先日、2エレ八木で導波器の場合と反射器の場合とをシミュレーションで比較してみた。その限りでは反射器の方が良いという結果だった。
それに対し、機構的な設計は指向性重視で行い、マッチングは別途考えた方が良いと言ったコメントを頂戴した。
https://www.jh4vaj.com/archives/17834#comment-795
画像も添えていただき、なるほど、ビームパターンがきれいで、フロントゲインも高い。
ということで、そのエレメントサイズを使って、改めてシミュレーションしてみる。今回は、最初から垂直偏波で。
![](https://www.jh4vaj.com/wp-content/uploads/2020/05/145_2ele_Gain_D_00.png)
導波器
コメントで頂いたエレメントサイズをそのまま使う。
![](https://www.jh4vaj.com/wp-content/uploads/2020/05/145_2ele_Gain_D_01-600x82.png?v=1590163135)
![](https://www.jh4vaj.com/wp-content/uploads/2020/05/145_2ele_Gain_D_02-600x370.png?v=1590163154)
![](https://www.jh4vaj.com/wp-content/uploads/2020/05/145_2ele_Gain_D_03-600x430.png?v=1590163173)
![](https://www.jh4vaj.com/wp-content/uploads/2020/05/145_2ele_Gain_D_04-600x430.png?v=1590163199)
![](https://www.jh4vaj.com/wp-content/uploads/2020/05/145_2ele_Gain_D_05.png)
最初にも書いた通り、ビームパターンがとても美しく、ゲインも高い(前回のシミュレーションが6.33dBiだったのに対して、こちらでは7.1dBi)。ただし、インピーダンスのマッチングは取れていないので、何らかのマッチング回路が必要。
反射器
続いて、反射器で。前回と違い、今回はビームパターンやフロントゲインを重視で調整してみる。
![](https://www.jh4vaj.com/wp-content/uploads/2020/05/145_2ele_Gain_R_01-600x82.png?v=1590163576)
なんとか様になったのが上の寸法。これでフロントゲインが導波器版と同じ7.1dBi。ビームパターンでもう少しバックが切れてほしいけど、そっちをどうにかしようとするとフロントゲインが下がる。7.1dBiを出すのに苦労した。これ以上の値は見つけられなかった。
![](https://www.jh4vaj.com/wp-content/uploads/2020/05/145_2ele_Gain_R_02-600x366.png?v=1590163655)
![](https://www.jh4vaj.com/wp-content/uploads/2020/05/145_2ele_Gain_R_03-600x430.png?v=1590163612)
![](https://www.jh4vaj.com/wp-content/uploads/2020/05/145_2ele_Gain_R_04-600x430.png?v=1590163625)
![](https://www.jh4vaj.com/wp-content/uploads/2020/05/145_2ele_Gain_R_05-600x430.png?v=1590163633)
まとめなど
前回のシミュレーションでは特別なマッチング回路を設けずに50Ωでマッチングが取れることを重視したが、その条件を外せばフロントゲインやビームパターンがかなり良くできることがわかった。
導波器版はエレメント間隔が非常に狭くできて、コンパクトになる。しかもビームパターンがきれい。ゲインも反射器版と変りない(というか、導波器版の方はもっとよくできる可能性もありそう)。ということで、2エレ八木の場合は、導波器版の方が「勝ち」と言えそう。もっとも、用途次第では反射器版の方が良いこともあるかもしれないけど。
ただし、導波器版にしろ、反射器版にしろ、今回のものはインピーダンスマッチングが取れていないので、別途考える必要がある。ここは今後の課題。
しかし、わずか2エレでも奥が深いなぁ。
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