NanoVNAで高インピーダンスのものを測定する際には周りの影響が大きい

NanoVNAでkΩオーダの抵抗を測ってみたら、周りの影響が大きく、何を測っているのかわからない状態になった。発端はTwitterでのやり取りで、詳細は省くが、一つポイントを挙げると「1.8kΩの抵抗を測ったらインピーダンスがおかしい」という話。

ということで、手持ちの抵抗でこっちでもやってみる。使った抵抗は、秋月で入手した小型の1/4W金属皮膜抵抗の1kΩのもの。

測定周波数の範囲は50kHzから100MHz。レジスタンス(青、500Ω/div)は概ね一定で、リアクタンス(赤、50Ω/div)は周波数の上昇に伴って上がる。これだけなら「まぁ、そんなものかな」って感じだけど、これを出すのに苦労した。

というのは、このような測定では周りの影響を強く受けてしまうようだから。

まず、USBケーブルに近づくだけでも影響する。下は、USBケーブルに軽く触れた状態。

リアクタンスがぐにゃぐにゃ。こんなだから、実は、USBケーブルをつなぐだけでも影響大。さらに、NanoVNASaver(PCソフト)にConnectするとこれまた波形がぜんぜん変ってしまう。なので、ここでのキャプチャ画像は、PCに接続し、NanoVNASaverにConnectした状態でキャリブレーションを行ってから測定したもの。

話を戻して、周りの影響の続き。

影響が大きいのは同軸ケーブルを出た後のケーブルの形状。まず、上の測定時はこんな感じ。

ちょっと広げてこんな感じにすると、リアクタンスが大きくなる。

逆に狭めるとリアクタンスが負になる。

もはや、何を測定しているかわからない状態。

インピーダンスが大きい場合の方がこうした影響が強くなる。下は、1.8kΩの測定結果(AliExPressで調達したもの)。ノイズを拾っている感じがする。

USBケーブルに触れるとこう。

ケーブルの形を変えたり、被測定物に手を近づけるとぐちゃぐちゃになる。

一方、インピーダンスが低い場合はこうした影響は見られない(ぱっと見ではわからない)。50Ωの測定ではUSBケーブルに触ろうが、ミノムシクリップ周辺の形が少々変わろうがフラット。

測定対象によってはこうしたミノムシクリップなどで測定することになるけど、周りの影響には要注意(特にインピーダンスが高めのものを測るときには)。


【追記】

ミノムシケーブルを使わずに測定してみた。これなら、抵抗そのものの特性がよりちゃんと見えるはず(1kΩ)。

あれ?容量性リアクタンスに見えるのか…。寄生容量の方が支配的なのかな。そうすると、ミノムシケーブルの場合は、ミノムシ部分をぴったりくっつけた三つ目のものがより正解に近い?よくよく考えてみれば、キャリブレーション時はそういう形になっていたな。「誘導性リアクタンスに見えるだろう」との思い込みで、一つ目の画像が正しいんじゃないかと思ったけど、違うってことか。

ちなみに、マーカポイントの周波数(約50MHz)でのインピーダンスは複素表記で996.97-j91.62[Ω]。したがって、|Z|はこう。

\(|Z| = \sqrt{996.97^2+91.62^2} = 1001.17[\Omega]\)

(容量性)リアクタンスの影響はわずかと見ていいかな。

なお、この測定ではUSBケーブルに触ったりしても影響(変化)は見られなかった。被測定物に手を近づけたら影響は出るけど。

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