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スイッチング電源SPS-1332を買ってみた

以前、Amazonのセールで13.8V / 30Aの直流安定化電源を見かけて気になったのだけど、そのときは見送った。そのうち、出品自体がなくなっていて「買っとけばよかったな」と後悔していたら、復活。

7999円で、20%OFFクーポンまであるので、6399円で買える。以前のセール価格がいくらだったか覚えていないけど、これなら充分安いので購入した。

販売ページはこちら

開封・開腹

Amazon発送商品なのですぐに届いた。

内容物は本体の他に電源ケーブルとマニュアル(二つ折りのペラ一枚)。電源ケーブルはアース端子付きの3極タイプ。マニュアルは日本語(フォントは日本で使われるものとはちょっと違うけど)。

背面の出力端子はツマミ(ネジ)が抜けるタイプ。なので、丸いタイプの圧着端子などでも大丈夫。

フューズホルダには予備も入っている。

ここからは内部。本体横のネジ四本を外すだけ。

ケミコンは105℃品。

冷却ファンは温度センサ(?)経由。センサは放熱器にネジ止めされている。出力端子はフィルタと思われる部品が搭載された基板に付いている。

正面パネル側はLCD(電圧・電流計)の基板がある。こちら側の出力端子(バナナジャック)への配線は細め。

試用

では、実際に使ってみる。

出力電圧は13.7Vとの表示。手元のDMMで測って見たら13.77Vと出た。

TS-690で約50W送信。これで10A強。FT8での間欠送信だと電源の温度は温かくはなるけど熱くはならない。QSOは普通に問題なくできた。

JT65(45秒送信)でしばらくCQを出してみた。一番熱いのは底板。放熱器を兼ねているみたいだし。それでも触れないほど熱いということはない。この状態でも冷却ファンはまわない。

ちょっと気になったので販売者に質問してみた。以下、その回答(引用承諾済み)。

仕様です。静音性を優先するため、軽い負荷では冷却ファンが回らないように設定しております。
(昔はPOWERオン瞬間に回るようになっていましたが、多数のお客さんからのご要望で今の仕様に設計変更ました。)
本製品は25A連続、最大間欠出力が30Aがありますので、連続10Aで数分間だけではまだファン動作温度に達していません。
内部温度(センサーがトランスとヒントシンクについています)が50℃前後に達した時点でファンが回り始めます、
その後、温度が上昇に連れて回転速度を増していき、75℃前後でMAXの風量に到達します。
消費電力が大きいともっと早くファン動作温度に到達します、但し、その時の環境温度や部品の個別差などにもよります。
技術者の経験によると、10Aで数十分間連続使用後、ファンが動作するという。

なるほど。やはりそういう仕様だとのこと。詳しくわかりやすい回答で、すぐに返ってきたし、好印象。

普段はALINCOのDM-330MVを使っているのだけど、これだとFT8の運用でもそこそこ熱くなる(冷却ファンも回る)。SPS-1332のの方が熱くならない(しかも冷却ファンは回らない)。

ノイズに関しては、特に気になることはなかった。とは言え、デジタルモードでの運用なので、あまり本気で聞いてはいないのだけど。ノイズオフセットのボリュームを回してみたけど、ノイズには変化なし(この点はDM-330MVも同じ)。この機能は、多分、スイッチング周波数を変化させるのだろう。

PSEマーク

ふと気になったのがPSEマーク(電気用品安全法)がないこと。

これについても聞いてみた。

本製品はアマチュア無線通信機に使用する電源装置に当たりますので、対象外になります。
直流電源装置(交流電源装置と兼用のものを含み、定格容量が1kVA以下のものに限り、無線通信機の試験用のものその他の特殊な構造のものを除く。)

そうなのか。電気用品安全法で規定されている特定電気用品の一覧はこれ。

「無線通信機の試験用」に該当するのかなぁ?

検索してみたら直流安定化電源とPSEマークの関係について調べているブログがあった。なかなかはっきりとはしないようだ。

改めてDM-330MVのラベルを見てみたら、こちらにもない。やはりそういうものなんだろう。

SPS-1332、10A程度でしか使っていないけど、その範囲では満足。何しろ安かったし。注意点としては、30Aは連続ではない(間欠運用)こと。連続は25Aだと上の回答にあった。


【追記】 「10A流すと電圧が下がる」というコメントをもらったので、念のため測ってみた。

ビデオ開始後2秒くらいで送信。その後、数秒で送信終了。送信時は11Aくらい流れるが電圧は下がるということはない(1/100の桁は多少変動するけど)。このビデオでは数秒しか映していないけど、もっと長時間(FT8での通常運用や、JT65の45秒送信など)でもモニタしたが、同様だった。

周辺機器
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コメント

  1. 山本 隆 より:

     いつも読ませていただいています。私も今までALINCOのDM-330MVを使っていましたが、受信のみでも発熱してファンが回りますし、メーターや電圧を変更する抵抗が壊れるなど、ガタも来てました。そんな時に本記事を拝見して購入を決意、すぐアマゾンに申し込んで今日届きました。デジタルメータも見易いし、受信ではほとんど熱が出ず、これからの季節は重宝しそうです。
     ちょっとアレッ?と思ったのは、電源分配ボックスに付けているデジタル電圧計では送信時に10Aも流れるとそれに連れて出力電圧が下がりますし、テスターを当てれば端子の電圧が実際に下がっているのですが、本電源のデジタル電圧計は13.8V表示があまり下がりません。測定している場所が違うんですかね。
     お陰様でコスパの良い製品が入手でき、感謝申し上げます。ありがとうございました。また、BanggoodやAliExpressの無線関係格安製品を紹介してください。

    • jh4vaj より:

      10A流すと電圧が下がるというようなことはなかったと思うのですが、気になったので測ってビデオに撮りました。その様子を上の記事に追記しておきました。
      そこに書いておきましたが、こちらでは特段の電圧降下はありません。メーカに問い合せた方が良いかと思います。

      これからも色々書いていくつもりです。引き続きよろしくお願いします。

  2. 山本 隆 より:

     昨日書き込みをした山本です。不良品かと思いいろいろ調べてみたら、原因がある程度推測できました。私の無線機周り電源関係に電波の回り込みがあり、外付けのデジタル電圧計表示やDMMに悪さをしているとの結論です。電波が直接影響するのではなく、13.8Vの電源線に高周波が載ってしまったのでデジタル計器に影響が出たとにらんでいます。
     各種周波数で試験電波を出しながら電圧低下を確認することにし、アナログテスターを当ててみたら電圧はピクリとも動きませんでしたが、中華製の安物DMMもデジタル電圧計も軒並み1V以上電圧が下がって表示されました。本製品のメーターはシールドやフィルタなどの対策がされているのか、ほとんど表示の変化がありません。
     古い安定化電源では大電流を流すとそれなりに電圧低下があるものが多かったので、電圧低下は仕方がないものと思い込んでいたのですが、私の電波が電源関係に回り込んで各種のいたずらをしているのであれば、結果として質の悪い電波を発散しているんでしょうし、家電製品にも身体にも悪い影響があるように思います。コモンモードフィルターやパッチンコア、絶縁トランスを入れるなどの対策を考えてみます。
     お騒がせをして申し訳ありませんでした。また当方の勉強不足な疑問にもご指摘をいただき、ありがとうございました。この製品を買わなければ、さらにコメントをいただかなければ回り込みに気が付かずに電波を出し続けていたはずで、恐ろしいことと思います。自分の思い込みに流されず、日々環境の見直しに気を配らないとと感じました。