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D5KB01 – DE-5000用電池内部抵抗測定アダプタ

概要・特徴

LCRメータ「DE-5000」で電池の内部抵抗を測定するためのアダプタです。

こうしたアダプタは、DE-5000のオプションのTL-21を改造したものや、その他の方法で作ったという記事が検索するとたくさん見つかります。詳細は試作時のこちらの記事をご覧ください。

本アダプタは、この試作を元にプリント基板化したものです。ALLPCB社から基板レビューのオファーを頂き、金フラッシュ仕上げで作成させてもらいました。

金フラッシュ仕様のため、端子はとてもきれいに仕上がっています。改めて、ALLPCB社に感謝します。

使用方法

基本

DE-5000の測定端子に挿し込みます。手前が部品側です。念たのめ、基板の裏には、+、-、Guardの印字を入れております。

測定モードはRp(または、Rs)にします(Autoでは測れません)。あとは、測りたい電池を接続するだけです。

測定結果は測定周波数に依存します。標準的な測定周波数が決まっているのかどうかわかりませんが、上の写真のバッテリの仕様書には1kHz時の内部抵抗が記載されていました(下の図)。仕様で13mΩで、測定結果が9mΩですので、このバッテリは問題ないということでしょう(ほとんど使用していないバッテリです)。

+と-端子がありますが、どちらをどちらにつないでも構いません(交流で測定しますので)。下の写真は上の測定時とは端子を逆につないだものです。

キャリブレーション

本アダプタを使ってDE-5000でキャリブレーションを行う場合、Open時は本アダプタのショートピンを抜いてください。そうしないと失敗します(FAILと表示)。Short時はショートピンを挿してください。また、測定時もショートピンを挿して使います。キャリブレーションのOpen時だけショートピンを抜きます

なお、上のバッテリの測定では、キャリブレーションしてもしなくても同じ結果(どちらも9mΩ)でした。

測定例

上の鉛蓄電池の他に、006P(アルカリ)を測定してみました。まず、使いかけのもの(まだ充分使用できる状態のもの)。1.3Ω程度です。

続いて、使えなくなった状態のもの。こちらは8.3Ω程度と、内部抵抗が大きくなっていることがわかります。

ちなみに、006Pは小さな電池が6本直列に入っています。そのため、内部抵抗は大きめです。

今回測定したものはどちらも6LR61で、LR61(単六)が6本入ったタイプでした。この他に、6LF22という、平たいLF22が積み重ねられたタイプもあります(手近にはなかったので写真は省略)。

この他に、単三アルカリで未使用のものが約80mΩ、同使用済みのものが約1.3Ωでした。18650(数年使ったもの(頻度は少ない)、フル充電)は約130mΩでした。これらはみのむしクリップを押し当てた状態で測定したので、当て方(接触状態)によって値が変化してしまいます。みのむしクリップを押し当てながら写真は撮るのは難しいので省略します。


【追記】

注意

  • 電池を電池ボックスに入れて測定するとその電池ボックスの接点の接触抵抗も含まれます。
  • 端子は上に書いたように金フラッシュ(無電解金メッキ)仕様です。金の層は極めて薄いため、抜き挿しの頻度が高いと金の層が摩耗するおそれがあります。
  • 本アダプタはDE-5000の測定端子に挿し込んであるだけで、特に固定はしていません。基板の厚さは1mmです(TL-21と同じ)。グラつきがあり、抜けやすいので気をつけてください(どの程度グラつくかは、1mm厚の厚紙を3つの山に切ってDE-5000に差し込むと想像がつくと思います)。DE-5000本体にしっかり固定できるものを望むなら、TL-21を改造するのが良いと思います。下の写真はTL-21との比較です。

製作編

いきなり組み立てず、最初に手順を一通り確認することをお勧めします。

回路図と部品表

簡単なものですので、ここにそのまま載せます。

部品番号定数等数量
C1, C21μF/フィルム2
R11M~2MΩ程度1
JP1ピンヘッダ2ピン1
ショートピン1
みのむしクリップ赤1
みのむしクリップ黒1
2芯シールドケーブル約50cm
熱収縮チューブ(色は適当。カバーの中に隠れる)適量
結束バンド1
基板1

組立て

最初に基板の端面をヤスリがけします(V-cutによる割基板のため)。

最初に基板上の部品(ジャンパピン、抵抗、コンデンサ)をハンダ付けします。コンデンサは寝かせて取り付けます(寝かさなくても構いませんが、背が高くて邪魔なので)。基板厚は1mmと薄いため、通常の基板(1.6mm)のつもりでハンダを流すと裏に多くはみ出しやすいです。

端子にハンダを飛ばさないように気をつけてください(マスキングテープで覆っておくと良いと思います – 後述)。

下の写真のようにケーブルを通し、1cmくらい被覆をむきます(芯線に傷をつけないように気をつけてください)。なお、一番端の穴はケーブル通し用ではありません。この点も要注意。

ケーブルの中は、赤・白の芯線とアルミシールド、ドレイン線(ドレン線)が入っています。アルミシールドは取り去ります(指で摘んで引っ張れば簡単に取れます)。各線を下の写真のように取り付けます。赤と白はどちらがどちらでも構いませんが、ドレイン線はGuardに接続してください。また、この写真のように端子をマスキングテープで覆っておくと、ハンダくずが付いたりせず安心です。

上の写真はケーブルのたるみを取ってありますが、ハンダ付けの際はたるませて行うほうがやりやすいと思います。ハンダ付け後にケーブルのたるみを取ります。

もう一方も同じように取り付けます。

この状態でケーブルの真ん中で切断すれば、ケーブルの長さを揃えられます。ケーブルが長すぎるなら適当に切り詰めてください(逆に、これでは短いようでしたら、別途用意してください)。

ケーブルを切断したら、忘れないようにすぐにみのむしクリップのカバーを挿しておきます。

ケーブルの被覆をむき、アルミシールドとドレイン線をカットします。余計なショートを避けるために、切断口を熱収縮チューブで保護します。赤と白の芯線は接続します。

みのむしクリップを取り付けます。

みのむしクリップのカバーを被せ、ケーブルを結束バンドで固定すれば完成です。基板が薄いので、結束バンドを締める際には力を入れすぎないよう注意してください(割れる可能性があります)。

本当は基板全体を熱収縮チューブで覆いたいところですが、端子を出すことができません。端子を出すように切れ目を入れて試したところ、加熱するとそこから裂けてしまいました。三回やって三回ともダメだったので諦めました。もし他の方法で保護するとすれば、UVレジンで固める方法が考えられますが、試していません。

応用(TL-21互換品)

ケーブルだけ取り付ければTL-21互換品になります。コンデンサの部分は適当なワイヤでショートします(ジャンパと抵抗は実装せずオープンのまま)。

トラブルシューティング

非常に単純なものですからトラブルは少ないと思います。

しかしまったくないわけでもなく、私がトラブったのはみのむしクリップでした。ケーブル固定のカシメを失敗して、ケーブルの中のシールドに食い込んでしまったようです。キャリブレーションが失敗するのでトラブルにはすぐに気づくのですが、その問題がどこなのかを見つけるのは大変でした。

頒布

頒布品はキット(部品セット)です。完成品ではありません。

【注意事項】

  • 部品の調達の都合上、上の写真とは異なる場合があります。
  • 本機のマニュアルは当ページがすべてです。紙媒体はありません。また、本機は電子工作の経験がある程度ある方を対象としております。電子工作の基本については、こちらのページに参考になりそうなサイトなどをまとめてあります。
  • 資源の有効活用のため、梱包材は再利用することがあります。ご了承ください。
  • 仕様や頒布価格は予告なく変更することがあります。
  • 本機の組立てや使用による怪我・事故等には責任を負いません。

【基板】

組立ての項にも書いたとおり、基板はV-cut仕様で製造したものです。基板の元々の場所によって割った面の場所が異なります。ご了承ください。

本基板はALLPCB社のご厚意によって金フラッシュ仕様で製造したものです。

【価格】

  • 頒布価格: 700円
  • 送料: 230円
  • 支払い方法: 銀行振込

【申込みフォーム】

※これは申込み専用フォームです。申込み以外(問合せ等)には使用できません。

こちらにご入力いただいたメールアドレス宛に、追って、振込先等をお知らせします。入力ミスのないようお願いします。また、ここにご住所等は書かないようにお願いします。

このフォームでお申し込みいただいた時点では、注文が確定されるわけではありません。タイミングによっては、在庫が切れている場合もあります。自動注文システムではなく手動での対応ですので、何卒、ご了承下さい。

※終了しました

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