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RTHA01 — ディスクリートヘッドフォンアンプ

経緯

続 理解しながら作るヘッドホン・アンプ」という書籍に掲載されているヘッドフォンアンプです。

本を読んだら音を聞いてみたくなります。書籍にはユニバーサル基板を使った丁寧な組立解説もあるのですが、ユニバーサル基板で組み立てる自信がない(組むのが大変、ミスを探すのが大変)のでプリント基板を起こしました。

プリント基板にするにしても、二層板だと配線がかなり大変です。配線できなくはないですが、電源やGNDのラインも細くなってしまいます。せっかくなら高音質を狙いたいので、しっかりした電源・GNDを確保すべく四層基板にしました。

この辺の話は、トランジスタ技術 2026年7月号にも書きました。

トランジスタ技術 2026年7月号
久しぶりに記事を書いたので見本誌が送られてきた。今号の特集はプリント基板製作。定期的に取り上げられるネタだけど、今回は4層板に焦点を当てている。その中の一つとして、4層基板体験記みたいなのを書かせてもらったのだけど、なんと、ド頭のカラーにな…

基板頒布

基板は複数枚作った(というか、一枚だけは作れない)ので、残っているものを頒布します。

なお、基本的に回路は上記の書籍にあるものそのままです。当該書籍をお持ちの方に限り、頒布します。回路図は公開しません。組み立てに必要な情報に限り公開します。

回路 — 書籍との違いなど

上述のとおり、基本的には書籍の回路そのままです(93ページ)。以下に違いなどを示します。書籍と合わせてご覧いただければ意味がわかると思います。

  • 電源部を含みます(99ページ)。
  • 入力部には書籍にあるLPF(101ページ)を入れています(スイッチでON/OFF切替え)。
  • 書籍では入力部に1.3kΩが入っていますが、1kΩ+300kΩにしています(部品入手の都合)。
  • 電源入力部にフューズ(ポリスイッチ)を入れています。不要なら実装しないでショートしてください(F101 — 基板左上、電源ジャックの近く)。
  • 電源入力部に逆接保護目的でショットキーバリアダイオードSS14を入れています。不要なショートしてください(D101 — 基板左上、電源ジャックの近く)。
  • パワートランジスタは放熱板(ケース底板)に取り付けます。計算上でも各トランジスタの消費電力は0.3W程度になりますので、かなり熱くなります(と言っても、触れないほどではありません)。書籍ではケースが広いためか、特段の放熱対策はしていません。本機では狭いケースに収めるので放熱条件が悪くなりますから、積極的に外に逃がすことにします。

チップ部品を多用しております。すべてのチップ部品は予め実装しています。書籍のポリシにのっとり、一般的なパーツを使用しています(高価なパーツは使用していません)。

部品表

部品表は以下のとおりです。

「実装済」は基板に実装されているチップ部品です。

「キット」は頒布品に含まれるものです。

「実装済」と「キット」以外の部品はご自身で調達してください。参考として秋月電子の販売コードを掲載していますが、これ以外のものでも良いです。

  • C101, C102の3.3nFは3300pFです。
  • C105, C106の1000μFのサイズの上限は直径12mm、高さ16mmです(高さ上限は他の部品でも同様)。
  • C201, C301の10μFは書籍では有極性のアルミ電解ですが、無極性を強く推奨します。直径の上限は5mmを想定していますが、6.5mmくらいまでは入りそうです。
  • C202, C302の100μFも、無極性を強く推奨します。直径の上限は8mmです。
  • 47pFと100pFは高周波特性の良いコンデンサを使ってください。物理特性ではC0G特性の積層セラミックが良いです。オーディオ的にはスチロールやマイカが好まれると思います。
  • DCジャックは2.1/5.5mm、センタプラスです。

天板等のケース部材はこちらです。

組立て

チップ部品はすべて実装済みですので、自分で取り付ける部品はコンデンサやジャックなどの大きなものばかりです。組立てた例が下の写真です。

部品取付け

いくつかポイントを挙げておきます。部品リストと合わせて参考にしてください。

F101

電源のフューズですが書籍では使われていません。書籍通りにするなら、部品場実装せずに、代りに適当なワイヤでショートしてください。

D101

電源の逆接保護用目的のダイオードです。書籍では使われていませんので、書籍通りにするならショートしてください(ダイオードは付けたままショートすればよいでしょう)。ただし、その場合は、逆接続にはくれぐれも注意してください(特に、自作電源を使ったりする場合など)。

電解コンデンサ 3300μF

背が高いので写真のように倒して実装します。

電解コンデンサ 1000μF

上の例ではOS-CONを使ってみました。ここにOS-CON使ってもあまり意味はありそうにないですが…。高さは16mmまでなら入るはずです。スペーサは18mmなので18mmまで入りそうですが、電解コンデンサの実際の高さはデータシートよりは若干高いようです(また、天板から少し離したいですし、そもそも18mm高というサイズはないだろうと思います)。

電解コンデンサ 100μF

NFB部に入っているものです。書籍では有極性の一般アルミ電解コンデンサが使われているので部品リストの秋月コードもそれに該当するものを掲載していますが、ここは無極性(両極性)を強く推奨します。上の写真では手持ちの都合で47μFを実装しています(おそらく、聴感で違いは分からない)。サイズは直径8mmまで実装可能です。当初、OS-CONを実装していましたが、OS-CONは漏れ電流が多いため、ここには適しません。アルミ電解コンデンサを使ってください(繰り返しますが、無極性を推奨します)。

電解コンデンサ 10μF

入力のカップリングコンデサです。ここも書籍では有極性の一般アルミ電解コンデンサが使われていますが、無極性(両極性)を強く推奨します。直径6.3mmのものまでは実装できると思います。上の例では、PMLCAPを無理やり取付けています(16MU106MC44532)。

47pF, 100pF

書籍では品種について触れられてないようです(見落としていなければ)が、回路構成から考えて、これらは高周波特性が良いものを使ってください。物理特性ではC0G(NP0)タイプの積層セラミックが良いです。チップタイプも実装できるようにしていますので、それが最良でしょう。一方で、オーディオ的にはマイカやスチロールコンデンサが好まれる傾向です。一般的なマイラ(ポリエステル)でも動作上は問題ないだろうとは思います。

0.1μF

C206, C207, C306, C307は書籍の回路にはありません。書籍通りにするなら実装しないでください。チップタイプもリードタイプも実装できるようにしています。パワートランジスタ直近の電源のパスコンです。

470μH

書籍では磁気シールドタイプが使われていますが、上の例ではトロイダルタイプを使っています。

2SA1015, 2SC1815

東芝製はおそらく市場から枯渇していると思います。セカンドソース品なら安価で入手可能です。おそらく、他の一般的な小信号トランジスタでも動くと思います。2SA933Sと2SC1740Sでも試しましたが、問題なく動作してくれました(特性チェックはしていないので、あくまで聴感上での判断ですが)。 また、コンプリメンタリ品が選ばれてますが、回路構成上はまったく独立していますので、コンプリメンタリの必要はありません。

基板の裏に品名を印字していますので、取り付けの参考にしてください。

TTA008B, TTC015B

これはこのまま使うのが良いと思います。他は試していません。電源(レールスプリッタ側)は変えてもいいかも(変える必要もないでしょうが)。

取り付けは基板の裏側から。底板(放熱板)に取り付けますので、ハンダ付けは底板に付けてからが良いでしょう。とりあえずは足を穴に挿しておくだけにしておきます。

フルモールドですので絶縁シート等は不要です。シリコングリスをお持ちでしたら、ごく少量塗布すると良いと思います(底板には小さな穴がありますので、シリコングリスがはみ出す可能性があります)。

底板への固定にはM3の皿ネジを使うことを想定しています。穴の大きさは大きめにしてあり、皿の頭が少し埋まるようにして大きくはみ出さないようにしています。

基板上に品名を印字していますので、取り付けの参考にしてください。

DCジャック

足が少し長すぎですのでカットしておきます。底板までの距離は2mmですので、基板に挿し他状態で、その範囲に収まるようにします。

LED

90度曲げて取り付けます。概ねの寸法は下の写真のとおり。最終的にはケース組込時に現物で調整してください。

ケース組立てと調整

最初に側板を分割します。ニッパで切るか、手で曲げれば割れます。不要なバリをヤスリで削り取ります。水を付けて削ると粉末が飛び散らないで良いと思います。この際、誤って必要な突起を削ってしまわないように注意してください。左右の側板だけでなく、前後のパネルにもバリがあります(本当は前後左右の側板がつながった状態で設計したのですが、穴位置の変更などによって作り直したので頒布品ではバラバラになっています)。

組立ての前に回路基板を入れずに仮組みします。

中身がないと箱状に組むのが難しいと思います。箱にしなくても、それぞれの突起と穴が上手く嵌合すればOKです。

きつくて入らない場合は突起を少し削って調整してください(穴の方は調整が難しいので)。また、奥まで入らない場合は突起の根本が太くなっている(Rが付いている)ためです。これも削って調整してください。元々プリント基板ですので、機械的に完全な細かい整形は難しいのだと思います。

突起と穴の調整ができたら、実際に組立て作業に入ります。まず、底板にビス(長い方)を挿します。

天板を当てて裏返します。

シリコングリスを塗ります(お持ちでなければ省略しても大丈夫でしょう)。下の写真は、ほんとど空のチューブから無理やり絞り出したので汚い…。

ビスにワッシャを通します。

基板にトランジスタを裏から差し込み、それを底板に被せます。向きに注意してください。

スタンドオフを取り付けて軽く締めておきます。

トランジスタを皿ビスとナットで固定します。その後、足をハンダ付けします。

シリコングリスを付けた場合は、穴から染み出すかも知れません。適宜、拭き取ってください。

LEDにキャップを被せます。

スタンドオフを緩めて、前後のパネルを取り付けます。底板の穴にパネルの穴をきちんと収まったらスタンドオフを締めます。プラネジですので程々に。LEDの収まり具合(飛出し具合)も適宜調整してください。

続いて、ヘッドフォンジャックとボリュームのワッシャ・ナットを取付けます。これで固定すると言うよりも、飾りネジのようなものですので、これらも程々に締めればOKです。ボリュームのツマミの取付けは、このときについでにでも、後ででも。

この状態で動作させて、書籍(95ページ)で指定されているとおりに半固定抵抗を調整します。測定ポイントは下の写真のとおりです。穴(スルーホール)になっていますので、ここにテスタを当てれば測定できます。

書籍ではある程度の時間動作させてから調整するようにとなっていますが、電源を入れたら最初に一旦調整すると良いと思います。その状態で所定の時間動作させてから再調整してください。

もし、ここに高い電圧が出ている状態でヘッドホンをつなぐと、ヘッドフォンが壊れます。ヘッドホンをつなぐ前に、必ず確認・調整してください。もし高い電圧が出ているなら、製作ミスです。部品の付け間違い、ショート(ハンダブリッジ)、ハンダの付け忘れを徹底的に探してください。部品が壊れていることは滅多にありません。

調整が終ったら左右の側板を立てて、天板を被せ、ビス留めします。

底板にゴム足を貼り付けられるようにしていますが、前述のとおり、発熱が結構あるので貼り付けタイプはあまり良くないかも知れません(熱で緩んでズレやすいかも…)。付けないか、何らかの工夫をしてみてください。

頒布

頒布は、書籍「続 理解しながら作るヘッドホン・アンプ」をお持ちの方に限定します。

頒布品は回路基板(四層基板)、ケース部材、一部部品のセットです。すべての部品が揃っているキットではありません。上記の説明をご覧の上、必要な部品(好みの部品)を別途調達してください。また、完成品はありません。

【注意事項】

  • 部品の調達の都合上、上の写真とは異なる場合があります。
  • コストダウンのため、ほとんどの部品は海外通販で調達しています。そのため、部品の表示が読みづらい(印字が薄い、偏ったり潰れたりしている)ものがあります。何卒、ご了承ください。
  • 本機のマニュアルは当ページがすべてです。紙媒体はありません。また、本機は電子工作の経験がある程度ある方を対象としております。電子工作の基本については、こちらのページに参考になりそうなサイトなどをまとめてあります。
  • 資源の有効活用のため、梱包材は再利用することがあります。
  • 仕様や頒布価格は予告なく変更することがあります。
  • 本機の組立てや使用による怪我・事故等には責任を負いません。

【価格】

  • 頒布価格: 3,900円
  • 送料: 280円
  • 支払い方法: 銀行振込

【申込みフォーム】

※これは申込み専用フォームです。申込み以外(問合せ等)には使用できません。

こちらにご入力いただいたメールアドレス宛に、追って、振込先等をお知らせします。入力ミスのないようお願いします。また、ここにご住所等は書かないようにお願いします。

RTHA01頒布申込み

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