アンテナ、エレメントの太さの影響

アンテナのエレメントに使うワイヤはどのくらいの太さがいいのか、のようなツイートがあって、「波長に対しての割合で影響するのでHFなら多少の違いは誤差の範囲」のようなコメントをした。話としてはそれで合っていると思うけど、実際のところはどのくらい影響があるのかと興味が出てきたので、MMANAを使ってシミュレーションしてみる。

基本条件

  • λ/2ダイポール
  • SWRの基準は75Ω
  • 最適化も75Ωに対して実施
  • 自由空間

また、エレメントの太さは直径で、単位はmm。

HF 7MHz

HFの代表として。

無損失ワイヤ

1mm

0.1mm

10mm

100mm

銅線

1mm

0.5mm

0.3mm

0.2mm

0.1mm

2mm

3mm

10mm

アルミパイプ

10mm

100mm

VHF 50MHz

銅線

1mm

3mm

アルミパイプ

10mm

20mm

UHF 430MHz

銅線

1mm

3mm

アルミパイプ

10mm

まとめ

SWRが1.5未満の範囲(帯域幅)を表にまとめる。エレメント直径の単位はmm、帯域幅の単位はkHz。

  • 7MHz
エレメント直径 無損失ワイヤ   銅線   アルミパイプ
0.1 202 159
0.2 221
0.3 231
0.5 241
1 252 257
2 277
3 290
10 346 347 347
100 566 567
  • 50MHz
エレメント直径 無損失ワイヤ   銅線   アルミパイプ
1 2343
3 2783
10 3585
20 4306
  • 430MHz
エレメント直径 無損失ワイヤ   銅線   アルミパイプ
1 31428
3 39505
10 62902

これで見る限りでは、エレメントの材質による影響は大きくはない。ただし、0.1mmのように極端に細くなるとインピーダンスが下がらない。多分、導体の抵抗の影響だろう。直下型ATUならマッチングは取れるだろうけど、放射効率が落ちるんじゃないかな?そのへんを考えれば、下限はざっくり0.3mm程度か?

7MHzで見れば、太さが0.5mmで帯域幅は241kHz、1mmでは257kHz、2mmなら277kHz。この差を大きいと見るか、小さいと見るか。10mmなら347kHzなのでだいぶ違う。ただ、10mmのパイプで長さが10mを超える(しかも左右で二本)となるとそれはそれで難しい。

さらに100mmの太さなら帯域は560kHzを超える。とはいえ、1mmの場合と比べて二倍強。太さが100倍になったからと言って帯域が100倍になるわけでではない。

また、エレメント直径1mmと3mmとで各周波数での帯域幅への影響をまとめるとこうなる。

7MHz 50MHz 430MHz
帯域幅(直径1mm) 257 2343 31428
帯域幅(直径3mm) 290 2783 39505
帯域幅増加幅 33 440 8077
帯域幅増加率 13% 19% 26%

やはり、周波数が高い(波長が短い)方が太さによる影響は大きくなるが、7MHzでもそれなりの影響はあるようだ。とはいえ、0.2mmでも幅は221kHzと、アマチュアバンド幅よりも広い(あくまで、フルサイズダイポールでの話ではあるけれど)。


つづき。

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