DSO Shell(DSO150)の電源改造

格安オシロスコープDSO Shell(DSO150)をモバイルバッテリで動かす話はこちらの記事に書いた。

DSO Shellはハンディサイズのオシロスコープだけれども電池が内蔵されておらず、そのためACアダプタなどが必要なのが難点。検索してみる...

今回は高い電圧で動かすための改造。

DSO Shellの電源は定格DC 9V。上限は10V、下限は8V。アマチュア無線をやっていると、12Vとか13.8Vの方が馴染み深いが、それをうっかりDSO Shellにつなぐと壊してしまう。DSO ShellのDCジャックが極一般的な2.1/5.5mmなので、いつかやってしまいそうで怖い。

というわけで、13.8Vでも動かせるようにするというのが今回の話。

DSO Shell(DSO150)の電源周りの回路

まず、DSO Shellの回路を調べる。公式サイトで回路図が公開されているので、そこから引用する。

電源の入り口は、メインボード

DCジャックから入って、D2を経由し、3.3Vのレギュレータに入っている。D2は電源の逆接続時の保護だろう。

また、アナログボードでは、+5Vと-5Vを作っている。

負電源を作るための電圧コンバータICL7660の上限電圧は10V。DSO Shellの上限電圧が10Vなのはここから来ているのだろう。

また、78L05のドロップアウト電圧は1.7Vなので、最低でも6.7V必要。電源の入力直後にあるD2の1N4007の順電圧が1.1Vだから、それと合せると、入力電圧は7.8Vが最低限(typ.値で)。DSO Shellの電源電圧が8V以上なのはこのため。

電源回路検討

要求仕様は以下。

  • 13.8Vで使えること
  • 元の仕様通り、9Vでも使えること

これを満たすように考えると、まず、D2を外したい。そうすれば1.1Vの余裕が生まれる。しかし、それだと電源を逆に接続した場合の保護がなくなる。

ならば、順電圧が小さいショットキーバリアダイオードに変える。大体0.5V程度なので、その分を差し引くと余裕は0.5V程度。したがって、ドロップアウト電圧が0.5V程度までのレギュレータがあれば、上の要求は満たせるはず。

という条件で探して見つけたのが、PQ20RX11というレギュレータ。ドロップアウト電圧は、0.5A出力時で最大0.5V。

ショットキーバリアダイオードは、手持ち品の1N5819。順電圧は、0.1A時で最大0.34V、1A時で0.6V。

DSO Shellの定格は、9V時で120mA程なので、この組合せなら要求仕様を満たせそう。

回路自体は、極普通のもの。出力電圧を決める抵抗はR1とR4。それぞれ、直列・並列の組合せができるようにしておく(中途半端な抵抗値を作りやすいように)。出力電圧の計算式は以下の通り。

\(
Vout = V_{ref} \times (1+\frac{R4}{R1}) \\
V_{ref} : 2.64V(typ), 2.574V(min), 2.706V(max)
\)

R1が1kΩ、R4が2kΩだとこうなる。

\(2.64 \times (1+\frac{2k}{1k}) = 7.92\)

9V入力でショットキーバリアDで0.5Vほど落ちて8.5V。これがPQ20RX11の入力電圧なので、7.92Vならドロップアウト電圧の0.5Vは確保できるから、ちょうど良さそう。

動作電圧の下限を9Vではなく、8.5V程度までにするなら、出力電圧を7.5V以下(かつ、7V以上)になるように抵抗値を決める。2kΩに24kΩ程度をパラ(R2、R3を利用)にして少し下げるとか、あるいは、1kΩと560Ωの組合せにするとか。まぁ、このままでも入力電圧が下がれば、その分、出力電圧は下がる(つまり、計算値よりも小さくなる)ので、動作すると思うけど。ともかく、そのあたりは作って様子を見て考える。

実装

早速、基板を起こして実装。

出力電圧は約7.8V(テスタの表示で7.83V)。入力電圧は13.8Vでも9Vでも出力電圧変らない(当たり前だけど)。

DSO Shellに組込み。メインボードのD2(1N4007)を外して、そこにこれを配線する。

裏から見ると取り付けネジが見えるけど、皿ビスにしたので飛び出しはない。

これで13.8Vを接続しても問題なく使えて安心。9Vでも動くので、モバイルバッテリ+昇圧モジュールもそのまま使える。


頒布

基板を作ったので頒布します。詳細はこちらをご覧ください。

概要・特徴 低損失可変レギュレーター「PQ20RX11」を使用した低電圧基板です。格安オシロスコープDSO Shellに組み込む目的...

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