Banggoodからレビュー用にアンテナチューナが届いた。型番からして、ATU-100の派生品だと思われる。
仕様
販売ページから主な仕様を拾い出してみる。
| ATU-100 Pro+ | |
|---|---|
| 周波数範囲 | 1.8-30MHz |
| 最大動作電力 | 100W |
| チューニング最小電力 | 5W |
| 最大インダクタンス | 8.53μH |
| インダクタンスステップ | 0.05μH |
| 最大キャパシタンス | 1869pF |
| キャパシタンスステップ | 10pF |
| 最大消費電流 | 400mA |
| バッテリ容量 | 不明（後述） |
| 充電電流 | 1A |
外観と内部
内容物は、ATU-100 Pro+本体とUSBケーブル（充電用）、それに取説。取説は立派な冊子タイプ。USBケーブルはMicro B。今どきにしては珍しいと言うか、以前のATU-100から変っていないと言うか。
ファームウェアのバージョンは3.2。
前後のパネルはプリント基板。カーブもケースに合わせてあり、ほぼぴったりサイズ。
コネクタはM（正確には、UHF）。
底面にはゴム足などなし。
続いて内部。
うっかり、底板から開けてしまった。基板はケースにはネジ止めされていない。スペーサはシリコンゴムのような接着剤で底板に貼り付けられていた（はがれてしまったけど）。このあたりは以前レビューしたATU-100と同じ。
また、底から開けてしまったお陰でバッテリが見える。2000mAhのようだ。
天板も外す。なんだか、随分と接着剤（シリコン系のゴムみたいな感じ）で固められている。
こんなに接着剤で固定する必要があるのかなぁ？
リレーが12V仕様なので、昇圧している。充電と昇圧のブロック。
以前のATU-100は電源スイッチの端子が基板固定のネジに当たりそうだったけれど、これはスイッチを上下逆に取り付けることでクリアランスを確保している。スイッチの向きが通常とは逆なのが不思議だったのだけど、こういうことのようだ。
動作テスト
まず、適当なワイヤをつないで動作確認。
このATU-100 Pro+はマニュアルモードに設定されているようで、TUNEボタンを長押しするとチューニングモードに入る。この状態で無線機で送信すればATUが動作する。一応、1.8～50MHzの各バンドで反応しているらしいことが確認できた。「反応しているらしい」というのは、ワイヤが適当すぎてSWRが高すぎで無線機の保護機能が働き、送信出力を抑えてしまって5Wに満たない状態になり、ATUがチューニング動作しないバンドもあったため。これはしょうがないと言うか、仕様通り、チューニングには5W以上が必要なことが確認できた。ちゃんと、SWRが2以下になるバンドもあった。いずれにしても、ワイヤが適当すぎるので、後日、改めて動作確認するつもり。
適当なロングワイヤアンテナ（1:9 UNUN経由）で試したところ、7、10、14、18、21MHzでチューニングできた。これ以外のバンドではチューニングできなかった（装置は反応するが、SWRが高すぎて送信機が出力を絞ってしまうため、チューニング動作に入らない（PWR表示が2Wとかそういう小さい数値になる））。別のアンテナならチューニングできるのだろう。
動作の様子はこちらのビデオ。
- 電源スイッチを入れる（画面が表示されるまでにちょっと時間がかかる）
- TUNEボタンを長押ししてチューニングモードに入る
- 送信するとチューニングを行う
実際にしばらく運用してみた。アンテナがしょぼすぎるのでいまいちだけど、まぁ、飛んでいる。
まとめ・感想
「Pro+」なっているけれど、以前のものと大きな違いはなさそう。ファームウェアのバージョンが違う（新しくなっている）とか、電源スイッチが逆向きになっているとか、その程度だと思う。作りの雑さは以前と変わらずという印象。
以前のものもそうだったけど、バッテリ動作にする必要があるのかは、個人的には疑問。5W以上でなければチューニングできないのだから、屋外でのQRP運用を想定したものではないだろう。ならば、電源は確保できるだろうから素直に12V（13.8V）動作にしたほうがいいと思う。バッテリ自体も、その充電管理・昇圧回路も不要になるし、バッテリ切れの心配もなくなる。
それにしても、ともかく安い。これくらい安ければ改造ベースとしてもいいかもしれない。QRP向けに改造するとか、バッテリを抜いて12V動作にするとか。自分で一から作るよりも楽だし、安上がりだろう。
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