自作ダミーロード、3GHz、10W

50Ω・10Wの高周波用チップ抵抗を使用したダミーロード。

SMA-PとSMA-J、要するに、オス・メスの両方のコネクタを載せてみた。どっちか一つで構わないのだけど、せっかく広いので。もっと増やしてもいいのだけど、特段のメリットはなさそうなので二つ。

いきさつ

実はこれ、先日、アルミ基板で作って全然ダメだったものの雪辱戦。

先月のALLPCBの無料クーポンでアルミ基板を作ってみた。 アルミ基板ということは放熱能力が高いわけで、「これはダミーロ...

今度は普通のガラエポ基板で、金属の表面積を稼ぐために全面をスルーホールにしてみた。本当なら熱設計をやるんだろうけど、そういう知識はないので、単純に基板サイズは100x100mmで、スルーホールの大きさは2mmにしてみた。この他、チップ抵抗直下とその周辺は0.3mmのスルーホールをたくさん。

ガラエポ基板で再設計を始めたときには、放熱効果を考えたら基板の中心が良いだろうと思ってコネクタをセンタに配置して設計したのだけど、よくよく考えるとチップ抵抗自体が中心に配置されるわけではない。チップ抵抗を置いた方向に熱は伝わるだろうから、主にそちら側の半分だけが放熱器として機能しそうに思えた。ということけで、結局は元の配置に戻した格好。

また、中心導体は極力短い方が良いと気づいたので、チップ抵抗の配置はそのように(詳細後述)。

使用するチップ抵抗は秋月電子で販売されている「高電力RF終端器 10W50Ω 3216」というもの。仕様は、定格電力10Wで、VSWRは3GHzまでが1.2、10GHzまでが1.5。

組立て

チップ抵抗とコネクタを付けるだけと考えると簡単そうだけど、実際にはかなり難しい。私がこれまでに作った基板の中で最も実装が難しいんじゃないかと思う。

まず、コネクタの中心導体を短く切る。これは配線をできるだけ短くしたいから。大体2mm程度に。基板とで現物合せで確認。

ここでは足の長さの確認だけ。ハンダ付けは後で。

先に、チップ抵抗を実装。

上の写真はチップ抵抗を裏返した状態。チップ抵抗の端子間ギャップは0.3mm。基板のランドのギャップは、抵抗のデータシート通り0.4mmで作ってある。チップ抵抗のサイズ自体は3216M(3.2×1.6mm)の大きなものなのだけど、このギャップが狭いのでランドに正確に乗せるのが大変。ずれるとショートする。

ランドの広い方に薄っすらと予備ハンダして抵抗を慎重に乗せ、ハンダコテで温める。と言っても、これがまた難しい。基本的に放熱器として作っているわけなので、コテの熱が全部持っていかれる。結局、太めのコテを二つ使ってなんとか仮付け。

が、しかし、良く見れば浮いている。これじゃダメなのでやり直し。

なんとか修正できた。この時点でテスタで抵抗値を確認し、ショートしていないことを確かめる。ハンダがきれい流れていないけど、それは後で直す。とにかく、今は位置決めが重要。余談ながら、抵抗値は51Ω程度だった。

二本のハンダコテとフラックスを使って、コネクタの足にハンダを流す。裏面もわずれずに。チップ抵抗も本付け。

写真を撮ってみたらちょっとボッテリ気味なことがわかったので、このあと、フラックスを塗ってもう一度コテを当てて余分なハンダを取り除いた。

再び、抵抗値をチェックし、ショートしていないことを確認。

動作確認

特性

S-A-A-2を使って、3GHzまで測ってみる。

まず、SMA-P側。

3GHzでVSWR 1.05未満。それ用の抵抗だけあって、さすがに素晴らしい。もっと上まで行けるのだろけど、これより高い周波数で測れる道具を持っていない。もう一つ残念なのは、コネクタの実装が傾いてしまっていること。直すのはものすごく大変そうなので諦める。

続いて、SMA-J側。もちろん、同軸ケーブルの先端でキャリブレーションを行ったが、その際には、SMA-J – SMA-Jの変換コネクタを使用したので、その分の誤差が生じる。

こちらも、最も高いところでもVSWR 1.05未満。

負荷実験

430MHz、10Wで1分間送信してみる(1.2GHzでやってみたいけど、10W機を持っていないので)。定格一杯の10Wで使うのはどうかとも思うけど、異常が起きないかどうかの確認ということで。

送信すると基板が結構温まるけど、それよりもコネクタがものすごく熱くなる。基板よりもコネクタの方に熱が行ってしまうようだ。とはいえ、動作自体には特段の問題はないみたい(両方のコネクタ共)。

負荷実験後にも特性を再測定してみたが、変った様子はない。というか、実は上のVNAでの測定写真は1分間の送信テスト後のもの(送信前のものは写真と撮りそこねた)。素子(抵抗)はしっかり持ちこたえてくれているようだ。

長時間の使用には不安があるけど、短時間なら問題なく使えそう。


頒布

このダミーロード、自分の興味に任せて作ったものですが(全部そうですけど)、基板が余っているので頒布します。相当特殊なものですが、興味があればこちらをご覧ください。5セット限定です。

概要・特徴 GHz帯で使用可能なダミーロードです。実測でVSWR 1.05以下≦3GHzでした。それ以上の周波数では測定できる機器を...
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