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LPFS01 / LPFS02 – 144MHz帯・430MHz帯用LPF

概要・特徴

144MHz帯用と430MHz帯用のLPFです。カットオフ周波数は、ぞれぞれ、150MHz、450MHzで設計しました。

SMAコネクタですのでハンディ機に直結できますが、コネクタを基板に対して真っ直ぐ取り付けるのは残念ながら難しく、上の写真のようにやや傾いてしまいがちです。

通過特性とSWRの測定結果は次のとおりです(LiteVNA64で測定したものです)。

  • 144MHz帯用
  • 430MHz帯用

開発の経緯など詳しくはこちらをご覧ください。

144MHz帯用のLPFを装着すると430MHz帯の送受信はできません。
430MH帯用のLPFを接続した場合も同様で144MHz帯では使えなくなります(通過はしますが、スプリアスが抑えられません)。
したがって、LPFをつけた場合は、実質的にモノバンド機になります。
このLPFを使ってもスプリアスを規定以下に抑えられるという保証はありません(送信機やLPFの個体差によります)。また、JARDなどの保証を受けられるかはわかりません。

UV-K5にこのフィルタを付けてtinySA Ultraで実測したところ、433MHzの送信時に第6次高調波(約2.6GHz)の高調波がスプリアス規制値(-60dBc)を満たせませんでした。使用しているインダクタをLiteVNAを使って簡易的に測定してみると、下の図のように2.1GHz付近で自己共振を起こしており、これより上の周波数ではインダクタンスとして機能しません。2.6GHzのあたりではLPFとしては動作していないものと思われます。

【対策】

この問題に対処したLPFを作りました。こちらの写真の上のLPF450が従来のもの、下のLPF450aが新規に作ったものです。

特性の一例を示します。

こちらの記事も参考としてご覧ください。

UV-K5は個体差が大きいようです。このフィルタでも高調波を落としきれないものもあるかもしれません。逆に、これではなく、前のLPFでも十分なものもあるようです。

製作編

いきなり組み立てずに、一度、全体を通してご覧ください。流れを把握しておくと作業がスムーズだと思います。

回路図と部品表

回路図と部品は次の通りです。

LPFS01 – 144MHz帯用 / 430MHz帯用

本LPFの入出力は対称です。

品名数量備考
J1, J2SMA2オス/メスは希望による
回路基板(底板)1
天板1
側板2
熱収縮チューブ1

※上記の部品は150・450共通です。天板や側板は裏表で印字が違います。

C1C2C3L1, L2
150MHz22pF39pF22pF60nH
450MHz8.2pF15pF8.2pF20nH

C1とC3は同じ値です。サイズは2012M(0805)です。チップコンデンサの台紙に容量を書き込んでいます(読みづらいと思います。すみません)。外観からは区別がつかないので気をつけてください。

コイルは既製品です(自分で巻く必要はありません)。20nHは1.5回巻き、60nHは4.5回巻きです。

LPFS02 – 430MHz帯用(改良版)

本LPFのはJ1が送信機側、J2がアンテナ側です。

定数/品名数量備考
C1, C38.2pF22012Mサイズ
C215pF12012Mサイズ
C43.6pF12012Mサイズ
L1, L220nH2
L3, L49nH2詳細後述
J1, J2SMA2オス/メスは希望による
回路基板(底板)1
天板1
側板2
熱収縮チューブ1

チップコンデンサの台紙に容量を書き込んでいます。外観からは区別がつかないので取り付けるときに開封して下さい(絶対に混ぜないように)。

コイルは、L1とL2は既製品です。L3とL4のサイズは下の写真のとおりです。

ドライバの軸に巻きつけて作ったものです。ノギスの下にあるような形にして入れておきますので。適切な寸法で切って整形してください。

添付のコイルはドライバに巻いて概ねの形にしているだけのものです。正確な形状になっているわけではありません。切り分けた後、上の図に合わせて整えてください。シビアなものではありません。あのような寸法・形状になっていれば大丈夫です。細かく考えすぎないで大丈夫です。悩む方が多いようなので、以上、補足しておきます。

なお、当初、幅は2.7mmと記していましたが、測定ミスで、正しくは3mmでした。以前のものでもキットに添付してあるものは正しいサイズです(同じドライバを使っていますので)。

組立て

144MHz帯用のものも、430MHz帯用のものも、また、改良型の430MHz帯用も基本的な作り方は同じです。

基本

まず、ケース部材(基板)をバラします。手で曲げれば簡単に折れます。バリはヤスリで削ってください。ヤスリで削る前にニッパなどで切り落としておくと、削る量が少なくて楽です(まともなニッパを使うともったいないので、切れ味が落ちがものとか100円ショップなどの安価なものなどがおすすめ)。

元々は、こんな具合に多数がつながっているものなので、あちこちにバリがあります。ご了承ください。

また、サイドパネル(小さい板)は印字がない場合もあります。ご了承ください。

では、組み立てです。

最初にコンデンサをハンダ付けします。フラックスを洗浄するなら、コンデンサを取り付けた時点で一度行っておくと良いと思います。

コイルの足を90度に曲げます。コイル本体を伸ばしたり変形させないよう注意!向きは下の写真を参考にしてください。高さは基板から浮かない程度で(あまり浮かせると上蓋にぶつかります)。足はハンダ付けのパッドから飛び出さないように切り詰めます(下の写真はカット前)。

L1とL2の足は接触して構いません(回路図でわかるように、二つはつながります)。

コネクタをハンダ付けします。コネクタはマスキングテープを巻き付けておくと良いと思います(ハンダが余計なところにつくことを避けられますし、ハンダ付けでコネクタがかなり熱くなりますがテープで少しは熱さを避けられます)。

コネクタまで取り付けた段階で、LiteVNA等で特性を確認しておきます。問題があれば修正します(SWRが無限大ならおそらくハンダブリッジ、減衰特性がおかしければ部品の付け間違いなど)。このあと、ケースを取り付けるとバラすのは難しくなります。ケース取り付け後のほうが特性は良くなる傾向です。

なお、NanoVNAで測定した場合は高い周波数での特性が違って見えます(正しく測定できない)。詳しくはこちらをご覧ください。

430MHz帯用(改良版)補足

コンデンサの取付け、および、L1とL2の取付けまでは上記のモデルと同じです。

L3とL4は下の図のように整形します。コイルの上端から下端まで、すなわち、基板に取り付けたときの高さが5mmです(いろいろ試して、最終的にこの寸法にしました)。多少の誤差があっても特性に大きな影響はないようです。あまり神経質にならず、「大体こんな感じ」くらいで大丈夫です。

また、足の向きは写真のように、向かって右側が手前、左側を奥に曲げます。取付けパッドは小さいです(小さくしています)。そのパッドからはみ出さない長さに切ってください。

430MHz付近のSWRが高い(1.5~2程度)の場合は、経験上、L3とL4のサイズが大きすぎます。高さを少し低くしてみてください。また、大きく広がっていないか確認してください。2よりも高い場合はハンダ不良(つながっていない、ショートしている)や部品の付け間違いの可能性が高いです。

なお、このモデルもケースを取り付けると特性が良くなります(通過損失の減少、SWRの低下)。

上の写真からわかるように、このフィルタは向きを指定して作りました。試作段階で向きによって特性が違ったためです。しかし、完成後に改めて特性を調べたところ、どちらでも問題ないことがわかりました(試作段階の話は測定の問題だったのでしょう)。詳細はこちらの記事をご覧ください。

また、こちらも記事も参考んしてください。コネクタを傾かないように取り付けるアイデアもあり、おすすめです。

向き指示の印刷が邪魔なら黒マジックで塗りつぶしなどしてください。

【更新情報】

基板を追加発注した際に向きの表示は消しました。頒布のタイミングによっては向き表示のあるものとないものが混在します。ご了承ください。

ケース組立て

ケースには「LPF 150」と「LPF 450」と両面に印字しています。然るべき方が外から見えるようにして組みます。コイルが天板に当たらないか確認してください(もし当たってしまうようなら適宜修正を)。

輪ゴムで仮止めして何か所かハンダを仮付けします。

ハンダ付けのときに指で摘んで隙間ができないようにすると良いと思います(私は素手でやっていますけど、軍手などをはめたほうがいいかも)。

輪ゴムを外してすべての辺をハンダ付けします。

最後に熱収縮チューブを被せて完成です。チューブのはみ出しはハサミやニッパなどで適宜切って整えてください。

モニタとして先行で作ってもらった方のブログもあります。参考になると思いますので、合わせてご覧ください。

430MHz帯用(改良版 – LPF450a)の様子(コネクタ違いの二種類)と、従来版との比較を示します。

コネクタ

コネクタは二種類用意しています。

SMA-J + SMA-P

QUANSHENGのUV-K5などは、本体のコネクタがSMA-P(オス)です。したがって、これに直結するにはLPFのコネクタはSMA-J(メス)にします。また、アンテナ側はSMA-PにすればUV-K5の附属ホイップアンテナがそのまま使えます(ちょうど、本体とアンテナの間にLPFを入れる格好)。

SMA-J + SMA-J

LFPの出力もSMA-J(メス)にすれば、市販のアンテナなどをつなぐのに便利です。

注意

ユーザの方からコネクタの付け根の基板パターンが破断したとの事故報告がありました。コネクタ部に大きな力を加えないように注意してください。詳細はこちらの記事をご覧ください。

頒布

頒布品はキット(部品セット)です。完成品ではありません。
  • 部品の調達の都合上、上の写真とは異なる場合があります。ネジ類も同様です。
  • コストダウンのため、ほとんどの部品は海外通販で調達しています。
  • 基板に若干の色ムラがあることがあります。格安基板製造サービスを利用しているため、ある程度は仕方ないようです(ひどい場合は作り直してもらっていますが、ゼロにはならないみたいです)。より高品質な製造サービスならきれいに仕上がるかもしれませんが、コストが大幅に上ってしまいます。ご了承下さい。
  • 本機のマニュアルは当ページがすべてです。紙媒体はありません。また、本機は電子工作の経験がある程度ある方を対象としております。抵抗のカラーコードやコンデンサの値の読み方など、基本的なところの説明はしていません。電子工作の基本については、こちらのページに参考になりそうなサイトなどをまとめてあります。
  • 資源の有効活用のため、梱包材は再利用することがあります。ご了承ください。
  • 仕様や頒布価格は予告なく変更することがあります。
  • 本機の組立てや使用による怪我・事故等には責任を負いません。

【価格】

  • 頒布価格
    • LPF150(144MHz帯用): 550円
    • LPF450(430MHz帯用従来版): 550円
    • LPF450a(430MHz帯用改良版): 650円
    • コネクタに関して
      • SMA-J + SMA-J: +0円 – 市販アンテナはSMA-Pが多い
      • SMA-J + SMA-P: +50円 – UV-K5の付属ホイップアンテナがそのまま使える
  • 送料: 230円(1セットだけの場合は普通郵便(クッションなし、120円)でも可)
  • 支払い方法: 銀行振込

【申込みフォーム】

※これは申込み専用フォームです。申込み以外(問合せ等)には使用できません。

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