外の場合もあります)。ご了承ください。

基板の分割

基板を分割し(手で曲げれば簡単に折れます)、バリをヤスリで落とします。長いバリはニッパ(使い古したものや百円均一のものなど)で切り取るとヤスリがけが少なくて楽です。ただし、くれぐれも必要な出っ張りを誤って切ったり削ったりしないよう注意してください。

削った後は粉を拭き取ってください。これまでの経験では、拭き取りよりも丸ごと水洗いするのが楽です。

ヤスリがけを少なくするために接続部分を非常に細くしているため、輸送(輸入)時に基板が割れて(分割されて)しまっていることがあります。どのみち分割して使うものですので、製作・動作には問題ありません。ご了承ください。

ケース仮組み

仮組みしてうまくはまることを確認します。とはいえ、中身が空の状態では、箱状に組み立てるのは結構難しいです。それぞれの孔と突起が上手く嵌合することを確認すれば大丈夫です。

ピッタリはまらない場合は、突起の付け根が直角になっていないためです(製造上の都合)。

少し丸みを帯びているのがわかるでしょうか?仮組みで隙間が大きい場合は、この部分を削って調整してください。まったく隙間なく完全にピッタリというのは難しいです。ご了承ください。

部品のハンダ付け

前述のとおり、チップ部品はすべて実装済みです(54点)。

ジャックやフィルムコンデンサなどは未実装ですので、それらをハンダ付けします。回路図のPDFに部品配置図も付けていますので、参考にしてください。

背の低いものから順に取り付けます。3.5mmジャック→2ピンコネクタ(スピーカ)→半固定VR→フィルムコンデンサ→VR→DCジャックの順が妥当かと思います。これはあくまで参考ですので、やりやすいように組み立ててください。

ジャック類やVRなど足が複数あるものは、まず、一つだけ仮付けして傾いていないか確認してください(傾いていれば修正)。問題ないことを確かめてから残りの足をハンダ付けします。

LEDは90度曲げて取り付けます。パネルを仮付けして現物合せすれば良いと思います。念のため数字で表すと、基板表面 (部品実装面) からパネルLEDの穴の中心までは10mmです。また、極性に注意してください。基板上に「+」と示している方がアノードです。

すべて実装し終えた状態がこちらです(前述のとおり、フィルムコンデンサの外観(色など)は異なる場合があります)。

スピーカの取り付け

リード線はスピーカの外側のランドにハンダ付けします。内側の方にはボイスコイルがハンダ付けされていますので間違えないよう注意してください。

動作確認

部品の付け忘れ、付け間違い、向きの間違い、ハンダ忘れ、ハンダブリッジがないかチェックしてください。また、電源とGNDがショートしていなことも確認します(電源スイッチを入れ忘れないように)。

スピーカ、キー、電源をつなぎ、電源スイッチを入れます。電源LEDが点灯するはずです。

ボリュームの位置は、とりあえず12時の位置くらいにしておきます。キーを押せばスピーカから音が聞こえるはずです。

動作しない場合、その原因の大半は(この節の冒頭にも書いたとおり)次の三つです。

  • 部品の付け間違い(向きの間違い)
  • ハンダ不良
  • ハンダブリッジ(ハンダくずの貼り付き)

ルーペなどを使ってじっくりと、焦らず落ち着いてチェックしてください。

ケース組立て

この順番通りでなければダメというものでもありません。ご自分のやりやすい方法で構いません。ここで示した順序は一例とお考えください。

まず、底板にビス(M3x10mm)を通します。

適当な当て板でビスを押さえます。天板を使うのが手っ取り早いです。

当て板を上手く使いながら机などの上に置きます。

スペーサを取り付けます。

底板と基板の向きに注意して基板を載せます。

スタンドオフを取り付けます。この時点ではゆるく締めておきます(ネジが落ちない程度でOK)。

基板を持ち上げつつ、後ろのパネルをはめ込みます。もし、底板の向きが間違っている(90度回っている)とパネルの突起と底板の孔の位置が合いません。

前面パネルも同様に取り付けます(ボリュームのナットとワッシャは事前に外しておきます)。LEDの頭を出しておくのを忘れないように。

ボリュームのワッシャとナットを取り付けます。あまり締め付けないでください。また、この時点でスタンドオフもある程度締め込みます。

スピーカをM2.5のビス、ワッシャ、ナットで上面パネルの裏にネジ止めします。

側板二枚(左右を間違えないように)立て、スピーカのコネクタを接続します。

あとは、天板を被せてビスで留めます。底板側のビスも少し増締めしておくと良いと思います。ボリュームの軸にツマミを差し込めば完成です。好みで底板にゴム足を貼り付けてください。

改造

外部スピーカ対応

右の側板には外部スピーカ用のジャックを取り付けられるようにしています。必要に応じてお使いください。ジャックは、MJ-355を想定しています。

まず、側板の目隠し板を取り去ります。マイナスドライバなどを隙間に差し込んでこじれば簡単に取れます。バリをヤスリで削り、ジャックが入るようにしてください。

ジャックの向きは、白い印刷に合わせてください(MJ-355の穴のセンタは部品のセンタからずれています)。中の部品と干渉しないように検討した位置と向きです。

スピーカの配線を切ってジャックに取り付けます。下の写真を参考にしてください。

コネクタを挿して、蓋を閉めて完成です(下の写真はTTCW06のものですが、本機TTCW07も同様に改造できます)。

出力信号レベル調整

出力信号レベル調整トーン信号の外部出力のレベルが高すぎるようなら、R17とR18の値を変えて適当に分圧してください。

R17もR18も基板上には1608Mサイズの抵抗を実装していますが、2012Mサイズのものが実装できるパッドにしてあります。

音量増大

もし、音量が小さすぎると感じる場合はR20を大きくすると音量が上がります(R19との比で増幅率が決まります)。150k~220kΩ程度にしてみてください。ただし、音量を上げた場合は、連続音での使用は注意してください(電源電圧が高いと電源レギュレータの発熱が大きくなります。5~7V程度での使用をお勧めします)。

ここも2012Mサイズのチップ抵抗が実装できるパッドにしてあります。

頒布

頒布品はキット(部品セット)です。完成品ではありません。

【注意事項】

  • 部品の調達の都合上、上の写真とは異なる場合があります。
  • ケースはプリント基板を利用して作ったものです。多少の色むら等があることがあります。
  • コストダウンのため、ほとんどの部品は海外通販で調達しています。そのため、部品の表示が読みづらい(印字が薄い、偏ったり潰れたりしている)ものがあります。何卒、ご了承ください。
  • 本機のマニュアルは当ページがすべてです。紙媒体はありません。また、本機は電子工作の経験がある程度ある方を対象としております。電子工作の基本については、こちらのページに参考になりそうなサイトなどをまとめてあります。
  • 資源の有効活用のため、梱包材は再利用することがあります。
  • 仕様や頒布価格は予告なく変更することがあります。
  • 本機の組立てや使用による怪我・事故等には責任を負いません。

【価格】

  • 本体: 3,200円
  • オプション(USB電源ケーブル): 120円
  • 送料: 280円
  • 支払い方法: 銀行振込

オプションのUSB電源ケーブルはこちらです。PCのUSBポートやUSB充電器などで使えて便利です。必要に応じてどうぞ。

【申込みフォーム】

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