一連のシミュレーションで、1λループの幅を調整して50Ωでマッチングが取れるようにしたものがUNEクワッドのような気がしてきた。そういえば、1λループを極端に上下に押しつぶしたものがフォールデッドダイポールだとも言えるように思う。ということで、幅を変えていくつかMMANAでシミュレーションしてみる。
ダイポール
まずは、比較対象として極普通のλ/2ダイポール。シミュレーション条件は75Ωとする。

自由空間



理論上の利得は2.14dBiのはずだけど、この結果では2.08dBi。なんでだろう?完全にはマッチングしていないから?それとも、MMANAの使い方、または、見方を間違えている?
リアルグランド、3m高



リアルグランド、10m高



フォールデッドダイポール
上下の間隔は0.02m。特段の理由はない。条件は300Ω。

自由空間



リアルグランド、3m高



リアルグランド、10m高



200Ωループ
名前があるのかどうか知らないけど、200Ωでマッチングが取れる形状。1:4のバランを使うと50Ωで使えるという意図。

幅2.00
m、高さ1.12m。
自由空間



リアルグランド、3m高



リアルグランド、10m高



正方形
インピーダンス条件は120Ω。

各辺1.58m。
自由空間



リアルグランド、3m高



リアルグランド、10m高



UNEクワッド(中央部給電)
50Ωでマッチングが取れる形状。詳細は以下の以前の記事の通り。
番外
UNEクワッド
給電ポイントが角なのが特徴。シミュレーション結果はこちら。
Δループ
ヘンテナ
1λループにマッチング部を付加したものとみなすことができる。MMANAに付属していたものは75Ω仕様だったので、50Ωでマッチングを取ってみた。

横 0.86m、縦 3.00mで、下から0.67mでマッチング。75Ω版よりは横が短い(縦は同じ)。横の寸法も変えずに給電エレメントの上下でマッチングが取れないかとやてみたけどダメだった。
自由空間



リアルグランド、3m高



リアルグランド、10m高



Skydoor
ヘンテナがスタブでマッチングをとるのに対して、こちらはコンデンサを使うというもの。シミュレーション結果はこちらの記事内に。
まとめ
結果を並べただけではわかりにくいので、一覧にしてみる。
表が見辛い、特にスマホでは見辛いと思うが、そこはご容赦を。
バンド幅は SWR<1.5 の帯域。ダイポールとフォールデッドダイポールで3m高ではマッチング周波数がずれてしまったため帯域は計算できていない。
フォールデッドダイポールは、やはり、ダイポールよりも帯域が広い。一番広いのは200Ωのループ。
UNEクワッドと、UNEクワッド(中央部給電)は放射パターンに若干の違いはあるが、それも含めて誤差の範囲か。設置の都合や好み次第といったところか。
Δループと、UNEクワッドもほぼ同じ。トップが一点で水平エレメントが不要の代りに縦が大きくなる。これも好み次第という感じ。
ヘンテナと、Skydoorはよく似ている。コンパクトな分だけSkydoorの方が有利かもしれない。しかし、どちらも他のアンテナに比べて帯域が狭い。こんなに狭いとは驚いた。
ゲインを優先するならヘンテナかSkydoorだけど、全体的なバランスではUNEクワッドがいいように思う。帯域が比較的広いので調整が簡単そうだし。とはいえ、ヘンテナと違って、全体の長さ調整になるのでそこは工夫が必要か。
コメント