PR

UV-K1のスプリアス対策

まえがき

UV-K1の高調波は、以前作った144MHz帯用と430MHz帯用のLPFで対策した。

UV-K1、スプリアス測定と対策(LPF)、JARD保証 → 変更申請
UV-K1のスプリアスを測定。LPFを付けることで基準内に抑えられたので、この結果を持ってJARDの保証を受けた。

144MHz帯では許容値を超えているのは第二次高調波だけなので、これを抑ええられれば外付けLPFは不要になるはず。そう思って内部の改造を試みたが、残念ながら上手く行かなかった。

UV-K1の内蔵LPFを改造してみる → 上手くいかず
UV-K1のVHF側のスプリアスの問題は第二次高調波だけなので、ちょっとした改造・調整でなんとかクリアできないかとトライしてみた。結果は、残念ながらダメだった。その記録。検討のための調査はこちらの記事。LPFのはトラップ付きになっている。U…

430MHz帯では第二次時高調波と第三次高調波が許容値を超えているものの、以前作った5素子のLPFで対応できた。

これらを総合して考えると、144MHzの第二次高調波の対処(290MHzトラップ)と430MHz帯用のLPFを組み合わせればLPFの交換なしで使えるはず。探してみるとJE1RAVさんが実際にやっていらっしゃった。前例があるのは心強い。

ところで、UV-98 PLUSは第二次高調波が非常に強かったので7素子のLPFで対処した。

iradio UV-98 PLUSの高調波対策
UV-98 PLUSの高調波対策として、29MHz用と430MHz用のLPFを作る。これで、許容値の基準内に抑えることができた。

UV-K1は5素子LPFで大丈夫なことがわかっているので、このUV-98 PLUS用に作った基板を改造すれば290MHzトラップ付きの430MHz帯用LPFが作れるのではなろうか、というのが今回の話。

結論を先に言うと、できなくはないけれど、非常に難しい。一台ごとに微調整が必要になりそう。バンドごとにLPFを使い分けるのが現実的。290MHzのトラップはまぁ上手くいくけれど、全体のバランスを取るのが難しい。

シミュレーション

トラップには並列共振タイプと直列共振タイプがある。並列共振だと信号ラインの途中に入れることになり、通過させるべき周波数(145MHzや430MHz)でインピーダンスが乱れそう。直列共振タイプは信号ラインとGNDの間に入れ、通過周波数ではトラップのインピーダンスが高いので影響が少ないはず。

ということで直列タイプで進めたが、あちらを立ててればこちらが立たず。なんとかバランスが取れたのがこれ。

難しいのはトラップ周波数が通過帯域内にあるため。UV-98 PLUSの29MHz用のLPFでも第二次高調波のトラップを付けたけれど、あれはトラップ周波数はLPFの通過帯域外。こちらは430MHz帯用のLPFなので、290MHzは本来なら通さなきゃいけない。ここにトラップを付けるとインピーダンスが狂ってしまう。

145MHzも通す必要がないならもっと簡単だし430MHzでのSWRはよくできる。でも、両方共、通さなきゃいけない。Lの値を調整できるならもう少し追い込めるだろうけれど、市販のものをそのまま使いたいのでそれはなし。Cも入手可能な値という縛りにしたので、これが限界。

実測

まず、基板はこの7素子用になっている。

これを改造して、5素子LPF+トラップにする。

元のJ2の中心線側をカットし、それをL2-L3-C3の接続点につなぐ(パターンカットが一か所、ジャンパを一本)。L3とC4はそのままL7とC11のトラップになる。ランドはそのまま使える。

三つ作って、だいたい同じくらいの特性にできた。「なった」ではなくて「できた」と書いたのは調整が必要だったから。トラップがやはりシビアで、Cが4.3pFで上手く合う場合と3.9pFの方が良い場合とがあった。

まず、これはコネクタをJ-Pで作ったもの。

通過損は、144、430共、-0.5dB未満。トラップで20dB以上減衰する範囲が288~292MHz。SWRは両バンドとも2以下。SWRがやや高いが、これ以上追い込めなかった。実質的には問題ないだろう。ハンディ機のホイップアンテナなんて、5とか10とかになったりするし。

もう一つ。こちらは、J-Jで作ったもののうちの一つ(こちらを二つ作った)。

特性は概ね同じ。

このLPFは構造が非対称なので逆向きに付けたらどうなるかも見てみる。対象は、上のJ-Jタイプ(コネクタが同じなのでひっくり返すだけ)。

逆向きでも同じようだ。

UV-K1のスプリアス

では、UV-K1に接続して高調波の様子を見てみる。LPFはカバーを付けた状態で。

まず、J-P構成のLPFから。トラップが上手く効いてくれるか見たいので、144、145、146MHzでチェック。

分解能のせいか、周波数の値が正しくないが、上に書いた通り、順に144、145、146MHz(付近。バンドの内側)。

146MHzでは第二次高調波が出ているが、-60dBcはクリア。トラップが上手く効いている。いずれの測定でも第三次高調波などが出ているが、これも-60dBcはクリアしている。

430MHz帯。こちらは単にLPFなので433MHzだけチェック。帯域が広いので分割で。

基本波が36.0dBmなので、-60dBcだと-24.0dBm。クリア。

つぎに、J-Jタイプ。先程と同様に、144、145、146MHz。

いずれも-60dBcをクリアしている。こちらは第二高調波はまったく見当たらない。

続いて、433MHz。

あら、これはダメだ。第三次高調波が-60dBcをクリアできていない。

通過帯域のSWRがあまり良くないので高調波が出てしまうのだろうか?うーん、難しい…。一台ごとに微調整が必要になりそう。144と430を一つのLPFで対処しようと思ったが、通過帯域内にトラップを設けるのはハードルが高い。素直にバンドごとにLPFを使い分けるのが良さそうだ。残念だけど。

未分類
この記事のタイトルとURLをコピーする
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

コメント