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白トカゲNanoVNAにシールド板を付けてみる

最初に手に入れた白いNanoVNA、RF部にシールドがついてない。しかし、シールド板を取り付けるためのようなパターンが付いている。

後から入手したシールド板付きのNanoVNAとでは、周波数が高い方、特に1000MHzを超えるところから大きな違いがあった。

NanoVNA、白黒比較
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これだけ違いあがあると、シールド板が付いていない方にも付けてみたくなるわけで、やってみることにした。

シールド付きNanoVNAをeBayで見つけた
NanoVNAには色々なバリエーションがあるのは以前書いた通り。バリエーションのうち、特に気になるのがRF部のシールドの有無。私が入手したものは残念ながらそれはなかった。 シールド板は外からは見えないので注文は博打みたいなものだけど、さっき...

改造前(シールド板なし)

まずは、改造の前に測定。キャリブレーションで使った「ロード」を取付けて50kHz~1500MHzを5分割スイープ。キャリブレーションも同条件で行った。なお、NanoVNA本体のファームウェアは0.2.3。

※クリックで拡大

下の二つは両方ともVSWRのチャート。右は縦軸(VSWR)の上限を3.0にしている。

理想的にはVSWRのチャートは1.0にべったり張り付いて欲しいところだけど、900MHzを超えた辺りから暴れが大きくなり、1300MHz位から上はひどい状態。その他、300MHz位を中心にSWRのカーブががやや盛り上がっている。

これが基準の状態。

シールド板取付け

こんな感じで付けてみた。とりあえずは、CH0側だけ。

使ったのは銅箔テープ。本当は銅板とか黄銅板がいいのだろうけど、わざわざ用意するのも大変なので、手持ちの銅箔テープで代用。ちょっと厚手の紙(カレンダ)に貼り付けて使った。両サイドを基板にハンダ付け。貼合せ部も念の為ハンダ付。前後、と言うか、この写真で左右方向の口は開放。境界部にカップリングコンデンサと思しきものがついており、それを避けてハンダ付けするのが面倒だったので。シールド付きのNanoVNAもそうだったし。

測定結果。

あれ?悪化している…。

念のため、この状態でキャリブレーションをやり直してから再測定。

少しマシになった。キャリブレーションを取り直さなきゃいけなくなったという言うことは、シールド板の効果と言うか影響はあるのは間違いない。しかし、マシになったとは言え、前より悪くなったのもこれまた事実。

他に気になっていたこととして、SMAコネクタの片側がハンダ付けされていなかったので、付けてみた。

これで測ってみたけれど、さすがに変らず。

CH1側にも同様のシールド板を設置たけれど、そもそも、CH0だけでの測定なので変化なし。画像省略。

シールド板を厚く

銅箔テープじゃ薄いのかと思い、試しに貼り重ねてみる。二枚で、少し変化があったように感じ、三枚まで増やした。

この状態でキャリブレーションを行って測定。

下は、SWRグラフを拡大したもの。

300MHzを中心とした盛り上がりは目立たなくなった(わずかに感じられるが)。しかし、900MHzより上は最初よりもやや悪化している。

グレーの縦帯はアマチュアバンド。144MHz帯まではかなりいい。430MHz帯もまずまずで、1.02程度には収まっている感じ。まぁ、無改造(シールド板なしの状態でもそうだった)。300MHz付近は確実に良くなっているが、アマチュアバンドとは無関係。強いて言えば、デジ簡帯かな?

もうちょっと詳しく、周波数を分割してみておく。それぞれ、その範囲でキャリブレーションを行ってから測定した。

1~60MHz

さすがにここは文句ない。

100~500MHz

144MHz帯、430MHz帯とも、VSWR 1.02以下。まぁ、いいんじゃなかろうか。

300MHzまでが基本波を使っており、それより上が高調波。それで、300MHzを境に様子が変っているのだろう。これについては、こちらの記事も参照。

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また、300MHzでヒゲが飛び出ているのは、NanoVNASaverのマルチスイープの境界によるもの。

1200~1500MHz

ここは厳しい。1200MHz帯の範囲でVSWRは1.5位まで上がっている。1200MHz帯用のアンテナアナライザとして使うには不充分だと思う。

まとめなど

シールド板を付けたことによる違いはあったが、残念ながら、劇的に良くなるということはなかった。もしかしたら、銅板や黄銅板を使えば違う結果になるのかもしれないけど。また、NanoVNAのシールドなしと言ってもいろいろなバリエーションがあるようなので、それぞれまた違った結果になる可能性もある(高いかも)。

ちなみに、こちらが以前測定したシールド付きの黒NanoVNAのVSWRのグラフ。

かろうじてではあるが、1200MHz帯まではVSWR 1.1程度に収まっている。

もしこれから購入するのであれば、シールド付きであることを標榜しているものを選択するのが無難だと思う。最安価格帯と比べるとやや高めだけど、違いはせいぜい1,000円程度だし。

私が購入したのは、こちらの記事の一番上のリンクの業者から。

シールド付きNanoVNAをeBayで見つけた
NanoVNAには色々なバリエーションがあるのは以前書いた通り。バリエーションのうち、特に気になるのがRF部のシールドの有無。私が入手したものは残念ながらそれはなかった。 シールド板は外からは見えないので注文は博打みたいなものだけど、さっき...

まぁ、元々が900MHzまでの製品なので、それより上が良くなくても文句は言えないだろうけど。

測定器
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jh4vaj

コメント

  1. 中川 隆之 より:

    NanoVNAを購入しましたがTRACE 0の黄色がどうさしません。
    一番使うSWRの測定ができません。
    CH 0の表示のないものは偽物と友人に言われ騙されたか?
    と思ってます。
    治せませんでしょうか?

    • jh4vaj より:

      NanoVNAを購入しましたがTRACE 0の黄色がどうさしません。

      状況がわかりません。

      一番使うSWRの測定ができません。

      四本のトレースを好きなように割り当てられます。

      CH 0の表示のないものは偽物と友人に言われ騙されたか?
      と思ってます。

      そもそも「本物」がどれかわかりません。

      治せませんでしょうか?

      私なら設定を見直します。