UV-5Rの分解 ~ ファイナルトランジスタが違った

ちょっと思うところがあって、UV-5R(BaoFeng製)を久しぶりに分解した。そして良く良く中を見てみたところ、ファイナルトランジスタ(終段管)の品名が思っていたものと違っていたという驚愕の事実が発覚。それは後で書くとして、まずは、この機会に分解手順をまとめておく。実際に搭載されていたファイナルトランジスタの写真もこの後で。

分解

筐体のビス

バッテリを外し、筐体裏の四本のビスを外す。

外すのは上の写真の矢印で示した黒いビス。トルクスネジかな?手元にあった三角ネジ用ドライバでも上手く回せた。

上の二本は長く(L)、下の二本は短い(S)。再組立ての際に間違えないように。

なお、プラスネジはベルトクリップ用なので外す必要はない。

コネクタ等のナット

ボリュームのつまみは引っ張れば外れる。このボリュームとアンテナコネクタのナットを外す。専用の工具があればよいのだろうが、持っていないので、小さなラジオペンチで回した。

ケガキコンパスでも回せる。一番使いやすかったのは、真ん中の先が曲がったラジペン。

カバーを外す

ネジとナットを外せは、カバーが取れる。

下の方から持ち上げるように。左右からかなりぎっちり挟まっている感じ。イヤフォンマイクのコネクタが引っかかりやすい。その場合は、横に広げてやると外れやすくなる。

スピーカは前面カバー側に接着(?)されており、ケーブルはハンダ付け。コネクタではない。あーだこーだやっていると、ケーブルが切れやすいので、充分注意するか、いっそのこと、先の外してしまう方がいいかも。または、切れたら諦めてハンダ付けし直す。

ここまでは、保証認定を受けるために何度か分解したことがある。今回は、この先、基板の裏も見てみる。

基板の裏側

液晶パネル

液晶パネルは下側の二本のビスで固定されている。上側は基板のエッジに引っ掛けている構造。

慎重に外す。

アンテナコネクタ固定ビス

アンテナコネクタが二本のビスで筐体に固定されているので、これを外す。

基板固定ビス

基板は五本のビスで固定されている。

これらのビスは、液晶パネルを固定していたものよりは短い。再組立ての際、要注意。

基板取外し

基板を固定しているビスと、アンテナコネクタを固定しているビスを外せば、基板は外せる。基本的には上に持ち上げるのだけど、筐体とバッテリ用のコネクタで接続されているのでやや硬い感じを受ける。また、アンテナコネクタ周りがやや複雑な構造で引っかかりやすい。慎重に持ち上げていけば外れる。

ファイナルトランジスタと筐体は、熱伝導ゴムで押し付けられている。その上の横長の黒い部分がバッテリからのコネクタ(ピンが四本出ている)。

主要部品

せっかく分解したので、基板裏側の主要部品の写真を。

ワンチップマイコン。

DSP。右上の「R25」の刻印があるのが2SC3356。

「H3」の刻印はHE3078。2SK3078の互換品らしい。

見たかったのは、このLPF周り。見ることはできたけど見たからと言ってどうにかできるものではなさそうなことがわかった。

ファイナルトランジスタ。あれ?RQA0009じゃない?「AFT504」との刻印を手がかりに探してみると、「AFT05MS004NT1」という品番のようだ。データシートはこちら。

刻印の説明は、18ページ。

ネット上で見つかるUV-5Rのブロック図には「RQA0009」と書かれているけれど、実際はそうじゃなかった。途中で設計変更されたのだろうか?ともかく、手元のものはこれだった。

調べてみると、AFT504をUV-5R用として販売している業者もあった。

とは言え、RQA0009もAFT05MS004NT1も概ね同じように使えるみたい。実験している方々のブログをいくつか。

大雑把には、AFT05MS004NT1の方が上位互換みたいな感じなのかな?

再組立て

見たいところは一通り見たので、元に戻す。基本的には、分解の逆の手順でOK。

注意が必要なポイントは大きく二つ。

一つ目は筐体と基板の接続コネクタ(バッテリ用)。見えない状況で差し込まなければならない。ぐらつく構造になっているので、バッテリ側から押さえて固定した方が嵌め込みやすいように思う。失敗するとコネクタが刺さらずに横に逃げた状態で嵌ってしまう。

注意しなければならない二点目は液晶パネルの取り付け。まず、パネの下のビスを忘れすに締める。そして、液晶パネルの接点は導電ゴムで接続されているので、基板側の接点はきれいに拭いた方が良いと思う。無水アルコールなどで。手持ちがなかったので、フラックス洗浄剤で拭いた。ゴム側は触らない方が無難だと思う。

液晶パネルを取り付けたら、この段階でテストした方が良いと思う。おそらく、点灯しないドットがあるはず。原因は導電ゴムが上手く接触していないこと。

電源を切り、この隙間に見えるピンクのゴムを細いもので少し押してやる。そして、再びテスト点灯。これを少しずつ繰り返していると、すべてのドットが表示されるようになるはず。こんな手順でやったけれど、もっと方法があれば、教えてください。

スピーカの配線も忘れずに。あーだこーだやっていたら切れてしまったので。

最後にカバーに押し込むところでは、イヤフォンマイクの蓋がちょっと鬼門。下の写真のように、基板側に蓋を付けてからカバーに押し込むと入れやすいみたい。

この写真のラジオペンチは撮影時に蓋を押さえるのに使っただけ。それ以上の意味はない。

カバーに収めたら、PTT等のスイッチが正しく押せるかも確認する。タクトスイッチのクリック感を感じられればOK。グニャッとしたゴムの感覚だけなら上手く収まっていないのでチェックする。

あとはすべてのネジを締めてお終い。

変更申請(届出)

さて、ファイナルトランジスタが免許を受けたものとは違っていたので、変更しなければならない。「終段管の変更」って届出いいんだっけ?ということで、調べてみる。

調べた結果、行き当たったのは「電波法施行規則別表第一号の三の第1の表21の項及び第2の表2の項の規定による許可を要しない工事設計の軽微な事項」。

上記ページから抜粋。

これの「3 空中線電力20ワット以下の送信機の部品に係る工事設計」に該当すると思うので、届出でいいはず。念のため、総通に電話して確認したところ、それで良いとのことだった。

ということで、変更した送信機系統図を添えて「電子申請・届出システム Lite」で届出を行った。

手続きから数日で、無事、審査完了。