Bias-Tを測定中、うっかり電源を入れてしまった。「あっ!」と思ったけど、後の祭り。電圧がかかったのはCH1(RX)側。
S21 Gainが0dBにならず、0.25dBくらいの下駄を履いたような状態になってしまった。キャリブレーションしてこの状態なので、やっぱり壊れてしまったようだ。
GitHubにあるNanoVNA H4の回路図を見ると、そのあたりの回路はこうなっている。
これからすると、R24の56Ωが焼けてしまっていると考えられる。大雑把に電圧を14Vとすると\(14^2/56=3.5[W]\)なので間違いないだろう。R22-R25-R23も定格を超えてしまっていると思う。\(I=14/(240+49.9+240)=0.0264[A]\)なので、\(I^2 \times 240=0.1673[W] \)だから、1/8Wのものであれば超えている(燃えるほどではないと思うけど)。49.9Ωの方は、240Ωのざっくり1/5なので大丈夫だろう。SA612もコンデンサ(C17、C18)のお陰で守られているはず。
ということで、現物チェック。シールド板を外したところ。
R24付近を拡大。
やっぱりR24の「560」の真ん中が焦げているように見える。
ところで、R25の「68X」ってなんだろうと思って調べてみたら、どうやらこれはEIA-96表記らしく、これで49.9Ω 1%ということのようだ。
こうした一覧表を見ない限り、わからないな、こりゃ。いずれにしても、ここの定数は回路図と一致していることが確認できた。
ということで、56Ω 1%(1608M)を取り寄せて交換。
ありゃ、基板にずいぶん傷が入ってしまった…。
ともかく、特性チェック。
VSW がちょっと高いように思うがこんなもの?S21 Gainの下駄問題は解消した。
念のため、CH1のオープン、ロードのの状態でのS21 Gainもチェック。
- オープン
- ロード(50Ω終端)
600MHz位まではどちらも-60dB以下、1200MHz付近で-40dB程度。これもこんなものか。
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